ガリレオ(第2シーズン)第9話★目を剥いて爪を噛む生瀬勝久の「超音波殺人事件」
- 2013.06.11 Tuesday
- 13:08
- フジTV系ドラマ、番組
<親愛なる警察の諸君へ、私は悪魔の手を持つ者である。その手を使えば自在に人を葬ることが出来る。警察には私を止めることが出来ない。悪魔の手は人間には見えないからである。警察は被害者の死を事故と判断するしかない・・・>云々と、抑えた口調でゆっくり読み上げる吉高由里子のナレーション・・・だと思っていたら、犯人からの手紙を岸谷(吉高由里子)が太田川(澤部佑)にむかって読み上げてました。
内輪の人間に手紙を読み聞かせるだけなら、そんなに怪しげなトーンを付けずに「事務的にチャッチャと読めよ!」と思わせた演出。
で、太田川(澤部佑)と岸谷(吉高由里子)はいつもこの会議室かなんか知らんけど、別室で二人だけ・・・。
『ガリレオ2』では警察関係者は、ほぼ太田川と岸谷しか登場せず、せいぜい監察医アイザックが出てくるだけ。
アイザックを入れて3人だけって、交番か!!!
そもそも小説版『ガリレオ』は、草薙(北村一輝)というシッカリした刑事がまともに捜査し、それでも警察では手に負えない科学的事象について、草薙刑事とは帝都大学の同期で部活も供にした間柄の湯川(福山雅治)に助言を求めるというのが原点。
『警察がちゃんと捜査してるっていう前提』があってこそ、天才物理学者・湯川(福山雅治)という人物が際立つのに、”ゆるキャラみたいな太田川(澤部佑)”と”不思議ちゃん岸谷(吉高由里子)”が別室で雑談みたいなノリで事件について語り合ってるだけだから、締まりのないムードが漂っちゃいます。
今回は、犯人の手紙に<T大学のY准教授によろしく>という挑戦文があるから湯川(福山雅治)が捜査に関与する必然性もあるし、犯行手段が”理系”でもあり、『湯川が居なくても解決できる』という第2シーズンの最大の欠点は払拭できたはずなのに、『ガリレオ第1シーズン』のようなシャープさが出ないのは、「警察が描かれていない」「警察がヌルイ」ことが一因だと感じちゃいました。(番組開始5分も経ってないのに・・・)
忙しそうな署内で岸谷(吉高由里子)が刑事課長に進捗状況を報告したり、逆に上司からプレッシャーをかけられたりするシーンとかがあって当然だと思うんだけどなぁ・・・。
これって、警察関係者を絞り込んで出演者を減らす経費節減策なんでしょうか??
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最初の犠牲者は品川のパチンコ屋の屋上から転落死した上田重之(岡本正仁)。
高所でガラス窓を清掃中、耳を押さえ、何やら目眩に襲われた様子でふらついて地上に転落。
被害者が転落寸前に見せた仕草からすると、揮発性の薬物とか、アンマンで行われたW杯アジア最終予選のヨルダン戦で、遠藤選手がPKを蹴るときに照射されたレーザー光線を御大層にしたようなもので平衡感覚の異常を誘発してるんだろうって感じ。(薬物では物理と通じないな・・)
『ガリレオ2』をテレビで見てる訳ではない岸谷(吉高由里子)には、被害者の転落寸前の様子は分からないので、『悪魔の手』がどんな方法で被害者を転落に至らしめたのかはわかりません。
物理学が絡まない普通の事件でも安易に湯川に頼り切っている岸谷や貝塚北署の皆さんに分かる訳がない。
−◆−
湯川(福山雅治)にも犯人から手紙が届いていて、書かれていたHPのアドレスを開くと映画のサイト。
サイトへの書き込みの中に、転落死を仄めかすコメントがあって、日付は上田重之が転落死する前日。
岸谷「事件前日に犯行予告が書き込まれて、その通りに人が死んだとなったら、もうイタズラとは言えないじゃない!!」
プロの刑事なんだからギャーギャー騒がず、冷静にお願いしますよ。
この時点で、事件前日の犯行予告を事件が起きたあとに知らせてくると言うことに違和感を感じないのかなぁ?
で、『悪魔の手』が、湯川への怨恨から事件を起こして挑発していると推測した岸谷(吉高由里子)は「湯川先生を嫌ってる人・・・」と思考を回転させ、湯川に追い越された万年助手・栗林(渡辺いっけい)に目を付けちゃって「先生に嫉妬してるんでしょ。恨んでる? 嫌いなの?」
栗林「嫌いな訳あるかよ!! 好きだよ! 大好きだよ!!」
岸谷が頬あたりに持ってきた手を反らせてオカマを疑うポーズ。
栗林は「そういう意味じゃなくて、男として!!」とホモ疑惑を否定。
岸谷は「続きは警察で聞きます。」とマジで栗林を連行しようとしちゃいます。
岸谷(吉高由里子)と栗林(渡辺いっけい)の”お約束の口喧嘩”はそれなりに面白い要素も含んでるんだけど、出世を越されたことだけを根拠にして栗林を連行しかけるなんてのは、『ピカルの定理』以下のおふざけですわ。
まったく酷いもんです。
帝都大学法学部出身のエリートのくせに、コナン君の友達の少年探偵団・元太なみの思考レベル!?
こういうことを岸谷にさせるから吉高が顰蹙を買い、『ガリレオ2』に日本中から突っ込みが入っちゃう。(テレビ局側は、内容への評価が低くても、視聴率さえ高けりゃ良いのだ!!)
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湯川(福山雅治)が岸谷(吉高由里子)とともに転落現場へ。
花が飾ってありますが、本当は鑑識とか警官が何人かで現場検証してる場面とかが入ってたら、「少しは警察も仕事をしてるなぁ・・」って雰囲気が出るんだけど、やっぱり貝塚北署は3人だけで回してるから現場検証はスルーであります。
だんだん感想書くのが面倒くさくなってきた・・・。
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第2の被害者は石塚清司(石川賢二)
夜の踏切にさしかかった時、目眩がして朦朧となり、電車が迫る踏切にフラフラ入って行っちゃって、轢かれそうだったけどなんとかやり過ごした・・・と思った瞬間、逆方向からの電車にガバッとはねられて即死。
1台目をやり過ごして助かったと思った瞬間に逆方向の電車がガッと来てババッと轢いちゃったのには少しビビらされちゃった。
今回のエピソードでは『逆方向からの電車』に最も驚かされました。
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ここ数ヶ月の間に都内で起こった死亡事故を洗い直す太田川(澤部佑)と岸谷(吉高由里子)。
また例の会議室みたいな部屋で二人っきりです。
安直やなぁ・・・。
太田川に文句を付ける岸谷は「ジャングルジムから落ちたとか、バナナの皮を踏んで足を滑らせ頭を打って死んじゃったとか、そういう何でもない事故でも『悪魔の手』の仕業かもしれないでしょ。」
もうちょっと締まりのある会話にするか、いっそ『あまちゃん』並みに笑える会話にでも出来ないのかなぁ・・・。
居るはずの草薙(北村一輝)が居ないのが痛すぎる。
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踏切の事件を予告していたことを事後に知らせてきた『悪魔の手』
手紙に書かれたアドレスはプロ野球チーム「アースリーズ」の公式サイト。
岸谷(吉高由里子)がタブレットPCの画面をスワイプして犯行予告だと思われるコメントを表示。
キーボードから液晶画面を取り外し、タブレット端末として使えるノートPC「dynabook」か、あるいはREGZAタブレットか・・・。
湯川(福山雅治)は「dynabook」らしきパソコンをいつもいじってるし、逆に「dynabook」のCMでは福山雅治が湯川っぽいノーネクタイでオーダースーツを着てるし、コラボというかステマというか、商売っ気が濃いなぁ・・・。
90年代後半に連作小説としてスタートした頃の『ガリレオ』に比べると、随分とコマーシャリズムに毒されてしまったような印象を持ちます。
小生は『容疑者Xの献身』くらいで止めておいた方が良かったような気もします。
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犯人は高橋英治(生瀬勝久)って男で、学会発表したときに湯川に質問されて、研究の欠点が明らかになって落ちぶれてるの・・・。
学会で湯川の質問に難渋して目を剥いてる生瀬勝久の顔が凄い!!
コメディとシリアスの境目ギリギリの顔!!
アパート暮らしの高橋(生瀬勝久)の境遇は、『容疑者Xの献身』の石神哲哉(堤真一)とチョッピリ似てるけど、性格も違うし学者としてのレベルも違うようです。
彼は湯川に復讐しようと考えてるようですが、湯川が今一つ『悪魔の手』への食いつきが良くないので、マスコミに犯行声明を送りつけます。
おかげで貝塚北署捜査課・間宮係長 (モロ師岡)が記者会見を開く羽目になり、維新の会・橋下氏に「お前、ちゃんと答えてないだろう!」と責め立てたM新聞の記者みたいなのがウジャウジャいて酷い目に遭っております。
マスコミは正義の味方だから・・・。
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ネットに予告分が書き込まれていたことを犯行後に『悪魔の手』が知らせてくることを疑問に思い、犯人がこれまで書き込んだ文章からキーワードを選んで同様の書き込みがなされていないかを学生たちを使って検索させまくった湯川(福山雅治)。
学生が発見した”さくら学院”の堀内まり菜の応援サイトには、<音楽に夢中になって事故らないよう気を付けなきゃ。>というコメントが”2人目のファン”というハンドルネームで書き込まれています。
これは2人目の犠牲者が踏切で亡くなったときの犯行予告と同じハンドルネーム・・・。
で、”さくら学院”ってアイドルユニットは『あまちゃん』の”アメ横女学園芸能コース”だとか”GMT47”と同様の架空のユニットだと思ってたんだけど、実在のアイドルなんですってね・・・。
『ガリレオ2』は、「DynaBook」だけではなく、アイドルの宣伝までしちゃってる??
肝心な本筋に戻して・・・同じハンドルネームでネットに書き込んでるってことは、犯行を失敗して別の方法で別のターゲット相手に成功させてから、手紙を警察に送ってるのではないかと湯川が推理。
さらに、犯行が失敗したと言うことは、死亡しなかった事故があると考えた湯川が、該当するような高速道路での事故を全て洗い出すよう岸谷(吉高由里子)に指示します。
岸谷「死亡事故全てを?」
湯川「ちがう、死亡しなかった事故全てだ。」
岸谷、流れを見てたら湯川先生に聞かずともピンとくるやろ〜〜。
仮にも刑事なのに、どうして湯川に教えて貰わないと分からないのかなぁ・・・。
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岸谷の調査で、紀子(MEGUMI)という女性が高速道路脇に停車しているところを”保護”されたことが判明し、湯川(福山雅治)とともに話を聞きに行きます。
紀子(MEGUMI)は、昔の映像で見た”地震の影響で落下した橋”みたいに道路が波を打ったのだと説明。
小生が記憶している波打って落下する橋というと『タコマナローズ橋』なんだけど、あれは風による共振現象だから、紀子(MEGUMI)が言ってる橋は別の橋梁なんやなぁ・・・どの件だろ??
さらに目眩と頭の中でガーンと音がしたことも証言した紀子。
これで湯川がスイッチオン!!!
岸谷が湯川の気配を察して「ちょっと待って、これに書いて!!」とノートを差し出しましたが手遅れ!!
湯川は化粧台の鏡に口紅で計算式を書きまくり始めました。
(湯川、変人じゃなくて病気ちゃうか??)
今回の事件がどう計算式になるのかは文系三流大学卒の小生には想像も付きませんが、「黄門様の印籠」「遠山桜」と同じく”お約束の段取り”だから得心して観るしかありません。
湯川が得心して立ち去りますと、紀子に岸谷が申し訳なさそうに「消します。」
吉高由里子の可愛らしい演技。
あんまり世間でウザイと言われるもんだから、可愛く変身しちゃった!?
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視聴率低迷の『とくダネ!』に湯川がわざわざ出演して、事件の程度の低さを誇張するかの発言で『悪魔の手』を挑発。
小倉智昭がワイプ出演して湯川に話しかけたりしておりますが、これで『とくダネ!』の視聴率が回復するようなことはない気がするなぁ・・・。
テレビで挑発した後、葉山キャンバスで研究会を開くことをHPにアップした湯川。
そして研究会当日、栗林(渡辺いっけい)の運転で葉山に向かう湯川(福山雅治)は、車の右方向をずっと眺めています。
すると高橋(生瀬勝久)が運転する白い車が右側車線で併走し始め、高橋が何らかの装置を起動させます。
栗林(渡辺いっけい)が激しい目眩に襲われ蛇行運転。
湯川がヘッドホンを取り出して栗林に装着すると、栗林は正気を取り戻します。
高橋(生瀬勝久)は湯川たちの車が事故らないことに慌てて目を剥いてます。
警察車両が高橋(生瀬勝久)の車を取り囲み、御用!!
高橋(生瀬勝久)の車を開けると、デッカいスピーカー。
この顛末は、交通の便が悪く車で移動せざるを得ない葉山キャンパスを会場にして、『悪魔の手』が湯川の自動車を狙ってくると予想しての『囮作戦』でした。
何も知らされてなかった栗林が一番気の毒でありますねぇ・・・。
助手は辛い。
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なぜか間接照明で、お酒でも飲めばオシャレかもしれない取調室で高橋(生瀬勝久)から話を聞く岸谷(吉高由里子)・・・。
高橋がだんだん壊れた感じになってきて、爪を噛んだり目を剥いて顔を歪ませたり・・・。
アパートで湯川への憎しみで顔を歪めていたときもそうだけど、生瀬勝久の『顔芸』が強烈です!
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研究室で岸谷(吉高由里子)に、高橋(生瀬勝久)の犯行手段を説明する湯川(福山雅治)。
「23キロヘルツ程度の特殊な超音波を超指向性のスピーカーで照射し、相手の平衡感覚を狂わせるというものだ。」(この超音波で肩こり治らんかな・・・。)
事件の肝心要の”犯行手段”は、さっきの取り調べで高橋(生瀬勝久)にゲロさせなきゃいかんだろう。
取り調べを終わってから湯川(福山雅治)に教えて貰うようでは、警察官失格だべ。
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こんな感じの『ガリレオ2 第9話』でした
過去8話よりは「理系」な感じで『ガリレオ』らしいともいえるけど、三流物理学者の高橋では湯川の敵じゃありませんね。
『悪魔の手』ってほどの恐ろしさもなかったし・・・。
また、手を触れずに人を殺す”手口”を解明するにあたって、湯川もスピーカーで実験してみるなどの経緯は描かれず、『特殊な超音波』に関する事後説明だけで終わってしまい淡白だったのも残念・・。
犯行手口を解き明かすことよりも、囮になって犯人をおびき寄せたことのほうが目だっちゃった。
−◆−
あと、そんなに湯川(福山雅治)を恨んでいるなら、最初から湯川に向かって超音波を浴び出て事故死させることを考えたら良いのに、手間暇掛けて連続殺人事件を起こして湯川に挑戦した意味もよく分かりませんでした。(小生が何か見落としてる??)
超音波で平衡感覚を狂わせることを表してるのかなんだか知りませんけど、『撹乱す』ってタイトルもいまひとつフィットしてる感じがしませんでした。
何か物足りなくて、何かが抜け落ちてるような印象が残ります。
ミステリとしての勘所を外し、これほど世間からツッコミどころを指摘されながら視聴率No1という現象が「実に不思議だ。」って感じです。
▼∇▼ ガリレオ(第2シーズン)感想 ▼∇▼
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★#11(終)「聖女の救済(後)」 ★#10「聖女の救済(前)」
#8「演技る」 #7「偽装う」
#6「偽装う」 #5「念波る」 #4「曲球る」
#3「心聴る」 #2「指標す」 #1「幻惑す」
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◇◆◇ 大河ドラマ『八重の桜』感想 ◇◆◇
第25回「白虎隊出陣」 第24回「二本松少年隊の悲劇」
第23回「会津を救え」 第22回「弟のかたき」 第21回「敗戦の責任」
第20回「開戦 鳥羽伏見」 第19回「慶喜の誤算」 第18回 「尚之助との旅」
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