『軍師官兵衛』第9回 「官兵衛試される」★「悋気」「蓼食う虫も好き好き」
- 2014.03.03 Monday
- 12:05
- NHKドラマ・番組
無難に出来ていて、案外感想を書きにくい『軍師官兵衛』なんですが、今回は気が小さい主君・小寺政職(片岡鶴太郎)の器の小さい言動が変に面白かったです。
バカバカしくて下手するとドン引きしちゃうかもしれないんだけど、片岡鶴太郎に愛嬌が有るから許せちゃいました。
−◆−
さて本編・・・。
竹中半兵衛(谷原章介)に挑発され、主君・政職(片岡鶴太郎)と三木の別所長治、龍野の赤松広秀---播磨名門三家を信長(江口洋介)に拝謁させると約束してしまう官兵衛(岡田准一)。
御着に帰って来てそのことを切り出すと、小寺政職や古参の家臣たちは、そんなん無理やんけ、って感じでわ〜わ〜と反論。
櫛橋左京進(金子ノブアキ)が口を挟み「ここは官兵衛の申す通り 赤松、別所が揃っていくのであれば殿も行かれると言うことでいかがでしょうか?」
どうせ宿敵・赤松を説き伏せられないだろうと考えており、官兵衛の失敗を期待していそうな左京進。
目つきも悪いし、感じの悪い男です。
−◆−
まずは別所長治に会いにいった官兵衛。
別所長治「人に国柄を貸すなかれ。」
官兵衛が『六韜』という兵法書からの言葉をしるした書状を先に送っておいたのです。
まだ若く、叔父二名に実権を握らせていた別所長治でしたが、人に国柄を貸すなかれ=君主たるもの大事な決断を人まかせにしちゃ駄目よって言葉で目が覚めて、織田信長に付くことを決断したのでした。
で、別所から先に説得したのが正解でした。
宿敵赤松も、小寺と別所が組んだと聞いては官兵衛の言葉を耳にするしか有りません。
結局、赤松も官兵衛に説き伏せられたのでした・・・。
この赤松説得シーン代表される<カッツアウト>の手法を嫌う人もおられるようだけど、これはこれでコッキリして良いと思います。
長々と描くとくどくなるから・・・・。
−◆−
播磨名門三家がそろって信長に拝謁する段になって、小寺政職(片岡鶴太郎)が思いっきり尻込み。
「やっぱり、やめた。」
官兵衛「は!?」
「わしは、いかん。」
お紺(高岡早紀)が泣いて止めたと嘘までつく始末。
播磨から出たことの無い小寺政職がヘタレ全開でダダをこねてるだけかと思ってた。
ところが職隆(柴田恭兵)は「分かったぞ、殿が何故ダダをこねておられるのか。悋気じゃ。」
官兵衛「悋気?」
職隆「信長公拝謁の件でお前は機敏に動いた。殿はそれが気に入らんのじゃ。お前が小寺家より織田家の方を大事にしているように見えたのであろう。」
悋気----ヤキモチを焼いちゃったらしい。
子供みたいにダダをこねてる小寺政職の小物ぶりがお茶目で可愛い!!!
愛嬌があって憎めない雰囲気・・・。
官兵衛「父上、どうすれば?」
職隆「難しいのう。悋気の事など兵法書にはないからのう。」
この2行ばかりのセリフも地味に面白い。
−◆−
荒木村重(田中哲司)が軍勢を連れてやってきて、びびりまくりの小寺政職(片岡鶴太郎)。
村重「上様の名を受けて敵を滅ぼしに。」
小寺政職「滅ぼす!?」
村重「ご案じめされるな。戦場はずっと遠い地にござる。されど、もしこの御着に織田の敵あらば、我が軍勢いつでも舞い戻り跡形も無く蹴散らしてしんぜよう。」
鼻がますます赤くなって、梅干しを口に含んだような情けない顔つきの小寺政職(片岡鶴太郎)。
村重「して、小寺殿は いつ信長様にお会いなさる?」
ほとんど半泣きの小寺政職が小動物のように目をきょろきょろさせます。
村重がドスを利かせて「いかがされました? よもやこの期に及んで上様に会いたくないなどと・・・。」
小寺政職「何を言う! そのようなことは断じてない! のう官兵衛。」
行かないと言って散々ダダをこねていたのに、コロっと態度を変えちゃいました。
テレビの中の人物だからご愛敬だけど、こんな風に いつ裏切るか分かんないような上司には仕えたくない。
−◆−
官兵衛の屋敷で酒を交わす荒木村重(田中哲司)は、半兵衛(谷原章介)の差し金で小寺政職を脅しに来たことを明かします。
で、酒を飲みながら光(中谷美紀)の美貌を褒める荒木村重。
セクハラ、ギリギリ!?
村重「しかし、だしには負ける」と、今楊貴妃と例えられるほどの絶世の美女である自分の妻・だし(桐谷美玲)を自慢。
村重「当代一の器量よしじゃ、のう官兵衛。」
光「そんなに美しいのですか?」
答えに窮する官兵衛。
なにやら思わせぶりなシーンです。
村重「ハハハハ官兵衛には光殿。たで食う虫も好き好きじゃ。」
これは、悪意がこもってるわけでは無くて、人の好みはそれそれ違うという意味なんでしょうね。
ちなみに小生は小娘の”桐谷キャスター”より、大人の女性・中谷美紀の方が好きだべ。
−◆−
酔いが回って口がなめらかになっている村重が「本当は儂は中国攻めの大将に任じられることを願っておったのじゃ。おこととともに、大きな仕事がしたかった。されど、秀吉に持って行かれてしもうた・・・。儂は秀吉のように器用に立ち回れることは出来ぬ。戦で手柄を立てるしかない。戦って、戦って、上様に認めてもらうしかないのよ。」と愚痴混じりに心中を述べ立てちゃいます。
空気が重くなったところに光(中谷美紀)が微笑みながら「すべては恋女房のためでござりますね。」
光(中谷美紀)さんナイス・・・。
やっぱ、桐谷キャスターより素敵であります。
そんなことは別にして、村重のこの思いが先々・・・・あれやこれや?
−◆−
ついに京の妙覚寺で織田信長と拝謁した小寺政職(片岡鶴太郎)、別所長治、赤松広秀。
へたれの小寺政職が緊張しちゃって言葉に詰まるというか、かみまくり・・・。
校長室に呼び出された生徒でも、もう少しマシ。
小寺政職が散々かみまくって挨拶やらを述べ立てましたが、苛ついてる信長は一言「大儀」と言って席を立ってしまいました。
小寺政職は拝謁を終えたとたんに いつもの調子に戻り、官兵衛に「わざわざ来ることも無かったのではないか。フンっ、成り上がり者のくせに、えらそうな男じゃったのう。」
この見事な小物感が堪らんわぁ・・・。
性格わかりやすすぎ!
−◆−
石山本願寺では、11世法主・顕如(眞島秀和)と信徒がお話し合い。
顕如「どうしても、織田信長と戦わなねばならぬのか?」
信長サイドばかりが描かれるケースが多いので、石山本願寺でのこういう話し合いのシーンは意外に目新しく映りました。
一括りに石山本願寺として描くのではなく、内側を丁寧に描くのかな・・・・。
−◆−
ざっくりこんな感じだった『軍師官兵衛』第9話でした。
とにかく人を食ったような小寺政職(片岡鶴太郎)の小物感が印象的。
あと、必ずしも出番が多いわけじゃ無いけど、中谷美紀、柴田恭兵、濱田岳が良い感じ。
というわけで、『軍師官兵衛』は手堅くて無難に進捗しております。
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
- NHKドラマ・番組
- trackbacks(8)
- -
- -
- -