『軍師官兵衛』第26回「長政初陣」★「お前は猪か」とツッコまれた長政(松坂桃李)
- 2014.06.30 Monday
- 11:25
- NHKドラマ・番組
今回の『軍師官兵衛』で印象に残った登場人物は3人。
1)14-15歳の黒田長政(松坂桃李)。
2)忠義にあつい清水宗治(宇梶剛士) 。
3)いよいよの明智光秀(春風亭小朝)。
−◆−
毛利攻めで初陣を迎えることとなった嫡男の長政(松坂桃李)が血気にはやることを危ぶんだ官兵衛(岡田准一)は太兵衛(速水もこみち)に目付役を命じました。
ヒゲを蓄えた太兵衛(速水もこみち)、なかなか精悍で良い感じだわ。
官兵衛は長政に「足手まといにならぬように心掛けよ。」
力みまくってる長政は早口で「鍛練を重ねてきたはこの日のため。必ずや武功をあげ父上のお役に立ってご覧に入れます!」
少し老けて見えるけど、実際にはまだ14-15歳だから理屈より先に脳内ホルモンが長政を動かしているに違いない。
−◆−
備前・沼城に陣を構える官兵衛のもとに長政がやってきて「父上聞きましたぞ!秀吉様の本軍が出陣しました。何故我らは城にとどまり動かぬのです?」と苛ついた口調。
おまえは思春期か!
長政の苛ついてる口調やイライラ顔に、こっちがイラっ・・・。。
−◆−
作戦会議をしている秀吉や官兵衛や蜂須賀小六(ピエール瀧)たち・・・
「雪だるまのオラフ」と同じ人間には見えないな。(だって、あっちは人間じゃないもの)
毛利勢の6つの城を調略する戦略について話し合っていて秀吉が「分かった。我らはしばらくこの地で形勢を見るという事じゃな?」
血気にはやっている長政(松坂桃李)が思わず「形勢を見る?誠でございますか?」と口を挟みます。
秀吉は意見を聞こうとしますが、官兵衛が「控えよ!長政。」
世間知らずの長政、危なっかしいわぁ。
これぞ若気の至り・・・。
−◆−
<官兵衛は小六と共に毛利方の守りの拠点高松城に向かった。>
小六「清水殿、我らにお味方頂ければ貴公を備中備後の2か国の国主にと上様は仰せでございます。」
清水宗治(宇梶剛士) は「田舎侍には身に余る栄誉。されどそれがしが今日あるのは全て毛利家のおかげ。その毛利家よりこの国境の守りを任された以上 城を枕に討ち死にするまで。」
官兵衛「初めから死ぬおつもりか?」
宗治「羽柴軍の強さは十分に心得ております。今の我らの手勢では勝てるとは思いませぬ。」
どことなく真田広之みたいな顔の官兵衛(岡田准一)が「勝てぬと分かっている戦を何故?」
宗治「死ぬ事がそれがしの役目。捨て石になって一日でも二日でも毛利領への侵攻を食い止められればそれでよい。」
清水宗治の「死の美学」がシブイ!
荒木村重とはタイプが違うわぁ。
−◆−
諏訪、法華寺の本陣で織田信長(江口洋介)が東方攻めの褒美を家臣に与えたりしておりますと、森蘭丸が飛び込んできました。
「上様!六角次郎の行方がようやく分かりました。甲斐の恵林寺に潜んでおります。」
信長「六角はわしの上洛を邪魔して以来15年もわしに刃向かってきた。今度こそ首をはねてやる。」と説明入りのセリフ。
森蘭丸「されど恵林寺の快川和尚が引き渡しを拒んでおります。」
信長「それですごすご引き下がってきたのか!引き渡さぬなら寺ごと焼き払え。」
もはや魔王ですわ。
光秀(春風亭小朝)が「お待ち下さい!恵林寺の快川和尚は帝に仏法をお教えする『国師』にございます。」
信長「六角をかばうなら同罪。『国師』などという称号に意味はない。」
江口洋介、役とフィットしてきたなぁ・・・。
光秀「それがし快川和尚とは旧知の仲。かつて和尚が美濃の寺におりました時に学問を授かりました。我が師にございます。何とぞそれがしをお遣わし下さい。」
信長「六角の首を必ず持ってまいれ。」
で、恵林寺の快川和尚と六角次郎の引き渡しについて交渉した光秀でしたが、和尚は応じす交渉決裂。
信長はさっさと決断して、約150名の僧侶ごと恵林寺を燃やしちゃいました。
相変わらず、信長はエグイ。
駆けつけた光秀は、燃え跡を見てガックリ。
半泣き(全泣きかな)で「なぜだ、なぜここまで…。和尚」
いよいよ気持ちが本能寺ベクトルに・・・・。
−◆−
快川和尚が焼き殺されて御所はパニック状態。
公家たち「鬼や〜!事もあろうに国師を焼き殺しはるとは!」
蝋燭1本の暗い部屋で九条兼孝(米村亮太朗)が お公家訛りで「信長様は朝廷の威光をないがしろにしはる。このまま捨て置いてはならんなあ。」
吉田兼和(堀内正美)が「どないしますか?」
こちらも本能寺ベクトル??
−◆−
再び高松城に向かった官兵衛。
清水宗治(宇梶剛士) は「しつこいお人ですな。それがしがたやすく心を変えるとでもお思いか?」
不自由な足で床に座した官兵衛「思いませぬ。」
宗治「ならばなぜ参られた?」
官兵衛「清水殿を死なせぬためでございます。あなたのようなお方が勝ち目がないと分かっている戦で命を落とすのはもったいのうございます。」
宗治「もったいないとは面白い事を申される。」
官兵衛「命には使いみちがございます。昔 我が祖父(=重隆:竜雷太)に教わりました。命を無駄に使ってはなりませぬ。」
小寺政職(片岡鶴太郎)なんかとは真逆で腹の据わった男・宗治は「そのお言葉のとおり今がまさにそれがしの命を使う時でござる。毛利家のご恩に報いるためにはただ死あるのみ。」
それでも説得を試みる官兵衛に宗治は「官兵衛殿…。次は戦場でお会い致そう。」
清水宗治、かっけーー!
−◆−
冠山城の戦いが長政の初陣となった。
「加藤虎之助清正一番乗り!お味方後に続かれよーー!」
長政「くそっ後れを取った!」
強引に前掛かりになって戦いに行った長政ですが、槍を振り回す内に尻餅をついて敵の逆襲を食らいます。
あわや首を切られたときに太兵衛が助け船を出して形勢逆転。
「若!とどめを!」
敵を斬った長政。
太兵衛「お見事!」
全然見事じゃなかったけど、一応は長政の手柄ってことになった??
上気して帰って来た長政「父上!父上!父上!秀吉様からお褒めの言葉を頂きました。」
芳しい反応を見せない官兵衛が「お前は猪か?お前の戦いぶりは猪武者のそれだ。お前はいずれ黒田家を継ぎ大将となる身。それが猪のごとく突っ走ってどうする? 考えて動け。」とサッカーの指導者みたいなことを言います。
若さゆえにカチンときた長政「戦場で堂々と戦う事がそれほど悪うございますか?この命半兵衛様に救われたもの。半兵衛様はご遺言に申されました。『父を助けよ』私はその言葉を胸に誓って戦ったまで。」
こっちもカチンときた官兵衛は机をバンッと叩き「半兵衛殿の言葉をはき違えるな。命を粗末にしては何にもならぬ。」
長政「死を恐れては戦場で戦えませぬ!」
官兵衛「生き残る戦い方を覚えよ!黒田の家紋を思い出せ。」
<黒田の者は皆 命の重みをかみしめ共に力強く生き抜いていくのだ。その思いをこの家紋に込める。>って やつやね。
しかし思春期で反抗期っぽい長政は「私は武士です。父上のお得意な調略ではなく、槍働きで武功をあげとうございます。」
部屋を出て行った長政は太兵衛に「父上は何故わしを認めてくれぬのか…。」
長政くん、下手したらグレちゃいそうな雰囲気。
厠で隠れてタバコを吸ったり、茶屋で万引きしたり、城の壁に「夜露死苦」と落書きしたり・・・。
(そんなことしない!)
−◆−
官兵衛は善助に「(長政は)よくやった。わしは初陣の時何の役にも立たなかった。しかし長政は見事に兜首をあげた。大したものだ。」
長政には厳しく接しているけど、内心は喜んでいたのね・・・。
善助「それを若にお伝えになれば 大層お喜びになりましょう。」
官兵衛「そういう訳にはいかぬ。わしが何故太兵衛を長政につけたか分かるか?」
善助「太兵衛はいちずな男。腕も立つ。一度命じられればとことん若を守り抜きましょう。」
濱田岳って、若いのに味の有る芝居をするなぁ・・・。
官兵衛「長政にはその太兵衛の姿を見て己は一人ではない。皆に守られて生きていると悟ってほしいのだ。」
まだ若い長政には、難しそうな課題ですわ。
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あとは、「高松城の水攻め」企画から準備段階の話。
官兵衛「敵は城から出る事がかないませぬ。兵糧は水浸し。」
インド映画みたいにテンションの高い秀吉「これぞ戦わずして勝つ策の最たるもの!面白い!このような奇抜な策 官兵衛にしか思いつかん! 早速取りかかれ!」
『のぼうの城』的な話ですから、これは面白いですわなぁ。
堤を作って川の流れを変える土木作業を進める官兵衛は、人夫に対して金をいといません。
三成「夢ではないぞ!皆に言い触らせ!土が金になるのだ!どんどん持ってこい!」
飯も炊きまくって士気を高める官兵衛。
豪気に金や飯を配っちゃうこの手法は、のちの『中国大返し』にも繋がる官兵衛の特色ですかね・・・。
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このほか、官兵衛に元気な男の子も生まれたり色々あった『軍師官兵衛』第26話でした。
全般的には堅実な造りで、久々に大河らしさを楽しんでいるのですが、何カ所か入ったストップモーションはイマイチだと感じました。
やってる方が思っているほど効果的ではなくて、むしろ逆効果じゃないかな・・・。
ドラマの内容やキャストが充実してるから、奇をてらった編集は不要だと思います。
そんなことはさておき、主人公・官兵衛(岡田准一)のシャープな顔つきから、明智光秀(春風亭小朝)の腹の中が読めない顔つき、織田信長(江口洋介)のヤバイ顔つきなどなど、なかなかイケてると思ったわけであります。
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★「BORDER」第9話(終)
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