上田早夕里(著)「華龍の宮」★★★★★

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    陸地の大半が水没した25世紀の地球を描くSF超巨編「華龍の宮」
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    (まだお読みでない方にはネタバレになります)

    【 概要 】

    ホットプルームの活性化による海底隆起で、多くの陸地が水没した25世紀。
    リ・クリテイシャスと呼ばれる大変化の歳月を越えた人類は、残り少ない陸地や海洋上の人工都市に住む”陸上民”と、遺伝子改変で海に適応した”海上民”、人間の姿を捨て移動することなく日光を浴びてエネルギーを得る”袋人”などに変容して生き延び、新たな環境下で再繁栄している。
    陸上民の国家連合と、国家を持たない海上社会が対立する中、大陸下のホットプルームが新たな試練を人間に課そうとしていた・・・。

    【 感想など 】

    スケール    ★★★★★
    SF度     ★★★★★
    物語性     ★★★★★
    独自世界の構築 ★★★★★
    力感      ★★★★★


    ハヤカワSFシリーズJコレクション、588ページのSF超巨編!!
    SFプロパー作家による大型SFを久しぶりに読んだ。
    60年代、70年代の米英SF黄金期を思わせる作品で、J・G・バラードまで想起してしまう力作にはケチをつける気になりません。

    日本人らしいきめ細やかさと、地球規模での大異変を描いたスケール感がミックスされていて、フランク・シェッツィングの『深海のYrr』なんかよりもクオリティが高い。
    藤崎慎吾『ハイドゥナン』よりもダイナミックで、内容は異なるけど貴志祐介『新世界より』や、池上永一『テンペスト』と比較したくなる超大作です。

    上田早夕里が”大化け”したというか、才能が”一気に開花”したと言うか・・・野球に例えるなら、毎年8勝程度の投手が、一気に20勝しちゃったような勢いです。
    −◆−

    ホットプルームの活性化による『地球沈没』ともいえる最初の大異変をサラッと書き飛ばして、一気に25世紀の世界に飛び込む潔さが良い。
    『地球沈没』だけで長編を一冊書けそうなのに、あえてスルーすることで冗長感が出ずに済んでる。
    その分、主人公の外交官・青澄誠司が25世紀の国際紛争のはざまで奔走する物語がしっかり描けた。
    −◆−

    〈魚舟〉と呼ばれる生物船。人間に牙をむく〈獣舟〉と呼ばれる巨大生物。生物兵器の名残と思われるクラゲがウイルスをまき散らす〈病潮〉、陸上民を補助するアシスタント知性体など、上田早夕里が作り上げた異形の世界は魅力たっぷり。
    謎の海上民・ツキソメや、汎アジア連合所属の武装海上警察ツェン・タイフォン上尉など、登場人物も良い。

    汎アジア連合海軍に刃向うタイフォン上尉の物語や、ツキソメを拘束しようとするネジェス(アメリカの系譜をひく政府連合)と青澄の攻防・・・≪魚舟・ユズリハ≫上での追手との格闘や潜水艦戦・・・は海洋冒険小説としても十分に面白い。(ちなみにユズリハという名は、上田早夕里の郷土・兵庫県ゆかりの常緑高木から取ったのかな・・・)
    −◆−

    新たな人類の危機に際して、アシスタント知性体を宇宙に飛ばす部分も壮大で面白い。
    「ここまで欲張るか」と思わせるほど物語を跳躍させてる。

    以上、少々持ち上げすぎかとも思うんだけど、小生にとってはSF氷河期とも思える近年にあって、SF作家によるこれほどの意欲作を読めた喜びが大きいから、褒めちぎりたいのであります。
    正直言うと貴志祐介『新世界より』や、池上永一『テンペスト』より線が細い気もしますが、著者の意欲やエネルギーに100%の敬意をこめて、褒めちぎりたいのであります。
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    宮部みゆき (著)「英雄の書」★★★☆☆

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       宮部みゆきの”渋すぎる”ファンタジー小説「英雄の書」
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      宮部みゆき (著)「英雄の書」感想

      柴田哲孝(著)「GEQ」★★★★★

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          『阪神淡路大震災』における隠された事実を追う傑作謀略ミステリ
          フィクションとノンフィクションの境界線が分からなくなる悪夢の展開!!!
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        柴田哲孝(著)「GEQ」感想


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        湊 かなえ(著)「告白」★★★★★

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           2009年本屋大賞の受賞作で、松たか子主演映画化の湊かなえ(著)「告白」
           よくできた作品で、舌を巻きました。
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          湊 かなえ(著)「告白」 感想



           都合で、”楽天ブログ”から、 FC2ブログ『 子育てパパ BookTrek(P-8823) http://p8823.blog134.fc2.com/へ引っ越しました。
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          和田竜(著)「のぼうの城」★★★★★

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            痛快時代小説「のぼうの城」
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            和田竜(著)「のぼうの城」 感想





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            百田尚樹(著)「影法師」★★★★★

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               『永遠の0(ゼロ)』『ボックス!』で名をはせた著者による傑作時代小説『影法師』
               自己を捨て、生涯をかけて男と男の友情を貫いたサムライの生き方に、胸がキューンとしました。
               百田尚樹は、まちがいなくプラチナ作家です。
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              池上彰(著)「14歳からの世界金融危機 」★★★★☆

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                 夏休みにあたって、我が息子(中1と高2)に読ませようと『45分でわかる! 14歳からの世界金融危機。 サブプライムからオバマ大統領就任まで。』を図書館で借りてきました。
                 まずは、味見のために小生が先に一読・・・。
                 池上彰さんの語り口そのままに、優しく丁寧にサブプライムローン問題以降の世界経済の危機が解説されておりました。
                14歳からの世界金融危機。

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                スティーグ・ラーソン(著)「ミレニアム1 ドラゴンタツゥーの女(上)(下)」★★★★★

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                  スウェーデン発のベストセラーシリーズ第1弾
                   「ミレニアム1 ドラゴンタツゥーの女」
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                  ■内 容

                   月刊誌“ミレニアム”の発行責任者で敏腕ジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィストは、大物実業家のスキャンダルを暴いたばかりに名誉棄損で有罪判決を受ける羽目に・・・。
                   出版社から当面離れることにしたとき、大企業グループの重鎮ヘンリック・ヴァンゲルから40年前の少女失踪事件の真相解明を依頼される。
                   ヴァンゲル一族の住む孤島で調査を開始したミカエルは、あることをきっかけにセキュリティ会社の女性調査員リスベット・サランデルと出会い、二人で少女失踪事件の調査を進めることになるのだが・・・。

                  ■感想など

                   懐具合優先のため、ほぼ図書館で借りた本だけを読む小生にも、ようやく評判の『ミレニアム』を読む機会が巡ってきました。

                   で、まずまずの面白さ・・・。
                   謎解きも、じっくりと書き込まれ、架空の資本家ヴァンゲル家にまつわる『ダ・ヴィンチ・コード』みたいな・・・。
                   猟奇的連続殺人犯は、『リンカーン・ライムシリーズ』を思わせる雰囲気もあるし・・・。
                  ミカエル・ブルムクヴィストとリスベット・サランデルのコンビは、リンカーン・ライムとアメリア・サックスを思わせなくもない。
                  −◆−

                   なかでも、リスベット・サランデルのインパクトが強い。
                   少年のような身長150cm、体重40キロの小柄な身体のいたるところにタトゥーを入れていて、鼻にはピアス・・・。
                   幼少期から人を信じることをせず、頑なにコミュニケーションを拒むことから精神科医に「偏執症的な統合失調性の妄想にとらわれており、双極性障害が見られ、共感能力が完全に欠如している」とされ、法定後見人を付けられていてる。
                   彼女のなけなしの財産は、後見人に管理されている。

                   そして、統合失調性、双極性障害と受け止められる極端な個性の代償なのか、ハッカーとしての天性や、カメラ的な記憶力に恵まれている。

                   要するに、社会に背を向けた人嫌いのアウトロー。
                   しかし、正義感は強く、女を蔑み性的虐待に走る男には異常な嫌悪感を持つ。
                   自分に極めて悪質なセクハラを仕掛けてきた後見人らを”懲らしめる”一面も・・・。

                   ハリウッド的でもあるヒロイン”アメリア・サックス”とは対照的に、”リスベット・サランデル”は、光と闇を併せ持つヒロインで、安易に近づくと火傷しそうな・・・。

                   『ミレニアム1』を読む限りでは、その面白さはリスベット・サランデルというキャラに尽きるようです。
                  −◆−

                   さて、作者のスティーグ・ラーソン。
                   彼の経済への考え方を表すミカエルのセリフ・・・。
                   「スウェーデン経済とスウェーデンの株式市場を混同してはいけません。スウェーデン経済とは、この国で日々生産されていりう商品とサービスの総量です。それはエリクソンの携帯電話であり、ボルボの自動車であり、スカン社の鶏肉であり・・・・」
                   「株式市場は、これとまったく別物です。そこには経済もなければ、商品やサービスの生産も。ないあるのは幻想だけです。企業の価値を時々刻々、十億単位で勝手に決めつけているだけなんです。現実ともスウェーデン経済とも何のかかわりもありません」

                   スティーグ・ラーソン氏についてウィキペディアには「ジャーナリスト」で「共産主義者」と紹介されているのですが、上に引用した文書からも、市場主義への反感がにじみ出ています。


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                  沼田まほかる(著)「アミダサマ 」★★★★☆

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                    第五回ホラーサスペンス大賞受賞作家による傑作ホラー小説
                       沼田まほかる(著)「アミダサマ 」
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                    ■内 容

                     工藤悠人は、耳鳴りのように聞こえる何かに呼ばれて、廃車置き場に捨てられた冷蔵庫のもとへやってきた。
                     そこには、同じように導かれてやってきた近隣の寺の住職、筒井浄鑑も・・・。
                     見知らぬ二人は、冷蔵庫の中から届く”コエ”に応えて、扉を開く。
                     冷蔵庫にはズック以外は衣服もつけていない幼女が閉じ込められていた。
                     ズックに書かれた名前を手掛かりに、彼女の身元を突き止め、ミハルという名も判明。
                     浄鑑が寺に引き取り、浄鑑の母・千賀子とともにミハルを育てるが、やがて寺の周りの集落に変異が起き始め・・・・。

                    ■感想など

                     アミダサマ----仏教の死生観を背景に、静かにジワジワと迫ってくるホラー小説。
                     欠片も派手さが無いのがイイ。

                     可愛がった猫の死を受け入れられないミハルは、死を許さず、現世に呼び戻し、浄鑑の母・千賀子にその猫が憑き、徐々に性格が変わっていく。
                     のどかだった町では突然自殺者が出たり、悪い噂話の輪が広がったり・・・・。
                     人や町が少しずつ変化するが、ミハルが働きかけて変化しているわけではなさそうで、ミハルの存在そのものが周囲に尋常ならざる影響を及ぼしている様子。

                    ・・・この国全体、それどころか世界中がタガが外れたみたいになってきてるじゃないか。新聞を読んでみろよ、親が子を殺したり、子が親を殺したり、無差別に何人も殺したり、そうかと思うと、カエルが絶滅するかもしれないだの、巨大クラゲが大量発生だの、現実離れのした話は数え上げたらきりがないよ。その上旱魃だ、洪水だ、地震だ、ハリケーンだ----。まったく、世界の終りも、そう遠いことではないのかもしれないと、ついつい考えたくなるよ。
                     登場人物が口にしたこのフレーズが言い表すように、はっきりした形はないけど、世の中を少しずつ不吉な混沌へと向かわせる何かを感じさせる物語です。
                     振り返ると、そこには制御不能な何かがありそうな・・・。
                     まとわりついてきそうな雰囲気が、えもしれず不気味。
                    −◆−

                     声ならぬ、コエが聞こえる工藤悠人は壊れていく。
                     浄鑑も、不本意な形で母を失うことになる。
                     ミハルを中心に、堕ちていく。
                     そして、ミハルも・・・。
                     親の因果や、輪廻転生を感じさせながら、物語は閉じていく。

                     不可思議で独特の雰囲気が何とも言えない作品。
                     軽さを排した大人の読書に堪える小説です。




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                    ロバート・J.ソーヤー(著)「フラッシュフォワード 」★★★★

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                      海外ドラマ『フラッシュフォワード』の原作長篇
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                      ■内 容

                       欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を用いて、物理学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。
                       実験開始の瞬間、全世界の人類が約2分間意識を失い、数十億の人びとの意識が21年後の未来に飛んでしまった。
                       この”フラッシュフォワード現象”によって、航空機墜落など世界中で事故が起こり、多くの死者が出てしまい、ロイドは罪の意識に苛まれるのだが・・・。

                      ■感想など

                       ドラマ版『フラッシュフォワード』を観る前に、原作を読んでおこうと、図書館で借りて一読。
                       ”SF”らしい”SF”で、ある程度は面白いし、リーダビリティにも優れていて、サクサク読めてしまいました。
                      −◆−

                       ダン・ブラウンのベストセラーで、トム・ハンクス主演の『天使と悪魔』でも出てきた『欧州原子核研究機構(CERN)』って、なんか科学への好奇心をくすぐられるし、どことなくミステリアスな雰囲気もあって、SF小説の舞台にはバッチリです。
                       で、ここでの実験が原因となって、人類の意識が21年後の未来に飛んでしまい、航空機事故など大惨事が起きるというプロットですから、てっきり”ディザスター小説”の色合いが強いのかと思いきや、大惨事については意外とあっさりと描かれていて、肩透かしをくった感じ・・・。

                       むしろ人類が見てしまった21年後の世界は、変更可能な未来なのか、不可避の未来なのかを登場人物の物理学者が量子論的な思索を重ねる部分が濃く描かれていて、婚約者とは別の女性と暮らしている未来のビジョンを観たロイドが、結婚するかどうか悩んだりしてなんかウジウジした印象も・・・。

                       せっかく、フラッシュフォワードという、とてつもない現象を材料にしているのに、小説の中盤部分が小ぢんまりして勿体無い・・・。
                      −◆−

                       さて、小説終盤、2度目のフラッシュフォワード現象でロイドの意識が飛んだ先は、はるか未来で・・・。
                       このあたりは、ACクラークの『幼年期の終わり』『スペースオデッセイシリーズ』などなど、時間と人類の進化を描いた古典的な展開。

                       しかし、全体を通してみると、”CERN”という最先端の壮大なガジェットを用いながら、AC・クラークやI・アシモフほどの壮大さを描けていないかな・・・。

                       やはり、クラーク、アシモフ、ハインラインの世代は偉大だったなぁ・・・。
                       とはいえ、まずまず楽しめるSF作品でした

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