SPドラマ「リーガル・ハイ」★堺雅人はミック・ジャガー!?
- 2013.04.14 Sunday
- 10:00
- フジTV系ドラマ、番組
最後の最後に、10月から連続ドラマとしてセカンドシーズンが放送される旨の告知。
地盤沈下が著しいフジテレビにとって、古美門(堺雅人)という良くできた登場人物は”希有な存在”だから、新シーズンを作るのは賢明な選択でしょうね。
古美門という架空の人物と堺雅人の役者スキルが見事に融合していて惹きつけるるモノを持っていますものね。
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新垣結衣ちゃん、メルティーキッス「雪原と木」篇CMの時ほどではないけど、えらくクッキリしたお化粧(厚い?)だったかなぁ・・・。
ビブリア古書堂店主・篠川栞子(原作では美人)を演じた剛力彩芽もかなり化粧が濃くて、演技レベルも新垣結衣ちゃんとドッコイドッコイだけど、夢を届けるドラマ世界に出てくるなら新垣結衣ちゃんの方が1千万倍マシです。(不器用だけどね。)
『ガリレオ』は柴咲コウから吉高に交代したけど、新垣結衣が剛力彩芽に交代したりしたら悪夢やね。
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さて本編。
公立うさぎがおか中学校・2年C組におけるイジメ問題(?)。
なぜか担任が黒の女教師・榮倉奈々。
フジテレビのHPにわざわざ「榮倉さんは、2012年7月クールに放送された『黒の女教師』(TBS系)で教師役を演じていますが、今回演じる藤井は『黒の女教師』で演じた高倉夕子とは、まったく異なるキャラクター。」と但し書きが載せられてるのが御愛敬!?
小暮和彦(末岡拓人)が屋上から転落した案件が、イジメなのか友達同士の悪ふざけによる事故なのかが争点。
学校側や教育委員会は絵に描いたように組織のメンツを守りにかかる展開。
こんなの下手に作ったらベタなドラマになるところだけど、古美門(堺雅人)と黛(新垣結衣)が派手に動き回るから面白い。
古美門が、フランスのスキーリゾートでこっぴどくフラれた別府敏子(広末涼子)が裁判長だという設定も面白さを増幅してる。
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あれやこれやで裁判は結審の日を迎えました。
2年C組の生徒34人が、転落は強要によるものだと証言して一気に形勢大逆転。
うっ! 『鈴木先生』で、性体験をあけすけに口にして人をイラッとさせる河辺彩香役の”小野花梨”が証言台に立ってる〜〜〜!!
この子は妙なインパクトが有るなぁ・・・。
(『鈴木先生』の最終回も生徒による裁判だったね)
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古美門(堺雅人)が『ボストン・リーガル』の弁護士アラン・ショアみたいな最終弁論を開始。
「そもそもイジメの正体とは一体何でしょう。加害者生徒? 教師? 学校? いえ、そのどれもが本質ではありません。正体はもっと恐ろしいものです。」と、いつになくジックリ語りかけるような口調の古美門。
「それは教室だけでなく職員室にも会社にも家庭にもこの国のあらゆるところに存在します。われわれは常に周りの顔色をうかがい流れに乗ることを強いられる。多数派は常に正義であり、異を唱える者は排除される。いじめの正体とは”空気”です。特に右から左左から右へと全員で移動するこの国では”空気”という魔物の持つ力は実に強大です。この敵の前では法ですら無力かもしれません。全てを呑み込み巨大化する恐ろしく立ち向かうどころか逃げることさえ困難な相手です。あるいは藤井先生も、加害者である青山君たちでさえ、この怪物にのみ込まれた犠牲者なのでしょう。」
加害生徒までもが被害者だとして何でも社会や空気のせいにする理屈には全面的な賛成はできないわ。
古美門の弁論に一理あるのは認めるけど、『無差別通り魔事件』とか何かというと社会のせいにする風潮自体がこの国の”空気”でもあると思う。
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古美門の弁論が続きます。
「今回、私は奇跡を見ました。呑み込まれていた者たちが怪物の腹を切り裂き敢然と立ち上がったのです。和彦君、藤井先生、そして2年C組34名の生徒たち。どれほどの勇気がどれほどの覚悟が必要だったことでしょう。彼らは確かに目覚め、自分たちの意思で空気を打ち破った。私は彼らの姿に希望を見そして自らを恥じました。敢えて申し上げます、この世界からいじめをなくすことはできます。この裁判をその第一歩にしましょう。」
オバマかと思うような大演説を聞いて、古美門が素直に心打たれて改心したと思うのは黛(新垣結衣)ぐらいじゃわなぁ・・・。
で、『純と愛』の若村麻由美なみにキツイ表情を浮かべていた裁判長・別府敏子(広末涼子)がイジメを認定し、転落した生徒・小暮和彦に賠償金1億円、母・秀美に1000万円を支払うべしと言う判決。
教育長は錯乱気味に「おい話が違うだろ!」などと弁護団に文句を言う有様・・・。
教育長がそこまでバカに描かれるというのは、ある意味これが教育委員会に対する”世間の目”なのかな・・。
真摯に教育行政に臨んでおられるマトモな自治体もあるだろうに、大津市教委などの不細工で不誠実な対応のせいで、完全にバカ扱いであります。
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最後の数分の”オチ”がヨカッタ。
事務所に小暮秀美(堀内敬子)と和彦(末岡拓人)が感謝を述べにやって来ました。
知らない土地でやり直すという母・秀美に、どこへ越すのか尋ねると「お恥ずかしいんですが豊洲の高層マンションに。これからも親子2人で慎ましく暮らしていきます。」
シャネルのカバンを手にしながら豊洲のタワーマンションに移ると述べる思いっきり慎ましくない母・秀美。
ガッポリ入る賠償金で金銭感覚・生活感覚に変化があった様子・・・。
ブラックというか、シニカルというか、何というか・・・。
和彦(末岡拓人)に至っては帰り際に「色々思い出したんだけど、自分から言いだしたかも。飛び降りてみせるって、何か飛べる気がして…。」
わちゃ〜〜、イジメじゃなかったんかよ!?
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辞職した藤井教諭(榮倉奈々)を慕う生徒達が集まってきて青木君が「最後にもう一度合唱をしたいんです。先生指揮をしてください!」と真新しい指揮棒を手渡します。
ベタな感動の合唱とはならず、藤井教諭(榮倉奈々)は指揮棒を鋭く振って植木の葉っぱをなぎ払い「次の学校の生徒たちに使お。」と呟き、生徒をホッタラカシにして去って行きました。
ひ〜〜っ、次の学校の生徒は指揮棒でしばかれるんやぁ〜〜。
やっぱり”黒の女教師”やんかぁ・・・。
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偶然にもイジメっぽい話しだった『35歳の高校生』(「student X〜女子高生・馬場亜矢子」って感じ)よりも『リーガル・ハイ』の方がポップでシニカルでテンポも良くて面白かった。
しかしながら『イジメ問題』にしても『体罰問題』にしても現実には深刻で生々しい問題だから「面白かった」と括ってしまうのは不謹慎なのかなぁ・・・。
最終弁論で美しく終わらずに、賠償金を手にした小暮親子と、裏の顔が垣間見えた藤井教諭にまつわるブラックなオチをつけたことが良かったのか悪かったのかも紙一重かな・・・。
小生が愛してやまない”筒井康隆”的な文学手法もあるから、『イジメ問題』をエンターテインメントにした古沢良太脚本も、これはこれで有りなんでしょうね。
要するに、変化球とビーンボールを織り交ぜたエグい投球。
最後に余談ながら、堺雅人はほんの少し幸せ太りしてる??
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第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
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