『八重の桜』第28回「自慢の娘」★爆弾処理班・八重!!
- 2013.07.15 Monday
- 20:37
- NHKドラマ・番組
中野こう(中村久美)らが城に帰還し、照姫(稲森いずみ)の御前で竹子(黒木メイサ)の戦死を報告。
照姫は「もののふの 猛き心に くらぶれば 数にも入らぬ 我が身ながらも。」と竹子が詠んだ歌をそらんじて彼女を悼みます。
こんな悲しい出来事にも八重は「戦だから立ち止まってはいらんねえ。」
戦時中なので八重の言うとおりなんですが、”娘を失う”という親として最大の悲しみに見舞われながらも感情が色濃く出てこない竹子の母・こうや、感情を隠して冷静に振る舞う照姫の態度が味気なく感じられ、挙げ句の果てに八重が淡々と「戦だから立ち止まってはいらんねえ。」なんて具合だから、情緒に訴えてくるものが希薄。
竹子と神保雪子(芦名星)の死は、ドラマ的には使い捨て状態で余韻ゼロなので物足りないです。
端的に言うと面白くない場面でした。
−◆−
着弾。
八重(綾瀬はるか)が濡れた綿入れ砲弾に被せて抱きかかえるようにして爆発を未然に防ぐ荒技披露!!
その後、城の女性たちに《砲弾教室》を開催する八重。
濡れ布団でシッカリ抑え込んで消し止める手順解説。
八重「んだけんじょ、弾はいつ爆発するか分がんねえから、これは命がけの仕事だ。」
登勢(白羽ゆり)たちは「やりやす。」「やりやしょう。」
−◆−
砲弾の爆発を抑え込んだ八重を目撃していた容保(綾野剛)が八重を御前に呼び寄せます。
容保「先ほどは見事であった。」「詳しく聞かせよ。」
敵軍から撃ち込まれた不発弾を分解しながら、信管の構造や、形は違えど中身は同じだから不発弾を分解して自軍で再利用できる旨を立て板に水で語って見せます。
八重がチビ八重(鈴木梨央)だったとき、”追鳥狩”を木登り観戦して頼母にメッチャ咎められた際に、容保が「卑怯な振る舞いはしてはおらぬぞ。」と庇ってくれた時のことを語り、「いつか強くなってお役に立ちたいと思っておりやした。」「お殿様。一人また一人と友や仲間を亡くしましても、残った者が力を合わせ会津を守る。お役に立ちてえと存じます。」
このシーン、ヒロイン的には今週のハイライト??
綾瀬はるかが好きだから好意的に観ているんだけど、八重が殿様に決意表明したこの場面を良いと思わなかった・・・。
なんか籠城戦の緊迫感を微妙に薄めたような印象さえ・・・。
で、平馬(池内博之)ら側近が軍議があるからと容保を急かしますが、容保は「八重、女も子供も皆 我が家臣。ともに力を尽くせよ。」
八重「おそれながら申し上げます。皆で出来ることがごぜえやす。」
まだ何か言いたいのかよ・・・って感じ。
八重の提案は子女による《敵弾再生利用》。
子供たちが敵軍が打ち込んだ弾丸を集め、これを溶かして弾に加工。
女性たちが火薬にくるんでゲベール銃のパトロンに加工。
物資欠乏の籠城戦の継続可能性を追求したリサイクル事業!!
−◆−
会津の役に立って大活躍の八重を見てシミジミしちゃってる父・権八(松重豊)。
腹が減ったときの井の頭五郎(松重豊)みたいな顔してる・・・。
佐久(風吹ジュン)に声を掛けられた権八さんは「一度も認めてやんながった。女子が鉄砲の腕を磨いても、何一ついいことはねえ、いつか身を滅ぼすもとになんべ、そう思ってた。んだけんじょ、八重が鉄砲を学んだことは間違いでは無かったかもしんねえ。闇の中でも小さな穴が一つ開けば、光が一筋差し込む」
佐久は「その穴を開けんのが八重の鉄砲かもしんねえな。」
これぞ『自慢の娘』の巻であります。
父のセリフにもう少し感動があっても良いような気がするけど、「光が一筋差し込む」なんてところが作り物っぽくて感情が動かない。
−◆−
米沢との提携と糧食確保を目指して官兵衛(中村獅童)を総督とする1000名規模の決死隊を送ることに・・・。
出陣前夜、容保(綾野剛)は”政宗の佩刀”を官兵衛に授け、出陣祝いだとして手ずから官兵衛に酒を注ぎます。
孝明天皇(市川染五郎)が容保に深い信頼を示し宸翰を下賜したときと重なります。
容保「そなたを頼みに思う。」
やがて連戦の疲れに酒が回ってその場で居眠り・・・熟睡。
翌朝、起こされたときには既に日が昇っていて朝駆けのタイミングを逃しており、泡を食った官兵衛は「しまった!寝過ごしたぁ!!」
その名も響く”鬼の官兵衛”が痛すぎる鬼寝坊!!
(容保が注いだお酒はパックで売ってる『鬼ころし』だったかも!?)
仕方なく普通に出陣し、新政府軍と《長命寺の戦い》となります。
ここでも本来的にはドラマがあると思うのだけど、なんとなくザクッと混乱した戦いが描かれて官兵衛の決死隊が惨敗。
100人以上の兵を失った《長命寺の戦い》から帰ってきてからの官兵衛本人や、全幅の信頼の元送り出したのに朝寝坊された容保(綾野剛)についても特に描かれず・・・。
−◆−
大垣屋(松方弘樹)が岩倉(小堺一機)に覚馬(西島秀俊)の『管見』を手渡すことに成功。
三権分立、殖産興業、学校制度、新しい国の形が全部書いてある『管見』に感心した岩倉が病症の覚馬を訪ねます。
覚馬は病状が重く岩倉は「話ができぬのなら仕方がない。」
必死の思いで身体を動かした覚馬が、立ち去ろうとする岩倉の着物を掴んで引き寄せ「会津から兵を引いて下され。会津を助けて下され」
しかし、五百円紙幣のクセに岩倉具視は「奥羽全土を従えた時に初めて堂々たる新国家が生まれるのや」「いずれまた会いまひょ。」
『管見』に焦点が当たるほどのシーンでもなく、半端感が漂っちゃいました。
−◆−
糧食も尽き果てんとする鶴ヶ城では、弱っていることを悟られないために凧揚げして見せます。
敵軍に見せたい凧揚げですが、ここはオスカープロモーションの要望に応えて農家に身を潜めているユキ(剛力)が凧を目撃するシーンをゴリ押し。
「八重ねえさんが凧を揚げてるにちげえねえけど、八重ねえさんはもう友達じゃない Myfriend 絶対紅白出場」と意味不明のことを頭の中で思い浮かべてるユキ(剛力)は城の方角に向かって無駄に手を振り続けております。
農家で隠れてる人間が、思いっきり手を振って目だってどうするねん!!!
−◆−
ユキ(剛力)が手を振ったのが合図になったようにして城内に激しい砲撃。
とうとう総攻撃開始です。
八重たちの上空では、ミサイルみたいに凄いスピードの砲弾がシュルシュルと飛んでます。
怪獣でも倒しそうな勢い!!
八重たちの至近距離に着弾。
大蔵(玉山鉄二)の妻・登勢(白羽ゆり)が、八重の《砲弾教室》で倣った手順で爆発を阻止しようとして濡れ布団を持って砲弾を覆います。
爆発しないかと思われた瞬間、ドッカン!!!
登勢(白羽ゆり)さん吹っ飛びます。
生死不明!?
天井にあいた大穴からは本丸から立ち上る煙が見えました。
ここで八重が半沢(堺雅人)のパクリで「やられたらやり返すべ。倍返しだべ! それが私の流儀だべ!」とか言えないのが大河ドラマの限界か・・・。
−◆−
こんな感じの『八重の桜』第28話。
各回でフォーカスを当てる登場人物を絞るとかしないと、あれもこれもでは散漫きわまりない感じがします。
会津を去る西郷頼母、竹子の死を知った照姫、八重の決意表明とれを聞く容保、自慢の娘について語る父・山本権八、寝坊の官兵衛、岩倉と覚馬、凧揚げ目撃の剛力、爆弾ドッカンの登勢などなどをべたーーーっと並べて繋いだ感じ。
だから起伏やメリハリが弱い。
そのうえ、登場人物のセリフが心に響いてこない。
最近では”二本松少年隊”の時だけ感情に作用してきたものの、竹子(黒木メイサ)が死んだときも雪子(芦名星)が死んだときもウルウルこなかったし・・・。
”白虎隊の悲劇”でさえ痛そうだったけど、描き込みに深さが感じられなかった。
どうしてもっとグッとくるものが無いのかな・・・。
(『あまちゃんな』んて、新聞の予告欄で向こう一週間分の出来事がネタバレしていても観て面白いんだから、史実としてネタバレしてることは言い訳に出来ないんだと最近思い始めました・・・。)
音楽で言えば最初のサビの部分なのに、この程度の展開では辛いです。
◇◆◇ 大河ドラマ『八重の桜』感想 ◇◆◇
第27回「包囲網を突破せよ」 第26回「八重、決戦の時」
第25回「白虎隊出陣」 第24回「二本松少年隊の悲劇」
第23回「会津を救え」 第22回「弟のかたき」
第27回「包囲網を突破せよ」 第26回「八重、決戦の時」
第25回「白虎隊出陣」 第24回「二本松少年隊の悲劇」
第23回「会津を救え」 第22回「弟のかたき」
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
★仮面ライダーウィザード第43話感想 >>
★傑作ドラマ NHK「七つの会議」第2話
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★満島ひかり「Woman」第3回 感想>>
★スターマン・この星の恋 第2回>>
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