三浦春馬「殺人偏差値70」★面白かった〜狂気と現実の境目
- 2014.07.03 Thursday
- 09:40
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ツッコミどころはあるけど、面白かったですね。
三浦春馬が狂気に蝕まれてゆく様はサイコホラー的な面白さがあり、なかなかの出来映え。
−◆−
東大受験の朝。あろうことか寝過ごしてしまった二浪中の圭介(三浦春馬)。
必死で支度してタクシーに飛び乗ったが、渋滞に巻き込まれたため下車して徒歩で会場に向かう。
<あと15分で俺の人生は終わる2度『東大』に落ちたこれが3度目の最後の正直>
焦る気持ちがヒシヒシと伝わってきて、こっちまでヒリヒリしちゃう。
ハァハァ息をしながら坂道や階段などを通って会場に向かうも、もう間に合いそうに無い。
その瞬間、最近頻発しているボンバーマンという連続爆弾魔を模倣して試験開始を遅らせることを思いつき、ネットカフェからフリーメールで東大に「爆破予告」を送信。
送信ボタンをクリックするときのドキドキ感がたまんない。
「あっち側の世界」へ一歩踏み出すボタンを押したようなものだものね。
で、爆弾騒ぎで試験時間が遅れることになり圭介(三浦春馬)はセーフ。
−◆−
合格発表。圭介は合格。
喜ぶ圭介を見つめてる男(城田優)は、自分の受験票をぐちゃぐちゃに丸めてる。不合格。
東大生活が始まったある日、学食にいる圭介(三浦春馬)に突然メールが入ります。
<全部知ってる>
そして音も無く田中宏志(城田優)が現れ「お前のことは全部知っている」と強請りを開始。
最初は50万円。これが地獄の日々の始まりでした。
−◆−
このあとは、圭介(三浦春馬)が徐々に追い詰められていく顛末。
圭介(三浦春馬)が、おっとりした可愛い恋人・真山理佳子(瀧本美織)と部屋で過ごしていると、メールが入り<俺も部屋に入れてくれよ>
あわてて窓から外を見ると宏志(城田優)がじっとこっちを見つめてる。
怖いわぁ。
とにかくこの調子でどこにでも現れる宏志(城田優)の不気味さや、理不尽さが際立っていて、城田優は久々にヒットって感じ。
−◆−
宏志(城田優)のプレッシャーにさいなまれて、強請続けられて金の算段にも困り果てる圭介(三浦春馬)。
金のために割の良いバイトを学友に紹介して貰ったんだけど、これが時給1万円。
バイトの中身はドラッグ販売。
爆破予告に続いて、今度はドラッグ販売という犯罪に手を染めて余計に追い込まれていく圭介(三浦春馬)。
ラリってる連中と交わるうちに、正気を失いそうな圭介の心理状態がヤバイ。
−◆−
徐々に心理的にやばくなってる圭介(三浦春馬)の心を新たに蝕む出来事。
セレブな家の跡取り息子で東大現役合格のエリート楠見(桐山漣)が理佳子(瀧本美織)を狙っているところを目にしちゃう・・・。
楠見(桐山漣)はあからさまにエリート意識を口にし、二浪で庶民の圭介(三浦春馬)は劣等感からいらだちを見せて理佳子の前で楠見を殴る始末・・・。
犯罪に手を染めたプレッシャーに加え、劣等感までもが圭介(三浦春馬)の精神を蝕んでいく・・・。
−◆−
宏志(城田優)に半ば洗脳されるようになっってしまった圭介(三浦春馬)は、理佳子を殺害するように仕向けられる。
幸い、理佳子を殺すことは無かったんだけど、当然ながら甘い恋人生活は続けられず、心の拠り所をなくす圭介。
このあたりに来ると、かなり精神的にやばくなっている圭介。
三浦春馬と城田優が見事に「危ない雰囲気」を醸し出しています。
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ときどき圭介(三浦春馬)の子供時代にフラッシュバック。
テストで54点を取った小学生時代の圭介をしかりつける母。
あるときは圭介の手の甲を血が出るほど爪で引っ掻いてる鬼母?
頭にきた圭介がカッターナイフで何かに切りつけ、そのあと父(高橋克実)ととも小さな盛り土を拝むような仕草・・・
小動物を殺した?
小動物どころか、もしかしたら圭介(三浦春馬)は母親を殺した過去を隠してるんじゃないかと思わせる抽象的な映像も・・・。
思わせぶりで、上手い造りになってるなぁ。
こうして圭介は犯罪に手を染めたプレッシャー、楠見(桐山漣)らに対する劣等感、さらに母にまつわる過去によって精神が崩壊に向かう・・。
追い詰められ感が半端ない!!
−◆−
圭介がバイト先で知り合った西浦佐奈(栗山千明)という女が、圭介を守ってあげるといって抱きしめてくれます。
しかし彼女は宏志(城田優)に殺されてしまい、唯一の味方を失います。
ついに精神的に一線を越えた圭介(三浦春馬)がカッターナイフで宏志(城田優)を刺してしまいます。
その時、理佳子(瀧本美織)がやって来て絶句。
圭介の犯行に絶句したのかと思いきや、現実には圭介が自分の腹を刺していたのです。
これまで圭介の前に現れていた宏志(城田優)も佐奈(栗山千明)も、狂気に冒された圭介が作り出した幻影だったのです。
最初に50万円強請ったときの宏志だけが現実だったのかな?
佐奈(栗山千明)は、幼いときに生き別れた母親を投影した幻でした。
−◆−
なんとなく、現実ではなさそうな感じはしていたんですけど、それが分かっていても圭介(三浦春馬)の精神が蝕まれていく過程は充分に見応えがありました。
どこから現実でどこから非現実なのか見分けが付かないのも、怖さに繋がっていましたし・・・。
「入試日に朝寝坊」という出来事から、破滅へと突き進む圭介の精神状況をプロジェクションマッピングを用いたサイケデリックな映像で表現したのも、危うさが滲み出ていて効果的だったんじゃないかな。
実相寺昭雄監督作品みたいな味わいかな?
−◆−
というわけで、つまらないC級ホラー映画なんかよりはよほどマシだった『殺人偏差値70』
あ〜ぁ面白かった。
父(高橋克実)と母(栗山千明)の因果が子に報い---って部分も良く出来ていましたねぇ。
全体としては、主人公・三浦春馬がヨカッタのはもとより、不気味でむかつく男・宏志を演じた城田優、エリート意識丸出しの楠見を演じた桐山漣、おっとりとした優しい恋人・理佳子を演じた瀧本美織らも役柄にフィットしていてヨカッタ。
脚本や撮影も決して斬新ではないんだけど、トラディショナルな手法を駆使して「怖さ」を上手く描けたんじゃないでしょうか。
2時間枠が長く感じられずに楽しめました。
ただ、中身は良かったけど、「ヤングサスペンス」という昭和っぽい言い回しはどうにかした方が良かったかも・・・。
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★『軍師官兵衛』第26回
★シドニアの騎士 第12話(最終回)
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