NHK「七つの会議」第3話★死に物狂いでここから抜けろ

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    NHK「七つの会議」第3話
    すべてが壊れていく


    原島(東山紀之)のモノローグ<その日私は、開くと二度と戻れない扉を開こうとしていた。>

    扉を開いた原島は、北川営業部長(石橋凌)、河上人事部長(矢島健一)、稲葉製造部長(中村育二)が集まっている部屋に・・・・。

    社長からの「隠蔽せよ」との命を踏まえて、北川営業部長がトーメイテックに関する全ての不正の事実を隠蔽することと、既に流通しているネジを総て交換することを確認。

    航空機、列車の定期点検の際にネジを交換する”ヤミ改修”について原島が「総てのネジを取り替えるのに最短5年。」と説明。

    すると稲葉製造部長が「原島。お前がやれ。そのために1課長にしてもらったんだろ。」

    本人は頼んで営業1課長にしてもらったわけでもないのだから、稲葉の言い分は理不尽です。

    河上人事部長は「俺はお前たちに坂戸の処理を押し付けられ、巻き込まれたんだ。俺には何の関係もない。」と責任逃れ発言。

    この打ち合わせに参加させられている八角(吉田鋼太郎)が「こいつを1課長にしたじゃないですか。人事部長。」と嫌味を言って見せます。

    会議室から出て行こうとする八角に北川部長が「俺達は社運を賭してこの件を隠蔽してるんだ。お前、路頭に迷いたいのか? 迷いたくなかったら黙って従え!!」と怒声。

    部屋が傾いて映り、窓からさす光で逆行になって会議室の面々が影のように暗く描かれてます。

    表沙汰に出来ない悪事に手を染めることの後ろめたさが映像から滲んでシブい!



    原島が行方不明の坂戸について「もし、何かあったら・・」と懸念を表明。

    すると北川部長が「八角、坂戸はお前が探せ。」

    八角がシレっとした笑みを浮かべて「死なれちゃ迷惑ですか。」と、坂戸に何かが起きたことがキッカケになって不祥事が明るみに出ることを恐れている面々を皮肉ります。

    少々の皮肉が答えるようなタマではない北川部長は「坂戸の不正を見つけたのはお前だ。お前にはあいつを見届ける責任がある。」

    ”見届ける責任”って、なんとまあ勝手な理屈。


    こんな”非公式会議”に参加している組織防衛を優先しながら保身も忘れない男たち----北川(石橋凌)、河上(矢島健一)、稲葉(中村育二)のイヤらしさが堪らんです。

    そしてなにより、掴みどころのない八角を演じる吉田鋼太郎の芝居がシブい!!
    −◆−

    社員のためにドーナツ販売コーナーの設置を提案し、いよいよ実施に漕ぎ着けた浜本優衣(村川絵梨)が八角と会話。

    浜本「やっとわかったんです。会議で上にいろいろ言われるたびに凹んだんだけど、それは私が何も考えてなかったからなんだなって。ただやりたいことにこだわってるだけ。私がいなくなったあとやもっと先のこと、会議ではそういうことも試されたんだなって。」

    この物語は、題名の通り会議が主題でもあるので「会議とはなんぞや」を示すセリフになりました。

    『Oh,My Dad!!』第3話では、商社での新規事業提案会で「マグネシウム空気電池」についてプレゼンをした新海(織田裕二)が、細部について質問さてれ情けなくも答えに窮する場面がありましたが、まさに新海は《ただやりたいことにこだわってるだけ。》

    『Oh,My Dad!!』はコメディと言うこともあって、新海が浜本優衣のように自分の浅慮を自省することもないままドタバタと話が進むだけ・・・。

    テキトーなコメディと社会派ドラマを比べても仕方がないのですが、脚本の差がありありと出ています。

    (『Oh,My Dad!!』の脚本を手がける安達奈緒子さんは、『リッチマン、プアウーマン』でも企業や組織に関する部分がヤバイほど弱かった。)


    で、八角は、そんな浜本優衣(村川絵梨)の言葉に微妙に反応してる。

    良心を刺激されてる?
    組織の論理に染まっていない浜本優衣の瑞々しい心が眩しいのか??
    −◆−

    『ねじ六』で増注の話しをしていたとき、たまたま幼稚園バスのシートが外れたことを奈々子(遊井亮子)から聞いて顔が青くなる原島。

    工場から駆け出し、当該バスに自社製品が使われてるかどうか確かめるよう携帯で部下に指示を出します。

    ネジがかたかたと振動する映像が挟み込まれます。
    歩道橋を歩く原島の映像がブレはじめ、彼の尋常ない動揺ぶりが映像から伝わってき
    ます。

    そして、原島が突然嘔吐。
    バスの不具合とネジの強度不足を隠蔽してることが繋がって神経に来たか!?

    嘔吐する原島をやや引き気味に斜め下から映す画面が傾いていて、異常な企業風土に足を踏み入れてしまったことに対する懊悩が滲み出てきます。

    真っ当に暮らしている人間からすると、ある意味、異次元の世界。
    −◆−

    親会社フロンティアから出向中の副社長・村西(北見敏之)に内部告発の文書が届き、本社から定期調査の名目で調査チームが送り込まれてくることになりました。

    宮野社長(長塚京三)と関係部長、原島が集まって非公式会議を開き、本社の調査への対応を話し合っています。

    宮野社長が「これまでの苦労に比べたらここを乗り切るくらい、どうってことない、誰かそういう奴は居ないのか!」

    部長たちは沈黙していますが、原島が「監査を切り抜けましょう。この調査を乗り切って、フロンティアから東京建電を守る。それしか方向はありません。」と声を上げました。

    宮野社長に充分な費用と人員の確保という条件を提示した原島は「ただの一度でも事故が起これば、我が社は全てを失います。東京建電の誇りを貫くためには顧客の安全、下請け企業や社員の生活を断固守らねばなりません!! お願いします、改修のためのチームを。それさえ約束して頂ければ5年かかる改修を3年で済ませて、いや2年で終わらせて見せます。」と言い切りました。

    原島は「顧客の安全」を口にするなら今すぐリコールを選択すべきなのに、「顧客の安全」と「下請け企業や社員の生活」の”二兎”を追おうとして判断をミスってる。

    でも、現実に「下請け企業や社員の生活」がかかっていたら冷静に判断するのは難しいだろうから、原島みたいな立場にはなりたくない。


    原島の言葉を受けた社長は「了解した。死に物狂いでここから抜けろ。」

    こうして公式に隠蔽を任された原島は、夜を徹して書類やサンプル製品の”隠蔽・改ざん”を進めます。

    で、部下の佐伯(田口淳之介)が駐車場の管理室に段ボール箱を持ち込み、社長付き運転手・佐川(温水洋一)がその箱を更衣ロッカーに仕舞います。

    廃棄は出来ないけど、見られる訳には行かない物???

    その様子を八角が見つめていて「相変わらず、隠し場所は20年前と同じか。」と独りごちています。

    20年前にも何かヤバいことがあったってことみたいです。


    佐伯(田口淳之介)が不正に関わった訳ですが、重厚なキャストの中にあっては ややキャラが弱いかなぁ・・・。
    −◆−

    いよいよ本社の木内総務部長(小野了)が率いる調査チームがやってきましいた。

    10人ほどで書類監査。
    会計監査とか、調査を受ける側は緊張しますよねぇ。
    時間がなかなか流れないんですよねぇ。


    調査途中、八角がやってきて浜本優衣が販売し始めたドーナツを差し入れします。

    わざわざ村西副社長(北見敏之)に「どうぞ」と手渡してます。

    そんなこんなで1日がかりの調査が終了して、調査チームがロビーから外に出て行く寸算に木内総務部長が「最後にもう1カ所だけよろしいですか? 駐車場奥の管理室のロッカーを。せっかくですから、形だけでも抜き打ち検査でも・・・」

    ”駐車場奥の管理室のロッカー”として、思いっきりターゲットを絞り込んでいるくせに「形だけでも抜き打ち検査」などと口にする厭らしさ。

    駐車場の管理室に移動した一同の前で運転手・佐川(温水洋一)が後ろめたそうな顔つきをしながらロッカーを開けます。

    段ボール箱を見つけた木内が穏やかそうな態度をかなぐり捨てて開封すると、マッサージ・グッズや将棋盤などの私物が入っていました。

    いつの間にか箱を入れ替えてた!!

    原島が本社の木内に「お疲れ様でした。」と頭を下げます。

    木内に余計な屈辱を与えてしまったかなぁ・・・。
    −◆−

    調査終了後、誰も居ない社屋廊下で八角と原島が対峙しています。


    原島は駐車場の管理室のことをメモしたドーナツが入っていた紙袋を示して「これを書いたの八角さんですね。副社長に投書を送ったのも・・・。」

    タバコをふかせて壁にもたれかかってる八角は、質問には答えず「重要書類をロッカーから動かしたのはお前か。お前、自分のしたことが分かってんのか? 企業のリコール隠しに加担して隠蔽作業にかかわったんだ。」

    原島「私のしてることは、ただの隠蔽です。言い訳するつもりはありません。」

    八角「分かってて何でこんなことを?」

    普段は冷静な原島が感情的になり「だったら、他に何が有りますか、教えて下さい!! 私は臆病な人間です。何の才能も無い平凡な人間です。強度不足のネジで街を危険にさらしたくない。けれど、会社を潰す度胸もない。下請けの仕事を奪う勇気も無い。だったら、こういうやり方しか無いじゃないですか! 死に物狂いで、この場を乗り切るしか!!」

    組織に属する「歯車」たるサラリーマンの本音とコンプレックスがない交ぜになった生々しいセリフ!!

    人間の性(さが)が良く描かれてるなぁ。


    苦々しげに目を閉じた八角が「うぬぼれるな。お前一人で何が出来るんだよ。いいか、組織って言うのはな、そんな簡単なものじゃないんだ。会社って言うのはお前のそういう善意を利用するんだ。つけ込むんだよ。目を覚ませ。な。目を覚ませよ。」

    感情が乱れている原島は「だったらあなたは何をしたんだ! あなたは何もしてこなかった!! 会社のやり方を非難するだけで営業の先頭に立とうともしなかった。会社を辞めることすらしなかっった。匿名で投書して告げ口するくらいなら、もっともっと やることはあったんじゃないのかぁ!」と八角の胸ぐらを掴みます。

    八角は自嘲気味に「分からないんだよ俺も。ハハ何をすればよかったか・・・。」
    そして、くわえたタバコに火をつけ「俺は昔、人を殺した。20年以上も前だ。」

    彼が”最年少係長”になって、その後20年昇任せずに”最年長係長”になったといってたけど、それと20年前の出来事が関係してるのかな?

    八角が顛末を説明し始めます。

    当時、フロンティアの意向で東京建電が多角化経営に乗り出し、住宅関連設備にも手を広げたそうで、「キッチン、ユニットバス、給湯器、空調、ハッパを掛けられて朝の7時から売りまくったよ。住宅メーカーに剛力押し(ゴリ押し)するだけじゃない。高齢者に強引な訪問販売も仕掛けた。契約書にサインさせて関連商品を山のように売りつけるんだ。会議で無能と罵られるのが怖くてな。」と八角。

    ここでも『会議』が出てきました。

    その結果、客が自殺。

    八角「息子さんに言われたよ『お前のせいだ』って。それで目が覚めた。こんなことしてたら駄目になる。人を裏切ること、傷つけること、悲しませること、金と引き替えに魂を売ってたら俺はホントに駄目になる。会社を辞める勇気が無かったことは認めるよ。でもな、俺はまだ何かあるんじゃ無いかと思ってるんだ。この会社が生き残る道がまだ・・。」


    もはや聞く耳持たない原島は「あなたがそんなこと言ってる間に東京建電のネジを使ったシートで航空機が空を飛び鉄道の車両が走り回ってるんだ。私は、このまま進みます。

    そう思うならリコールを選択しなきゃいけないのに、隠蔽に走ってる・・・。

    八角が「原島待て。これくらいなら大丈夫だ。これくらいならまだ引き返せる・・そう思っててもな、気がついたときには戻れない場所に居るときが有る。そういうことがあるんだ。そうなってからじゃ遅いんだぞ。」と原島を諭しますが、彼は返事をせずに立ち去っていきました。

    もう戻れない場所まで来てしまってるのかもしれません。
    以前の原島とは別人・・・。
    −◆−

    フロンティアでは木内総務部長が梨田常務(神保悟志)に「とんだ恥をかきました。東京建電ごときに、面目丸つぶれです。」なと調査結果を報告。

    梨田常務「何も出ないのはかえって怪しい。」

    木内「私も今日の対応で少々本気になりました。もう少し調べを進めて宜しいでしょうか。」

    こいつらも怪しげな雰囲気だわぁ・・。

    東京建電に出向している村西副社長も同席していて、彼の携帯に八角から「緊急でお耳に入れたいことがあります。今からお会いできるでしょうか。」と電話が入ります。
    −◆−

    一人で会議室に居る原島が坂戸に電話しています。

    返事を期待せず一方的に監査の話しなどをしながら「おれ、ちょっと怖いよ。どうしてかなぁ。こうやってるうちに引き返せなくなるのかなぁ。お前も‥そうだったのか。」

    何も返事がない電話を切って程なく当の坂戸から着信。
    「もしもし、坂戸?坂戸か?」

    踏切近くで携帯を手にしている坂戸。
    何も語らず、踏切の警報音だけが響いてます・・・。

    尋常ない雰囲気・・・。
    −◆−

    こんな感じで『七つの会議』第3話が終わりました。
    次回があっという間の最終回。

    新田(山崎樹範)や佐野(豊原功補)が消えて行った過去2回よりは面白味に欠ける最終話への繋ぎ的なエピソードだったですかねぇ。

    とはいえ、端々に組織の中で小さな歯車として動かざるを得ない職業人の心理がリアルに描かれていましたし、なんしか職場での理不尽な出来事に難儀したことのある人は、このドラマに感情移入できちゃいますよねぇ・・・。

    たまたまそのポジションに居たことで不運に見舞われたり、たまたま電話を取ったらひどい目にあったり、色々ありますもんねぇ・・・。


    これまでの出来事の背景や真実が明かされるであろう最終回が楽しみです。





    ◇◆◇ NHK「七つの会議」感想 ◇◆◇
    #1 #2 #4

    ◇◆◇ 「半沢直樹」 感想 ◇◆◇
    #1 #2 #3 #4

    ◇◆◇ 満島ひかり『Woman』感想 ◇◆◇
    #5 #4 #3 #2 #1


    ◇◆◇ 「あまちゃん」感想 ◇◆◇
    #109 #108 #106-107 #105 #104 #103
    #102 #100-101 #99 #98 #97 #96 #95






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      『七つの会議』は、2013年7月13日から、毎週土曜日21:00 - 21:58に、NHK総合で放送中。東山紀之主演。全4回予定。 概要 大手電機メーカーの下請け子会社を舞台に「内部告発」をテーマとした社会派ドラマ。突然、花形部署の課長に任命されたことで、会社が抱える深い闇
      • ドラマハンティングP2G
      • 2013/07/29 5:29 PM
      東京建電の製品には強度不足のネジが使われていた・・・ 事実を知った宮野社長@長塚京三は 不正の事実の隠蔽と流通しているネジの回収を指示、 処理を任された原島万二@東山紀之のもと、対策チームが発足、 何者かの密告で事態を察した親会社フロンティアが調査に来る
      • まっつーのTV観覧日誌(*´д`*)
      • 2013/07/28 10:40 PM

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