NHKプロフェッショナル仕事の流儀「本田圭佑SP第二弾」★言い分けしない男

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    2014年6月9日「NHKプロフェッショナル仕事の流儀 本田圭佑SP第二弾」を観ました。
    本田の言葉には独特の「引力」がありますねぇ。

    ACミランで苦しんでいる本田。

    「当然ながらこの移籍を決断した時もうまくいかないだろうなという部分も分かっていてこっちに来ましたし。
    実際に来てみて数字という面では本当に結果が出せなくて。ミランの選手 そして10番としては何も貢献はできていないと言われても何も言い返す事はできないんですけど。でも大事なのはそれを残すためのプロセスが 僕にとっての手応えとしては すごい大事で、その感覚は日に日によくなっていってたんですね。
    なので悔しい思いをしつつも 我慢はしつつも 不安っていうのとはちょっと違ったかなというふうには。『もう来い』みたいな感じででも来ないと。」


    自分を客観的に見つめてる様子が伝わってきますし、なによりも一言たりとも「言い分け」をしないのが凄い。

    故障箇所もあるだろうし、他の選手との兼ね合いもあるだろうし、監督問題もあるだろうに、それを言い分けに使おうとしない本田。

    言い分けばっかりしている小生は、自分の半分くらいの年齢でしかない本田の生き様に降参であります。
    −◆−

    本田にとって一つだけ想定外だったものがあるという。それはメディアからの痛烈な批判。

    <戦う気も無い、本当に失望>
    <おもちゃの兵隊。本物のトップスターにはとても見えない。>
    <無駄で使い物にならない>

    …などと、辛辣な文字が新聞紙面に踊ってる。
    こりゃ、日本のスポーツ紙なんかより書きっぷりがエグイ。

    「案の定なかなか書きよるなっていうようなところ。いや気持ちよくはないですよ。
    気持ちよくないですけど反面、反面というか、ちょびっとですね嬉しい気持ちもやっぱりあるんですね。だってそうじゃないですか。1試合2試合ダメでたたかれるんですよ。自分に求めているものって高いんだなってやっぱり思うじゃないですか。だって僕に期待しなかったら僕の事を批判する必要もないんですよ。無視しときゃいいんですから。」


    本田だって本当はいい気がしないんだと思うけど、マイナス思考をねじ伏せてプラスに変える思考プロセスに感心します。
    −◆−

    監督が交代して右サイドにコンバートされた本田。
    どうしてもトップ下へのこだわりがある本田がとった行動はせードルフ監督と徹底的に話し合う事。なぜ自分を右サイドで起用するのかその意図を確認していった。

    「監督の部屋に今の段階でもう5〜6回行ってるんですけど。もちろん監督に呼ばれたケースもありますし僕から行ったケースもあるんですけどその度に良くなってます。

    たとえば、最初は『張れ』と言ってたんです。最初は『中に入るな』と言っていた。うまくいかないから『中へ入れ』って言い始めた。ぼくはそれで良いと思った。でも、ネガティブに考えようと思ったら『言ってること違うやんけ』って話になるんですよ。でもネガティブに考える必要ないから、僕はしっかり受け止めて、『いや そういうことだよ』と思って監督と話しながら、『それやったら次の試合もっと良くなると思う。』っていってちょっと良くなる。でもまだちょっとクリアになっていない部分が細かくあるから『この場面ではどうだ?』『いや この場面では外じゃないか?』『いやいや、俺はこの場面でも中やと思う。』ていうところで せめぎ合ったりとか、だんだんディテールに落とし込んでいって。だから僕のモチベーションの問題なんでしょうね。僕が疑いながらプレーしてる時っていうのはうまくいってないんでしょうね物事が。
    だから監督の部屋をノックするわけですよ。
    その疑いを晴らしたいから。

    それは多分 どの社会もサラリーマンだろうがどこの組織だろうが一緒だと思うんですよね。それをクリアにするためには コミュニケーションを図って自分が納得する以外ないわけですよ。
    だってクリアになってないわけですからね。そのまま働いてても自分のためにもならないし、会社のためにもならないし、チームのためにもならないわけです。」


    長々と引用したのは、上司と部下の関係に思い当たる部分があるから・・・。
    小生は上司に対して「言ってること違うやんけ」と感じた瞬間にネガティブにベクトルが向いてしまって思考停止しちゃうんだけど、本田は「でもネガティブに考える必要ないから」と思考の舵を切るから凄いと思う。

    そもそも小生は上司との衝突を怖れてその場しのぎで終わっちゃったことが多いから、本田みたいに徹底的に話し合いを持とうとする行動様式にも降参しちゃう。

    特に外国人とのコミュニケーションでは、本田みたいに「主張」することが大事なんだろうなぁ・・・。
    −◆−

    リーグ戦でノーゴールに終わった本田に、イタリア代表バロテッリのお膳立てで「ごっちゃん」のシュートチャンス。

    ところがふかしちゃって枠外へ・・・。

    本田はこのときのことについて「自然現象だと思うんですよ。(ゴールを)取りたい故の力みって。
    だって、取りたい訳ですから。その思いが強ければ強いほど力むと思うんです。だから、言い換えれば力みたくなければ(ゴールは)必要ないと思う方がいいわけですよね。でも、それは違うと思ってるんで。別に逃げたいわけじゃないんで。批判されたくなければ移籍をしない方がいいわけです。批判されに行ってるんです。あえて言うなら。だから力みに行ってるんです。イコールそれだけ欲しいんだっていう事を自分で再確認できてるって事です。だからいいんです。
    それだったら、もっとチャンスに顔を出してシュート10本打ったらいいと。10本あたら1本は入るだろうと。そんなくらいの感覚です。あのバロテッリのパス外しましたけど、けっこう自分の中で 心で笑ってたんです。『これはずすかホンダっ! て』。みんな俺が凄い泣きそうになってると思ってかたもしれないんですけど、結構冷静でした。だって冷静な時間有りましたから。」


    またまた印象に残るフレーズが並びました。
    なかでも「批判されに行ってるんです。あえて言うなら。だから力みに行ってるんです。」という部分は印象的。

    弱気をねじ伏せて闘ってる感じがひしひし伝わってくるから・・・。
    −◆−

    初ゴールも決めるなど批判続きだったメディアを本田は自らの「結果」で変えてみせた。

    「追い込まれたら、人間生きるために死に物狂いで頑張るもんですよ。例えば動物が泳ぎ方なんか知らなくても水の中にポンと投げたらみんな多分泳げるんですよ。そんな感覚です。だって死ぬもん。生きる力っていうのはそういう潜在能力を秘めてるんですよね。やった事ない事もできてしまうぐらい。だから自分ができないと思っている事ができる可能性がありますよって事を僕は伝えたいです。」

    表情豊かに語る本田に魅力があるから頷きながら聞けるんだけど、利益至上主義の経営者が同じことを言ったら「ブラック企業や!」と思ってしまうかもしれない。

    本田ならではの説得力みたいなモノを感じる言葉でした。
    −◆−

    「天才」について問われた本田。

    「基本的にはですよ。ゼロとは僕は言わないですけど天才なんかこの世の中にほぼいないと思ってます。才能の差は若干なりともあるというのも認めます。ただ若干でしょって事を僕は言いたいんです。
    ライオンとね格闘するわけじゃない。馬とね競走するわけじゃない。そんな天と地がひっくり返るほどの差はないでしょ?って。
    だから僕よりも才能のある選手に 僕は今までも勝ってきたし なぜならそんな差はなかった。
    でもその差を大きいと見るか、越えられるものと見るかは自分次第なんです。それをみんな自分の限界を決めてしまって挑戦する事をやめてしまうんです。だから夢がかなわないなんて事になるんです。

    『夢がかなう』とは僕は子供たちに言った事はないですよ。
    『大きな夢を持って下さい』と僕はいつも言うんです。
    なぜそれを言うか。『絶対にかなう』っていうふうには僕は言った事一度もないし ただ頑張ればかなう可能性があるわけです。頑張るという事は自分で決められるんです。頑張るか頑張らないかは。

    だから その夢をかなえる可能性があるかどうかはあなた次第ですよっていう 常にチャンスはその本人本人にあった方がいいと思うんです。ただ頑張るつもりがないなら夢はかなうわけないんです。僕はどんな人にも どんな位置に今いる人でも チャンスはあると思う。それを目指すかどうかは明日からじゃなくて今日決めるんです。やれる事は今日からあるんです。


    ライオンや馬と戦う訳では無いという本田の言葉の説得力。

    そして「明日からじゃなくて今日決める…」というフレーズの鋭さ。
    何事に関しても明日以降への「先送り」になりがちな小生の耳には痛い言葉です。
    (分かっちゃ居るんだけど、ついついね・・・。)
    −◆−

    Wカップについて本田は「全世界をね『まさか』と言わせる事が僕の一つのターゲットですから。
    それをずっと思い描いてきたわけですから。あとはそれを外すんではなくネットの中にゴールの枠にですねボールを飛ばすだけだと。それが僕が蹴ろうが人が蹴ろうがいいんですけどチームとしてどの試合も思い描いた事を実現具現化するだけだと思ってます。」


    目標とか目的という単語を選ばず「ターゲット」という言葉を使ったあたりに本田らしさを感じました。

    漠然とした「目標・目的」では無くて、狙いを定めた「ターゲット」だということでしょ。
    −◆−

    決して上手くなかった少年時代。小学生なのに兄が所属する中学校のサッカー部に強引に入り込んで揉まれたことや、ガンバユースでの挫折や、オランダでを経てロシアから今に至る本田の半生が映りましたが、最初から上手くなくても気持ちの持ち方と努力次第で道が開けることを体現していて、ちょっとした『偉人伝・立志伝』ですね。

    小学生年代をはじめとするサッカー選手に勇気を与えてくれます。
    −◆−

    以上『NHKプロフェッショナル仕事の流儀 本田圭佑SP第二弾』でした。

    番組では触れられませんでしたが、本田の首元に横10センチ程度の手術痕が見られることから、なんらかの病気に掛かっていたと推測されながらも 病気についてはおくびにも出さない本田。やっぱり「言い分け」をしない男です。

    それだけでも人間として立派だと思うし、言葉の隅々に本田の個性や長所が滲んでいました。
    本当に魅力的な選手です。
    −◆−

    ちなみに、1月にACミランの新監督として就任したセードルフ監督が解任され、新たにインザギが監督就任だそうですね。

    めまぐるしくて厳しい世界ですね。
    本田は、また新しい監督と関係を気づく努力をしなきゃいけないけど、試練に慣れっこの本田だからまた乗り越えていくのかな・・・・。






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