あまちゃん 第105回★鈴鹿ひろ美に「愛のメモリー」を聞かせた磯野先生(皆川猿時)
- 2013.07.31 Wednesday
- 13:35
- NHKドラマ・番組
社長室。
蛍光灯の青白い光の中に、ルービックキューブの五角形版「デカミンクス」のオレンジ色、黄色、黄緑だけが温度のある色。
パースを強調する撮影で、まるで天井が画面右に傾いているように映ってる。
温かいドラマ世界にあって、唯一温度が低くて歪んだ空間であることが照明・セット・カメラなどの力で描き出されていて、どこか歪んでいる太巻(古田新太)が水口(松田龍平)をつかまえて「東北の鬱陶しいステージママ」について苦々しげに繰り言を述べています。
春子(小泉今日子)が「喜屋武ちゃんね、ちょっとリズムが沖縄になってるからねぇ・・」などとアキ以外のGMTメンバーにもレッスンをつけてるのが太巻は気に入らない模様。
水口は「指導が適切なんで助かってます。」
太巻「助かってんじゃないよ。そのうち、取材につきあわせろだの、ステージ衣装作れだの・・・。」
水口「もう、やりました。」
太巻の前に行くと小動物みたいな目になる水口(松田龍平)、だんだん可愛らしくなってきたなぁ・・・。
松田龍平、あまちゃんワールドに染まって個性が変化してる!?
で、アキたちGMT5が”ももクロ”かプリキュアみたいに色分けされた微妙な衣装で社長室に入ってきて「これ、良くね?」
太巻がカタカナみたいな笑い声をあげて「アハハハハ、舞踏会に出れるよ。」
水口が太巻に衣装の請求書を差し出し「すみません、5人で12万です。」
太巻が「あの薄汚えシンデレラの娘!」と悪態をつきながら、財布から12万円取り出して机に叩き付けます。
ハートフルという芸能事務所は《いつもニコニコ現金払い》!?
それも太巻が文字通り財布を握ってる!?
請求書の上に万札が乗った生々しい映像でOP曲へ・・・。
−◆−
ど派手な衣装のヒビキ(村杉蝉之介)が奈落でGMTのアー写(アーティスト写真)撮影。
やっぱり背が高くてスラッとしてる”大野いと”が一番衣装が似合うかなぁ・・・。
能年ちゃんも青地に小さな白い水玉の衣装が可愛らしい。
撮影を見てる太巻が「まあ、言ってみれば思い出作りだな。デビューさせて深夜の歌番組でも出したらステージママも納得して引き下がるだろ。」
自分の事務所のタレントなのに、なんだかひどい言い草。
奈落から立ち去りかけた太巻は「そうだ、1万枚売れなかったら解散のパターンで行こう。」と気まぐれな思いつき。
−◆−
出来上がったGMTのステッカーを純喫茶『アイドル』の甲斐さん(松尾スズキ)に手渡すアキ(能年玲奈)が「いっぺえ置いていくから宣伝してけろ。」
いつの間にか甲斐さんと親しくなってる。
アキが人懐っこい笑顔で「じゃ。」と帰って行こうとすると甲斐さんが「『じゃ』っていいのかい?」
アキが振り返った先にカメラが向くと、そこには春子(小泉今日子)と正宗(尾美としのり)、大吉(杉本哲太)と安部(片桐はいり)ちゃんの「元夫婦2組」がテーブルを挟んで座っていました。
甲斐さんとアキが話してる時は全然映らなかったお通夜様態の4人が突然出現するから面白い。
甲斐さん「微動だにしないね。吐きそうだよ。」
松尾スズキさん、登場してからこの一言が一番面白かったかも。
大吉が思いっきりお手拭きで顔を拭いて「あ〜東京は空気が汚ねえ! 見ろ鼻の穴まで排気ガスで真っ黒だ。」と安部ちゃんに大きな鼻の穴を向けて「モータリゼーションの弊害がここにも。」
24年前と、そして今回、2度にわたって春子が去っていった先の『東京』への反発心が滲む大吉さん。
春子「わざわざ何しに来たのよ!」
大吉「会いに来たんだべ、春子に。」
正宗「春子?」
元亭主の正宗でさえ普段は「春子さん」と”さん付け”で呼んでるのに、大吉さんはここんところ名前呼び捨てだものなぁ・・・。
そんな状況を見届けたアキが甲斐さんに「おらがいたら、喋りづれえこともあるべ。」と、妙に大人なことを言って店から出て行きます。
立ち去り際、満面の笑みを浮かべたアキが4人に「ごゆっくり。」と声をかけていきます。
このシチュエーションで「ごゆっくり。」って、アキちゃんオモロイなぁ!!
−◆−
大吉が春子に「都会に嫌気が差して故郷さ帰ったのに、なしてまた都会さ帰る!」と疑問を投げつけます。
もともとは、大吉が「夏ばっばが危篤」だという嘘の連絡を入れたから帰ってきたのに・・・。
シャープな表情の春子が「嫌で出てきたんじゃないの今回は。こっちで、やり残したことがあるのを思い出したの。それをやるの、アキと一緒に!」
たしかに春子は、ブティック今野のダサダサ・ファッションを平気で着用するほど田舎に馴染み始めていたものね。
で、この『やり残したこと』ってのは、シンプルにアイドルとして歌手デビューすることだったのか、はたまたもっと深い何かなのか??
甲斐さんも「やり残したことってなんだろうね。春ちゃんがこっちでやり残したこと。」と、ぼそり。
春子「それは・・・言わない。やり遂げるまで、言わない!」
やっぱり単純なことではなさそうな気配・・・。
クドカンの謎かけ??
−◆−
『無頼鮨』に来ている大吉。
大将(ピエール瀧) が握ったウニに「少ねえ、ウニ少ね、これじゃ詐欺だよ。軍艦詐欺だべ。」
軍艦詐欺って、言葉だけ聞いたら凄い詐欺やな。
大将が大きな顔を怒らせて大吉を睨んでおります。
心の中をさらけ出すようにして思ってることを口に出しちゃう田舎人間・大吉と、思ってることをすぐには口にしない都会人・大将を対比させる このシチュエーションが面白いわぁ。
大吉が安部ちゃんに「酒だ酒だ。」
春子のおかげで飲めるようになったとドヤ顔を見せる大吉。
安部ちゃんが「ストップといってよ。」と言ってウイスキーの瓶を傾けます。
1秒もしないうちに大吉が「ストップ」
安部ちゃん「もう!? 目薬ほどしか入れてねえよ。」
あれだったら酒ではなく本当の目薬を入れたほうが酔いそうな気がするわ。
大吉「あ〜悔しい! 絶対ぇ連れ戻すって大見得きってブティック今野で背広しつらえてきたのによぉ。」
昭和の野球選手(中畑とか川藤とか)が着ていそうなストライプ柄の背広は、やっぱりブティック今野のセンスだったのかぁ!!!
安部ちゃんの作ったウーロンハイを一口飲んで「濃い!!」
あれでアルコールが入ってることに気づくほうが難しい気がするけどなぁ。
安部ちゃんも黄昏れていて「私も帰ろかな。1年半マメブ大使として頑張ってきたけど、マメブに対する都会人の警戒心、計り知れねえ。」
マメブは警戒されてたのかよ!!
安部ちゃん「まさか、マメブがケバブに負けるとは。」
あんときのケバブ売の外国人が回想されます。
オモロイです。
大吉「帰って来い。ただし別々に帰るべ。」
安部ちゃん「なして?」
大吉「春ちゃん連れ戻しに来て、おめえ、安部ちゃん連れ帰ったら、おめえ、みんなぶったまげるべ。」
安部ちゃん「そうかなぁ?」
大吉「そうだよ。豆腐買いに行って電池買って帰るようなもんだ。安部ちゃんにとっても損だ。単独で帰って来い。」
男の”見栄”みたいなものを、変な理屈でごまかしてるなぁ・・・。
豆腐と電池、可笑しい。
−◆−
大吉が支払いをしようとすると既に済んでいました。
またもや鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が支払ってくれていました。
大吉が目をむいて「じぇーーーー!!」
ファンだといって握手してもらってます。
大吉は早速、女優の鈴鹿ひろ美と飲んでいるといって菅原(吹越満)に電話。
スナック梨明日の連中が信じてくれないので、電話に出てくてるよう鈴鹿ひろ美にお願いしちゃう大吉。
都会人とは違ってフレンドリー(馴れ馴れしい・不躾・厚かましい)な大吉。
仕方なく受け取った携帯をゴシゴシとこすって大吉の脂気を拭き取り「鈴鹿です。」
スナック梨明日では酔っ払った吉田くんが携帯を手にしていて「どちらの鈴鹿ひろ美さんですか?」
組合長(でんでん)たちが「アハハハハ」と下品に笑っております。
でんでんの表情が可笑しいのなんのって!!
「女優の鈴鹿ですぅ。」
吉田くん「あのね、俺は鈴鹿ひろ美のファンクラブに入ってたんだ。ひろ美っ子クラブ。だから詳しいね。一発で本物か偽物か・・。」
鈴鹿ひろ美「本物ですぅ。」
吉田くん「本物? このアマ本物だって言ってますけど。」
スナックの男どもが「いや、いや、いや、いや。」
磯野先生(皆川猿時)が電話に出て「いいかげんにしろ、この野郎。」
続けて組合長が「そこまで言うんだったら、潮騒のメモリー、歌ってもらうべぇ。」
一同「アハハハハ 歌ってみろ、この野郎。」
ヒヤヒヤするわぁ。本物の鈴鹿ひろ美は超・音痴だから、万が一『潮騒のメモリー』を歌いはじめたらヤバイもの・・・。
磯野先生「『愛のメモリー』歌ってみろ。」
菅原「『愛のメモリー』は大島渚だろ。」
今野「大島渚は『愛のコリーダ』だべ。ガハハハ」
下卑たオヤジたちの勘違いネタが可笑しい。
あんだけ気持ちよく酒が飲めたら楽しいわ。
調子こいた磯野先生が「美しい人生よ かぎりない喜びよ〜♪」と歌い始めちゃいます。
あろうことか、歌ってる弾みかなにかで電話がプツッと切れちゃいました。
暴れ出さない鈴鹿ひろ美は忍耐強いなぁ。
さすが大女優!?
このコテコテの場面は、鈴鹿ひろ美に『潮騒のメモリー』を歌えと言ったところがミソだったかな・・・。
意味があろうとなかろうと、吉田君(荒川良々)、菅原(吹越満)、組合長(でんでん)、磯野先生(皆川猿時)、今野(菅原大吉)の様子がただただ可笑しい。
下品なオッサンたちが集って無法地帯と化した『スナック梨明日』と、鹿脅しが「ことん」と響くような『無頼鮨』ではまるで別世界でがす。
(ってことは安部ちゃんは迷い込んだアリスかい!?)
−◆−
合宿所でGMTのデビュー決定を発表する水口。
「有馬のパートを5人で割り振って歌ってもらうことになった。ただし・・」
最後まで言い終わらないうちにメンバーが歓喜しちゃって、水口は続きを口にできないまま・・・。
1万枚売れなきゃ解散ということを告げることができません。
あれだけメンバーーが喜んでたら、水を指すような残酷な条件を言い出せないわなぁ。
で、起きがけに顔を洗って前髪をピン留めしておでこが出てるアキ(能年玲奈)ちゃん、子供みたいで可愛らしい。
−◆−
こんな感じで、今回もとても15分とは思えないほどメリハリのあった『あまちゃん』第105話でした。
で、種市先輩(福士蒼汰)と春子(有村架純)には申し訳ないけど『スターマン〜この星の恋〜』は面白くないので視聴中止。
酔っぱらいのオッサンたちと電話していた鈴鹿ひろ美ほどの忍耐強さがないと見てられない・・・。
◇◆◇ 「あまちゃん」感想 ◇◆◇
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★「スタジオパーク」皆川猿時
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