あまちゃん 第114回★今日はシリアス「逆回転できないもんね人生は。」

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    連続テレビ小説「あまちゃん」第114回

    『スナック梨明日』
    「るるぶ東京」的な雑誌を熱心に読んでるユイ(橋本愛)ちゃんが、勉(塩見三省)さんに「ねえ、勉さん。東京のお土産 何がいいい?」

    「買ってきてくれんの?」と、勉さん嬉しそう。

    アイドルになるべくユイちゃんが家出を企てた頃から、勉さんは”地味に”ユイちゃんを気に掛けて優しく見守ってくれてたから、恩返しのお土産くらい買ってきてもバチは当たりません。

    ユイちゃんも、そんな勉さんの優しさを知っているから、すっかり距離感が縮んでいてまるで家族か親戚のオジサンとでも話すような口調。

    ヤンキーになる前の、田舎が嫌いでだったアイドルになりたいと思い詰めていたユイちゃんより、北三陸のオジサン・オバサンたちとの距離感が縮んで、すっかり溶け込んでいますねぇ。


    足立先生(平泉成)とヒロシ(小池徹平)が来店。

    父と兄にオムライスを作るユイちゃん。

    夏ばっば「(東京から)帰えって来たら急がしくなるどぁ。9月には本気獲りだあ。」

    ヤンキーになる前に着ていた清楚系のワンピースのユイちゃんは「絶対2個は獲るからね。アキちゃん1個だったもんね。」

    アキが芸能界で頑張ってるから、こんどはユイちゃんが海女として頑張ろうという意思の表れかな・・・。
    −◆−

    夫が倒れて「このまま目が覚めなかったらどうしよう。」と考え、衝動的に家を出て、やがて東京の元上司の斡旋で東京でナレーションや結婚式の司会など声のパート仕事をするにいたった経緯を説明するよしえ(八木亜希子)。

    「太巻プロデュース、アメ女の妹分、地元系アイドルGMT5 デビューシングル『地元に帰ろう』Now on sale」というスポットCMの声もよしえ(八木亜希子)だったのです。

    アキ「じぇじぇじぇ、じぇんじぇん気づかなかったぁ。」

    アキが気づかないのも無理ないわ。
    よしえさんのスポットを読み上げる声に勢いがあって若々しいんだもの・・・。

    さすがに”立て板に水”で喋りが達者じゃなぁ!
    現役の生野とかより上手いかも・・・。

    −◆−

    よしえ「・・コンビニでバイトしたり、久しぶりに、ほぼ初めて一人の人間として世間と関われたような気がしたんです。足立功の妻じゃない、自分を見つけたような。それまでは家族しか見てなかった。いっつも夫の顔色伺いながら、子供の反応見ながら、肉だな、魚だな、野菜が足りてないなとか、自分じゃなにも判断できない状態だったんです。」

    田舎でも特に奥の方の豪邸に閉じこもって子育てと家事に専念し、最近は「家事と手芸と韓国ドラマの再放送」だけの専業主婦だったから、いつのまにか心に澱が溜まっていたのね。

    画面にはユイちゃんが作ったオムライスを足立先生(平泉成)とヒロシが食べてる様子が映り、3人とも笑顔。

    よしえ(八木亜希子)を除いた3人だけで家族が完結しちゃってるのが少し残酷。
    −◆−

    1年近くたって自分を取り戻して、今はどういう心境かと尋ねる春子。

    よしえ「ホントに自分勝手な話しですけど、寂しいです。家族に会いたいです。」と嗚咽。

    春子「無理でしょうね。残酷なようだけど、取り返し付かないと思う。」「逆回転できないもんね人生は。壊れたら壊れっぱなし、もうもとには戻らない。残念でした。」

    クドカン、今回はシリアス!!!
    きれい事は抜き、慰めも抜き!?


    よしえさん、何も言えずに涙。
    −◆−

    アキが純喫茶『アイドル』の外からヒロシに電話します。

    アキ「良い知らせと悪い知らせ。どっちが好きですか?」

    ヒロシ「アキちゃん、悪い知らせが好きな人は居ないよ。」

    アキ「ですよね、じゃ悪い方から。」
    どういう理屈じゃ!?(可笑しい)

    アキ「私、天野アキは種市先輩とつぎあうことになりました。」
    シリアスな話しの連絡をするはずなのに、アキちゃんこらえきれずにニヤケ顔。

    フリーズしたヒロシの背後から大吉の『GHOSTBUSTERS』が聞こえています。

    アキ「あ、良い知らせ先に言っちゃった。続いて悪い知らせ。」

    ヒロシ「待って待って、全然追いつけないよ。今の、どこが良い知らせなの。」

    アキ「おらにとっては、良い知らせなんですけどね。」
    この口調が面白いなぁ。

    ヒロシなんとか声を絞り出して「オメデトウ」
    栗原さんは吉田君と結婚するし、アキちゃんは種市先輩と上手く行きそうだし、ヒロシは恋愛・天中殺!?

    ヒロシ「悪い方は?」

    アキ「いま、お母さんと一緒です。お母さん、うちのママと喋ってます。」

    で、この電話では”よしえ(八木亜希子)”のことだけ伝えたら良いようなもんだけど、種市先輩との交際開始まで口にしたのは、本当はユイちゃんに言うべきなんだけど言い出しにくいからヒロシの耳に入れておくことで自分を納得させたいというアキちゃんの潜在意識が働いたかな・・・。
    −◆−

    アキが電話してるとき、春子がよしえ(八木亜希子)に「ご存じないでしょ。ユイちゃんが荒れたこととか、髪の毛染めて悪い仲間とつるんで、高校やめちゃったこととか知らないでしょ。海女クラブや勉さんや大吉さんや私やアキやみんながユイちゃんがこれ以上道を踏み外さないように遠くから見守ってたこととか。」と、ユイちゃんの波乱の1年間を総括。

    画面では、『スナック梨明日』で海女クラブの面々がカラオケで「星よりひそかに 雨よりやさしく♪」と橋幸夫の『いつでも夢を』を歌って、ユイちゃんや足立パパさんたちも笑顔でいる様子が映ります。

    春子「腫れ物に触るよう接したら余計に傷つくから、わざと乱暴に扱ったりとか、優しくしたりして、家族みたいに接してようやく心開いて、スナックで働き始めたこととか、今年の夏は海女やってることとか・・」

    腫れ物だった自分の経験から、春子はユイちゃんが余計に傷つかないようにしてたんやねぇ。
    よしえが家出してからは、春子がユイ(橋本愛)ちゃんのお母さんみたいだったもんね。

    ユイちゃんがヤンキーになった直後から春子も化粧がケバくなっていたのは、ユイちゃんとの距離感を縮めるためだったのかも知れないなぁ・・・。

    カウンターの中では甲斐さん(松尾スズキ)が春子の言葉にじっと耳を傾けます。

    『無頼鮨』には大将(ピエール瀧) 、純喫茶『アイドル』には甲斐さん、『スナック梨明日』には勉さん、それぞれの場所に口数の少ない聞き役が存在していて、みんな地味に良い感じ。


    アキも電話を終えて帰ってきて頭を並べます。

    真剣顔のアキちゃん、少し怒ってるような表情?
    ユイちゃんの夢を壊したよしえさんに腹が立ってる?

    春子「何にも知らないでしょ。」
    よしえ「はい、ごめんなさい。」

    春子「謝んなくてもいいよ、私も家出組だからさ、田舎バカにして、都会に憧れて家出して、和解するのに25年もかかっちゃったよ。だから、ま、家出の先輩として一言いわせてもらうね。田舎なめんなよーー!」

    家出して家族と絶縁状態になった先輩であると同時に、アイドルになる夢が破れたことでは”ユイちゃん”の先輩でもある春子。

    アイドルになる夢が破れたユイちゃんとかつての自分を重ね合わせ、”よしえ”に厳しい言葉をぶつけちゃった感じかな。

    とにかく、前回、前々回はクスクス笑いっぱなしの面白い話だったから、今回のこのシリアスな場面とのコントラストが凄いわ。
    −◆−

    「涙に濡れた、この胸に♪」
    弥生(渡辺えり)さん、かつ枝(木野花)さん、美寿々(美保純)の歌が続いているとき、タンバリンを手にして北三陸の面々と笑顔で接していたユイちゃんにヒロシがアキからの電話について耳打ち。

    最初分からなくて、もう一度聞き返したユイちゃんから表情が消えました。
    目が泳ぎ、力が抜けたように椅子に座ります。

    微妙な心の動きを目の動きで表現した橋本愛ちゃん、久しぶりに彼女らしい演技。

    クドカンがヤンキーにしちゃうから長らく見られなかった橋本愛ちゃんらしい巧みな演技。


    そんなユイちゃんを近くで見つめてる勉(塩見三省)さんの存在も良い感じ。
    −◆−

    <結局、ユイちゃんは東京には出てきませんでした。夏ばっばが理由を尋ねたらこういったそうです。自分を捨てた母親にどんな顔で会ったらいいのか分からない。>

    「どんな顔であったら・・・」というのは、怒りや恨みをぶつけるかもしれない自分の反応全般を指してるのかな。

    とにかく、またまた”母・よしえ”のことがキッカケで東京行きがおじゃんに・・・。

    で、アキとユイちゃんが電話しています。
    ユイ「ごめんね、せっかく会えると思ったのに。」

    アキ「まあ、しょうがねえ、また今度にすっべ。」
    ユイちゃん「今度なんかあるのかなぁ? さすがに不安になるよ。一生ここから出られないんじゃないのかって・・。だって、夏ばっばがはじめて東京に行くって時でさえ、こうなんだもの。こういう運命なんだって思った方が楽なんじゃないかな。」

    地理的・物理的に北三陸から出られないことともあるけど、今の不運な境遇から抜け出せないことを思ってる・・。

    アキ「そんなごと言うなよユイちゃん。来れるって! たかが東京だぞ。盛岡から2時間半だぞ。」

    ユイ「うん、近いのにね。近いのに遠い。」

    <種市先輩とつぎあうこと、ユイちゃんには言えませんでした。>
    −◆−

    大吉を付き添いにして、大きめの黄色いペンダントが素敵な夏ばっば(宮本信子)が『第45回 思い出のメロディー』に出演するために上京・・ではない。

    <あとで分かることですが、夏ばっばが東京さ来たのには、それなりに大きな理由があったのです。>


    いつもの土曜日のように、ベタに一区切り付けたりしないクドカンであります。
    土曜日だから一区切りという思い込みに対して、正宗さんの言葉を借りると「アバンギャルド」な造りになってます。

    視聴者を焦らしてお腹が減るのを待っていて、木曜、金曜あたりでご馳走を出す感じ?
    −◆−

    予告編。

    橋幸夫 歌謡ショー!?
    デュエットの相手は元祖・映画『潮騒』ヒロインの吉永小百合ではなくて、海女さん姿の若き日の夏ばっばかぁ!?

    白いスーツで『いつでも夢を』を歌ってるのは、若き日の橋幸夫??


    アキ(能年玲奈)ちゃんが海女の衣装でスタジオパークみたいなトーク番組に出て「恋人が仕事です。」と答えちゃってる。

    「仕事が恋人」って言うべきところを見事に言い間違えてるのが可笑しい!!!
    頭の中では種市先輩との交際が一番だからかぁ!?

    あらら、本物の橋幸夫まで!!!
    橋幸夫、今年の紅白は『いつでも夢を』か・・・。

    いつも書くけど、予告編まで面白い『あまちゃん』
    予告編で一部ネタバレしても、それでも面白い『あまちゃん』

    『あまちゃん』中毒の症状が進行して、ヤバくなってきました。

    ◇◆◇ 「あまちゃん」感想 ◇◆◇
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