ドラマ10「ガラスの家」第8回★井川遥「好きだからよ!」 斎藤工「好きだよ俺も」
- 2013.10.23 Wednesday
- 16:08
- NHKドラマ・番組
物足りなさを覚えつつ、微妙にコッテリした感じが病みつきに・・・。
−◆−
仁志が出勤のため駅に行きますと、ホームに菜々美(梅舟惟永)が立っていて「お願いだからあの人の気持ちは貫いてよ。そうでないと、お父さんも私もバカみたいだから。私の小説の中では、 2人は背を貫くつもりよ。」
仁志「読んでないから知らないけどさ、後藤って父さんと同じぐらい恐ろしいな。」
そういう割には、澁澤家を覗き見してるような連載小説『ガラスの家』の扱いはさほど大きくありません。
菜々美は「私は傷を癒しているのよ、書くことで。作品とともに生まれ変わろうとしてるの。ジックンもあの人を愛し貫くことができたら、きっと生まれ変われるよ。」と、何か訳の分からないことを言います。
芥川賞作家って設定なんですけど、セリフに上滑り感があります。
菜々美は小説を読み上げるような口調で「彼は理解できなかった。なぜ彼女が自分を避けるのか。あんなに求め合った瞬間も有ったのに。その気持ちは、まだ消えてないはずなのに。なぜ封印しようとするのか、それは父の贖罪なのだろうか。彼自身も自分の心を測りかねていた。彼女の住んでいる場所も仕事先も知っているのに何故自分は動かないのか。自分の中にも、父に対する贖罪の気持ちがあるのかもしれない----そういう感じ?」
仁志「ちがう。俺に贖罪の気持ちは無い。仕事の上でも父さんに勝たなければ。黎さんを愛し貫けない。」
菜々美「トラック見送ってたたずんでるなんて大人しすぎるよ。」
<そうかもしれない。ぼくは大人しすぎる。>
なんだかしらないけど、会話が生き生きしてないんですよねぇ・・・。
菜々美の行動は不自然だし・・・。
−◆−
黎(井川遥)を呼び出した尾中寛子(菊池桃子)が「あの澁澤一成と同じ屋根の下で暮らしながら仁志さんと愛し合うなんて、そのタフさにものすごく興味があるんです。タフもタフ、めちゃくちゃタフよねぇ。」と笑みを浮かべちゃいます。
黎「もう全て終わったことです。」
尾中寛子「だからあなたは宅配便の制服を着ててもエロいんだわ。」と重ねて笑います。
一瞬キョトンとしてからつられるように笑顔になる黎。
井川遥、やっぱ綺麗だわ!
だけど、夫の元愛人にエロいと言われて笑えるかどうか????
少し嘘っぽい感じが濃い会話だったなぁ・・・。
帰宅した後、黎は<あの人はなんであんなに明るいんだろう? 過ぎたことを全部吹き飛ばすあの笑い。彼女(菜々美)もそうだ。あの強さが私になぜないんだろう。>
−◆−
菜々美の言葉で刺激を受けたのか、仁志が黎のアパート近くの歩道で彼女の帰りを待ってます・・・。
ベンチに座って彼女へのメールを打っていたとき、たまたますぐ近くにいた黎。
(毎回のように書きますが、このドラマはドラマみたいな「偶然・たまたま」が妙に多いです。)
黎の携帯から着信音・・・。
すぐ近くで聞こえたので仁志が振り返ります。
目の前にいる黎が「もう来ないでって言ったでしょ。」
仁志「会いたかった。黎さんの気持ちわかんないよ、なんでそんな俺を拒否するの?」
「好きだからよ!」
「好きだよ俺も。」
次回が最終回という段階になってようやくこういう会話に到達・・・。
黎「でも、なんにもわかってないじゃない。私がどんな思いであなたを拒絶しているのか。ねぇ、考えてみたことある? あなたなら分かるはずなのになんでわからないの?」
「わからないよ。」
黎「真正面からしか物事見られないなんて子供すぎるわよ! お父さんはね、あなたが思っているより恐ろしい人なの。私にはわかる。だから私はあなたのために・・・」
仁志「身を引くなんておかしいよ。俺はこんなにも求めているのに。」
「ねぇ、なんでこんなこと説明しなきゃならないのよ!いい加減にしてよ!」
仁志「父さんには負けない。それが黎さんへの愛だから。」
黎「お父さんは財務省の事務次官になるために生きてきた人なのよ。そのことは一緒にいてよくわかったわ。あの人は子供よりも妻よりもそのことが大切なの。そのお父さんと戦って勝つって事は、事務次官昇進を阻止するということなの!」
「それも仕方ないと思ってるよ。」
黎「そんなことをしてあなたのこの先はどうなるの?お父さんの憎しみをなめてはダメよ。このままではあなたを負けるわ。ねぇ、だから負ける前に諦めて。私は諦めて、戦いを諦めて!」
仁志「黎さんを諦めるって事は人生をあきらめるってことだよ。」
黎「何もかも失って私だけ残っても意味がないの! 私はそんなのはイヤ!そんな仁志さん欲しくない。言ったでしょ。私はそういう女なの。もうこれ以上苦しめないで!」
黎を強引に抱き寄せようとする仁志ですが、黎は突き飛ばすようにして拒否し、アパートに帰って涙・・・。
一方の仁志は <いつか黎さん以外の人を好きになるような事はあるだろうか? そんな事、信じられない。誰かと結婚して子供を作ったりするなんてこと考えられない。黎さんが好きだ。どうしても黎さんが・・>
高校生とか学生の頃に失恋した後はそんな風に思ったけど、いい大人がここまで一途になるのか・・・
なってるから仕方ないけど、表現がやや幼いな・・・。
−◆−
一成(藤本隆宏)があらゆるツテを使って進めてるのか、村木陽介(片岡愛之助)を貶める報道が広がってます。
危機感を覚えた仁志は財務省から富山の副知事に転出した森田(鈴木裕樹)に会いに行きます。
一成の裏工作を全て知る森田に「なんとかお考え頂けないでしょうか。この国の正義の為。」と頭を下げて証言をお願いする仁志。
しかし森田副知事は「ご存じないと思いますけど、渋沢局長は昼休み、誰かと約束が無ければ憲司さんの合格祈願に日枝神社に必ず参拝されてました。渋沢くんもそういう愛情を受けて育ったということを忘れてはなりませんよ。それが人としての正義です。」
このシーン、必要だったかなぁ??
それと「この国の正義の為。」ってセリフ、仰々しすぎない??
あくまで黎(井川遥)を巡る愛憎劇が軸なんだから、余分なところで肩に力が入るのは宜しくない気がします。
−◆−
尾中寛子(菊池桃子)が仲介して青山のお花屋さんで働くことになった黎。
たまたまこの花屋の前を通りかかった菜々美と憲司(永山絢斗)が、黎が店主の男性が会話してる様子を目撃。
出ました、ドラマみたいな偶然!!
菜々美「また男と仲良くしてる。なんでみんなあの人に弱いのよ?」
男性と喋ってるだけでクレーム!!
憲司「いいじゃん もう。」
菜々美「憲ちゃんあの人のこと嫌いじゃなかったっけ?」
「恐ろしいとは思ってるよ。今でも。でも不幸になってるよりはいいよ。」
”魔性の女”扱いして、ここでも「恐ろしい」などと言わせ、何回か前には「黎と一緒に暮らすと早死にする」という話しを持ち出したりしていますが、ドラマ全般の流れからして小生は黎が”魔性の女”だとは思えないんです〜〜〜。
罪深いほど美しいのは認めますけど、黎さんを見ていて恐ろしいと思ったことは一度もありません。
−◆−
菜々美と結婚することにしたと父・一成(藤本隆宏)に報告した憲司(永山絢斗)。
反対する父に「誰かを愛せば誰かが傷つく。たとえそうでも人は人を愛しちゃうもんだし、その罪というか業みたいなものは必死で生きることで償う事しかないんじゃないの。」
一成「なんだその宗教家みたいな意見は。」
憲司「だから後藤菜々美と結婚しますってこと。」
一成「いちどダメだといった事は覆さない。それが私の信条だ。」
父子揃って堅苦しくて大仰なセリフですねぇ・・・。
普通の会話で「罪」や「業」なんてフレーズ使います??
会話が文語調だから、生き生きとした会話にならないんですよ。
『最高の離婚』や『Woman』の坂元裕二さんや『あまちゃん』のクドカンだったら、こんな文章みたいなセリフは絶対に出てこないと思います。
−◆−
尾中寛子(菊池桃子)から一成に電話がかかってきました。
「あのね、面白いご報告があるの。今日黎さんが来たのよ。仕事紹介して欲しいって頭下げたのこの私に。食えない女よねぇー。」
一成「それで」
尾中寛子「それだけでーす。同じ男を愛した共通体験ってすごいなと思って思わず電話しちゃいました。」
電話が切れた後、ニヤニヤ笑ってる尾中寛子。
一成は、わらわらと怒りが湧いてきて、薬指に結婚指輪をしたままの左手で石の壁を叩いちゃいます。
(痛かったろうなぁ・・・)
そして嗚咽。
尾中寛子って、イマイチ存在意義が見えてこないんだけど、自分を捨てた一成を壊そうとしてるのかなぁ・・・。
−◆−
大石静・脚本が苦手としてる政治パート・・・。
一成を官邸に呼びつけた栗山総理が「総裁選に向けて党内はざわめき出した。やはり解散しかないかね?」
一成「それがよろしいかと存じます。」
総理大臣の大権である”解散”について、財務省の主計局長に判断を求めちゃっております。
政治家はバカで、官僚が政治を支配していることを描いているわけですが、いくらなんでも衆院解散の可否まで財務省事務方の2番手である主計局長に教えてもらうのは話しを作りすぎてないかなぁ・・・。
で、栗山総理(国広富之)は「争点はどうする?」
解散の可否に加えて、解散の大義まで官僚に用意してもらうって!?!?
一成「年金改革を国民に問うのはいかがでしょうか?今の給付を継続させるために負担を上げるか負担を上げずに給付を下げるか、責任政党としてこれを国民に問います。」
栗山総理「金の話はダメだ!これは政治家の直感だ。懐が痛む話を国民は喜ばない。庶民にとって分かりやすく 懐も傷まず 盛り上がるテーマ。それは教育だ!」
一成「さすが総理恐れ入りました。」
言いたいことは山ほどあるけど、とりあえず先に進めます。
−◆−
財務省・主計局長室に文部科学省の尾上事務次官がやってきました。
どうやら一成に呼びつけられた模様。
中央省庁で最も低い”下の下ランク”にあると言われている文部科学省ではありますが、事務方トップの”事務次官”たるものが、職階が下の主計局長に呼びつけられてへいこらするとは・・・。
野球に例えるなら、巨人の川相ヘッドコーチがDeNAベイスターズの中畑監督を東京ドームのロッカー室に呼びつけるようなものですわ。
で、尾上事務次官「総理はいかがでしたか。」
一成「年金改革をふったら、予想通り教育改革で来ました。」
尾上「そうですか、渋沢局長の読み通りですね」
一成「総理は教育しかわかりませんから。」
総理は自分で教育改革を国民に問うと思いついたように見せかけて、実は巧妙に誘導されていたという極端な官僚支配を大石静氏は描いたのであります。
尾上事務次官は「無償化に所得制限を入れて、その財源で、教育の質の向上を図る案を柱にします。」
新聞を読んでそのままネタにしたようなセリフ。
高校無償化に所得制限をかけると約500億円程度の予算が浮くそうで、自公政権は低所得層向けの給付型奨学金制度の創設などを考えている様子・・・。
この程度の財源では『教育の質の向上を図る案』を策定するのは難しいと思うけどなぁ。
それに、こんなんじゃ高校無償化に所得制限を加えるかどうかのワンイシュー総選挙になっちゃうでしょ。政治的にも行政からしても筋が良くないわ。
だいたい教育ってのは無難そうに見えるけど、具体的に争点にしづらい部分もあるし、抽象的な神学論争になりかねないマター。
下手打つと日教組が元気出しちゃって野党が多少なりとも活気づくもしれないし・・・
教育を総選挙のテーマにする大石静脚本は、やっぱ政治音痴!?
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一成「それと対抗馬の件も。」
尾上「今、教育評論家としてテレビで引っ張りだこの花見沢みどりを村木陽介の東京32区にぶつける案を提案してみます。」
与党の選挙対策まで官僚が仕切っております。
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仁志のモノローグ <栗山政権は教育問題を掲げて解散総選挙に突入した。庶民の懐に関わる話は極力避ける。巧妙な世論操作が功を奏し、選挙戦は栗山総理のペースで進んだ。>
ここで「巧妙な世論操作」なんてフレーズを使ったのも青臭いなぁ・・・本当は弟子の大学生とかが書いて名前だけは大石静の名前で出稿してるんじゃないかと思わせるほど青臭い。
<だけど僕はこの時まだわかっていなかった。これからもっと恐ろしいことが起きるということを。気付く事さえできなかった。>
”船越英一郎”や”片平なぎさ”が居そうな断崖絶壁に黎(井川遥)と仁志(斎藤工)が立ってる映像が重なってヤバそうな雰囲気・・・・次回(最終回)へ続く。
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井川遥を軸にした「ちょいエロのドロドロ愛憎劇」を期待していた『ガラスの家』ですが、ちょいエロもドロドロも足りまいまま最終回へ突き進んでいきます。
あと1話で「愛憎劇」と「村木vs官僚」の話しに関して得心のいくオチまで辿り着けるんでしょうか!?
(第6話の「片方脱げた金色のハイヒール」も、捨ててお終いのまま話しが膨らみませんでしたねぇ・・。)
とりあえず物語が破綻しても、斉藤工はイケメンで井川遥は別嬪さんではありますね。
それと、ツッコみどころもない無味無臭のドラマよりは、ツッコみどころが山ほど有る方が面白いです。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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