「あまちゃん」第5回と「でたらめヒーロー」第1話★脚本の差?
- 2013.04.05 Friday
- 11:42
- NHKドラマ・番組
昨日のラストでの清楚な女子高生(橋本愛)とアキ(能年玲奈)が三鉄で出会うシーンの続きから・・・。
ユイ(橋本愛)が夏(宮本信子)さんに「リアスのおばさん おはよう。」と爽やかに挨拶。
小生は、昨年の傑作ドラマ『はつ恋』から橋本愛ちゃんが醸し出すオーラに惚れ込んでおります。
(テレビに出始めた頃は凄い美少女だと思ったけど、事務所のゴリ押しが過ぎて魅力が消し飛んでいった武井咲みたいにならないでね。)
この爽やかで垢抜けた感じがする挨拶を見たアキ(能年玲奈)が、心の中で<訛ってねえ。>
夏さんがアキを孫だと紹介。
ユイ「高校生?」
アキ「んだ。2年生だ。」
ユイ「フフフ、訛ってる。」
北三陸市に来て早々なのに方言に染まりはじめているアキ(能年玲奈)が可笑しくて可愛らしいし、地元暮らしのユイ(橋本愛)の方が逆に標準語だという設定が示唆に富んでる。
アキの訛りは、彼女が母の故郷の空気にピタッとハマってることをシンボリックに表現してるんじゃないかな・・・。
なはともあれ、”能年ちゃん”と”橋本愛”ちゃんの取り合わせは、可憐すぎる!!
−◆−
さて、本日のクドカンのオモシロ・フレーズ。
大吉(杉本哲太)と弥生(渡辺えり)らが店で”北の海女”の絶滅の危機について会話していて、琥珀掘りのオジサン・小田勉(塩見三省)が会話入ってくる場面。
小田は「琥珀はどうだ? 海女と違って年取らねえ。」と、観光資源としての琥珀の存在を控えめに主張。
大吉は「琥珀の時代は来る。勉さん琥珀も必ず来るから待ってろ。8500万年も待ったんだがら、あと2、3年待てるべ!」
「8500万年も待ったんだがら、あと2、3年・・」云々というセリフが可笑しい!!
クドカンならではの発想によるセリフが面白い!!
−◆−
アキ(能年玲奈)が海に飛び込んだと聞かされた春子(小泉今日子)が驚いて「じぇ!」
キョンキョンまで「じぇ!」だって・・・。
シンプルに可笑しい。
あと、故郷を捨てて東京に言った身ではあるけど、とっさに地元言葉の「じぇ!」が出たってところに春子(小泉今日子)の内面世界が垣間見えたようで、クドカンの巧さを感じさせました。
・・・・・・・・・・・・・・・・
どうして『あまちゃん』と『でたらめヒーロー』の感想を並べたかというと、企画力や脚本・演出の差を感じたから・・・・。
−◆−
定職にも就かず多額の借金を抱えるろくでもない31歳の男・久住健太(佐藤隆太)が、特殊な飴(ドロップ)を口にすると10分間だけ身体能力と五感が常人の10倍になって、ヒーロー「ゴーグルZ」として悪党を退治しちゃうと言う設定。
佐藤隆太だし、上手くすれば面白いかもしれないドラマ・・・。
で、飴を口にしたとたんに健太(佐藤隆太)の髪の毛が逆立って能力が発現。
微妙にサイヤ人か!?
悪党達がピストルを撃ちまくるんだけど、健太には弾道がスローモーションのように見えるから弾を避けることが出来ちゃう。
前回の『八重の桜』の覚馬(西島秀俊)も鉄砲玉を避けてた感じだったなぁ・・・。
弾をよけたり超高速の動きで悪党を翻弄する様は、海外ドラマ『ヤングスーパーマン/Smallville』のクラーク・ケントの動きと同系統のアクション。
ダメ男がヒーローって言う設定はウィル・スミス主演の映画『ハンコック』を彷彿させるし、素人のヒーローという面では映画『キック・アス』を連想しちゃう。
究極で言えば、悪魔がヒーローになる永井豪の『デビルマン』があるから、借金男どころではない・・・。
そして10分間限定のスーパー・パワーという設定は、地球上では3分間だけしか変身できない『ウルトラマン』を思い出さずに居られない。
テレビ局は『でたらめヒーロー』について『<ヒーローもの>の常識を覆す新感覚ドラマ』という”謳い文句”を掲げているのだけど、古今東西の企画を混ぜ合わせたような設定になっちゃっているので、残念ながら「看板に偽りあり」なのです。
−◆−
さて、健太(佐藤隆太)に能力をもたらす”飴”を持ってきた幼い甥っ子・大地(秋元黎)は、母・久住恭子(ちすん)を交通事故で亡くして失意のどん底。
亡き母の誕生日にデコレーションケーキを手作りして「お母さんと約束したんだ。誕生日僕がケーキを作ってお祝いしてあげるって。」なんて健気なことを口にします。
事情を知らずにデコレーションケーキのイチゴをつまみ食いしていたダメ男・健太(佐藤隆太)が大地(秋元黎)の言葉にほだされて、ケーキのローソクに火をつけてあげる・・・・。
目頭が熱くなる良いシーンです・・・と素直に思えると良いんですけど、性格がひねくれている小生は《母を失った少年》の悲しみにダメ男が反応するという典型的な流れに感情移入できず、むしろ”新感覚”を謳うドラマなのに、浪花節的な趣向が色濃く出ているのは”旧感覚”じゃないかと引いちゃいました。
(人情味のあるストーリーなら、内野聖陽のTBS『とんび』くらい描き込まれているなら良いんですけどね・・・。)
また、哀切を漂わせる子役の秋元黎くんの演技が上手すぎてドラマが重くなってるもんだから、制作側が掲げる『今までにない新感覚でPOPなエンターテインメント』というキャッチとも乖離してる印象です。
−◆−
話が前後しちゃうんですが・・・。
コンビニ強盗が店員・夏輝(本仮屋ユイカ)にナイフを突きつけて人質に・・・。
正義感が強い夏輝が強盗に「こんなことして、恥ずかしくないんですか。お金が欲しいなら働けばいいじゃないですか。」
強盗に説教じみたことを言うこのセリフ、少し古くさい感じ・・・。
「恥ずかしくないですか」なんてセリフ自体が気恥ずかしい感じがしないでもない。
宮藤官九郎なら、「8500万年も待った琥珀」みたいに常人では思いつかないようなセリフを言わせるだろうに・・・。
−◆−
幼馴染の警官・丹波(塚本高史)が手柄ほしさに健太=ゴーグルZ(佐藤隆太)を強盗事件が起きてるコンビニに突入させようとするんですが、正義感を持ち合わせていない健太は「アホくさ。ボランティアなんかやってらんねぇよ。」と丹波の依頼をスルーして立ち去ろうとします。
すると丹波(塚本高史)は「また逃げんのかよ。このまま
一生逃げっぱなしでいいのか。」
うっ、また少し古くさい感じのセリフ!!
またまた「宮藤官九郎なら」と思っちゃう。
こういう典型的な会話が積み重なると『今までにない新感覚でPOPなエンターテインメント』って雰囲気じゃないような・・・。
−◆−
ドロップを狙う謎の男・黒木(小日向文世)の影が・・・。
ダメ男・健太(佐藤隆太)に力を与えるドロップを巡る久住恭子(ちすん)や黒木(小日向文世)のあれやこれやが面白く展開するか否かは、脚本家さんの腕の見せ所。
陰謀話の他に、もしかすると夏輝(本仮屋ユイカ)とハローワークの職員・白井麻里(原幹恵)と健太(佐藤隆太)がおりなす恋バナもあるのかな??
(原幹恵は、ハローワークの職員というよりキャバクラのお姉ちゃんみたいな佇まいだった!?)
以上、文句ばかりつけたけど、全然面白くないわけじゃなくて、ヒーロー姿の健太を見た夏輝が「ゴーグルZ・・・2号」って言う所なんかは多少は面白かった。
初回だから登場人物や物語の背景を説明するためにテンポが悪かっただけで、次回からは痛快さも出てくるかもしれないです・・・。
とにかく”新感覚”を謳うのですから、クドカンに負けないようユニークで清新なドラマに仕立ててね。
あと、『あまちゃん』では能年玲奈の魅力がキラキラ輝くように映し出されていますが、『でたらめヒーロー』で本仮屋ユイカをどれだけ魅力的なキャラに仕上げるかも脚本や演出次第だと思います。
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第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
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