NHK「七つの会議」第4話(終)★竜頭蛇尾でした

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    NHK「七つの会議」第4話(終)
    だれかが生き残る


    結論から申し上げますと、とても残念な最終回でした。

    マラソンに例えると、1〜3話で5キロずつ走って、最後に27キロ超を駆け抜けて帳尻を合わせた感じ。

    要するに全4話では収まらない中身を、最終回で強引に詰め込んじゃったから、もっとも濃密な駆け引きや攻防が見られるはずの終盤が一番薄くなっちゃった。

    無理して加速したために失速するという皮肉な末路でした。
    −◆−

    「東京建電」の親会社である「フロンティア」は、不祥事の罪を坂戸(眞島秀和)1人に着せるシナリオで事を進めようとして、木内総務部長(小野了)が「仕事の実績を作ろうとして坂戸さんが少々無理をしたという筋書き」を八角(吉田鋼太郎)に指示。

    八角「強度偽装は坂戸個人の罪だと?」
    木内「組織が彼に無理を強いたという流れになっては困る。」

    八角「捏造しろということですか。」
    木内「生き残るとはそういうことです。」

    八角が強度不足のネジを作った下請け「トーメイテック」側の不審な動きについて言及しても、木内は打ち消すような発言をしていましたし、何やら裏がありそうな気配。

    で、組織防衛を優先させる木内の不快な人物像や、総て個人の罪に仕立てあげる不条理さがじっくりと描かれたら面白いのに、淡白に先に進んでいきます。


    何が淡白で物足りないかというと、20年前にもあった偽装の主犯が梨田(神保悟志)だということを原島(東山紀之)らが知るんですが、常務にまで出世してクソ偉そうにしてる梨田に関してはエピソードが深まること無くスルー状態なんてのが最たるものでした。

    4話しか無いから、梨田に触れる時間がなかったか??

    『半沢直樹』だったら、机バンバンの小木曽(緋田康人)らの”超ムカつく奴”の描き方が念入りで面白いんだけど、木内総務部長(小野了)や梨田常務(神保悟志)の描かれ方は半端なんてものじゃありません。

    他にも、北川営業部長(石橋凌)と20年前の事件の関わりや、受注競争を勝ち抜くために「トーメイテック」に偽装を働きかけた主犯が宮野社長(長塚京三)自身だったことなど、最終回で一気に詰め込んじゃうから事件の核心を解き明かす経緯の面白さなんかが吹っ飛んじゃった。

    いきなり結論に行き着いちゃうんだもの・・・。
    −◆−

    フロンティアから出向中の村西副社長(北見敏之)。

    この人、ものづくりに真剣な思いを抱いていたり、「東京建電」に骨を埋める気でいたり、本当は良い人でした・・・そんなくだりもさらっと触れておしまい。

    村西副社長の本当の姿や心の中について、触れるか触れないかどっちかにすればいいのに、どうして半端に触れちゃうのかなぁ・・・。

    どうして最終回に詰め込んじゃうかなぁ・・・。
    −◆−

    原島(東山紀之)は、ついに新聞社に内部告発。

    偽装事件が明るみに出て社内は大混乱。
    結局、強度不足の改修工事を担当する営業1課以外は新会社に移行。

    会社を潰す結果となり、生活基盤が危うくなる社員から白い目で見られる原島(東山紀之)・・・。

    このあたりも、原島(東山紀之)の葛藤や、部下との摩擦を丁寧に描くべきなのに、大して時間を割くこともできませんでした。

    原島が針のむしろに座らされるようなヒリヒリする場面を濃厚に描けば面白いのに・・・。
    −◆−

    唯一良かったのはねじ六・三澤社長(甲本雅裕)と原島のくだりかな・・・。

    前払いや支払いは経理に通してあるから、これまでどおりネジを作ってくれるよう挨拶に行った原島。

    内部告発にあたって、下請けが潰れるようなことがないように経理の段取りを先に済ませた様子の原島の行動に得心。

    一方、ネジの強度不足を発見した際に、声を上げることをしなかった自分も原島と同じだと罪の意識を強く持つ三澤社長が「このお詫びは、作って返します。職人ですから。」

    職人の矜持が滲んでシブい!!

    最終回で良かったと思ったのはこのセリフだけでした。
    −◆−

    八角がゴリ押し商法で客を自殺に追い込んだことが前回描かれましたが、そういう彼のトラウマが最終回では活かしきれていなかったようにも感じます。

    八角と原島に事実を話した坂戸の心模様も描き込み不足。

    ドーナツ販売の浜本優衣(村川絵梨)の描き方も、上っ面を撫でただけで彼女の思いが充分に描けていない。

    佐伯(田口淳之介)の存在意義も薄くて、単にジャニーズ事務所名物のバーターだったのかと思える始末。


    初回から2話にかけては傑作の予感もあったのに、肝心の終盤の描き方が駆け足になっちゃって駄作になってしまった・・・勿体無い!!!
    −◆−

    最終回を見たあと、番組のスタッフブログを拝見しますとプロデューサーが「全4回はほんとにあっというまですね!そもそも土曜ドラマ『七つの会議』はすべてがあっというまだった気も…。企画を立ち上げて脚本作りに着手したのが3月、そして撮影が終わったのが6月。この間およそわずか3か月強!  もう、これ以上早くは作れませんというぐらいのスピードでした☆ 」と書き込んでるんですね。

    まるで「やっつけ仕事でした」って明かしてるような文章。

    ”やっつけ仕事”は言いすぎだとしても、じっくり作られてはいない!?

    そんなだから、最後に駆け足で帳尻を合わすようなドラマになってしまったんじゃないですかね。

    吉田鋼太郎をはじめとするシブいキャストの重厚な演技や、陰影のある映像、新田(山崎樹範)や佐野(豊原功補)が消えていった社内セクトの攻防などがとても良くて、”絶賛派”だった小生が、最終回でこき下ろしているんですから推して知るべし・・・。

    思い返すと、『七つの会議』という題名が示すとおりの「会議でのあれやこれや」「会議とはなんぞや」という部分も描けていたとは言いがたいし・・・


    傑作になる要素がいくらでもあったのに、腹が立つほど勿体無い・・・竜頭蛇尾のドラマでした。




    ◇◆◇ NHK「七つの会議」感想 ◇◆◇
    #1 #2 #3

    ◇◆◇ 「半沢直樹」 感想 ◇◆◇
    #1 #2 #3 #4

    ◇◆◇ 満島ひかり『Woman』感想 ◇◆◇
    #5 #4 #3 #2 #1


    ◇◆◇ 「あまちゃん」感想 ◇◆◇
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      『七つの会議』は、2013年7月13日から同年8月3日まで、毎週土曜日21:00 - 21:58に、NHK総合で放送された。東山紀之主演。全4回。 キャッチコピーは『会社の未来を、諦めない。』。 小説と異なり、パワハラの不祥事で更迭されたエリート営業課長の後任に任命された原島
      • ドラマハンティングP2G
      • 2013/08/05 9:54 AM
      強度不足のネジが使われた製品を流通させてしまった東京建電、 事実の隠蔽と不良品回収を同時に進め、会社を守ろうとした原島@東山紀之に対し、 会社をあるべき姿に戻したい八角@吉田鋼太郎は親会社フロンティアに事態を報告、 親会社の力で建電を変えようとしたが、
      • まっつーのTV観覧日誌(*´д`*)
      • 2013/08/04 10:03 AM

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