「純と愛」第151回(終)★眠り王子・愛(風間俊介)に純(夏菜)がキス
- 2013.03.30 Saturday
- 12:16
- NHKドラマ・番組
「賛否両論があるドラマ」という”枕詞”がすっかり定着した『純と愛』も遂に最終回。(ようやく最終回)
この時間帯に、人心地ついたり、癒やされたり、明るい気持ちになりたい小生は、『純と愛』は苦手でした。
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純(夏菜)がホテルをオープンすると決意したことをマリヤ(高橋メアリージュン)が拡散して、正(速水もこみち)、蘭(映美くらら)、羽純(朝倉あき)が仕事をホッタラカシにして集合。
みんなで傷んだホテルを修繕しいていますと、天井が破けて溜まっていた雨水がどばっと落ちてきて、脚立から純(夏菜)も落下・・・。
「イタタ〜」
で、最終回も、純(夏菜)のお得意の顔絆創膏になりました。
遊川和彦氏が”顔絆創膏”を記号として、いつも闘っていて傷を負ってるヒロインを表現したのかなぁ。
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ホテルの玄関先から美しい海を眺めながら純(夏菜)が「・・・どんなに風が吹いても、どんなに雨が降っても、たとえ嵐や洪水になっても、どんなに不幸に襲われても、苦しさに耐えて血へどを吐きはいつくばってでも生きていく。どんなに寂しくても不安でもどんなに人にバカにされても自分を見失わず明日は晴れると信じ勇気と情熱と希望を持ち続ける。このホテルと大切な仲間だけは何があっても守ってみせる。」といつもの心の声で決意表明。
『どんなに人にバカにされても自分を見失わず』という部分が、最も純(夏菜)らしいフレーズかな。
良くも悪くも、これが純(夏菜)らしさ。
人に流されない”心の芯”がしっかりしてるのは長所だけど、自己主張が強すぎたり独善的だったりする暑苦しさにも繋がる純(夏菜)の性分ですね。
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心の声での演説が続きます。
「・・・もっと賢くなりたい。我慢強くなりたい。
母のように優しくなりたい。父のように純粋になりたい。
兄のように広い心を持ちたい。弟のように自由でいたい。
姉のようにたくましくなりたい。オジイのように愛する人のために一生を捧げられるような人間になりたい。
強い者には決して屈せず弱い者にはいつでも味方できる人間になりたい。
もう下を向かない。自分の信じた事を伝える。
この世界から笑顔が無くならないように命を捧げる。」
唯我独尊、独善・独走女だった純(夏菜)が艱難辛苦を舐めつくして、人の長所を取り込みたいと考えるようになったってことかな。
先日は「オジイ、お父ちゃん、助けて。」と、素直に助けを求めるセリフも吐いていましたし、自分一人で突っ張って行くだけではない成長した純(夏菜)が描かれたのでしょうね・・。
でも、兄・正(速水もこみち)の特色って”広い心”なんだろうか??
大らかではあるけどねぇ・・・。
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海に向かっての心の演説はまだまだ続きます。
「この空や海に比べれば私達人間は本当にちっぽけな存在かもしれないけど、でも、私達は未来を変える事ができる。よりよい世界をつくる事ができる。もう神様がいても頼らない。奇跡を起こすのは、神様じゃなく、私達人間なんだから。」
いまでも進化論は信じず、神がこの世界を創造したと主張してるひとがアメリカとかにウジャウジャ居るそうだけど、純(夏菜)はそういうキリスト教原理主義の方などを敵に回したかも・・・。
冗談はさておき、要するに「政治が悪い」「社会が悪い」などと不幸の原因を他者に求め、社会変革を”人任せ”にする風潮への遊川和彦氏のアンチテーゼなんだと解釈。
他者に頼らず、自分たちで未来を変え、よりよい世界をつくるのだと遊川和彦氏氏は主張したいのじゃないかな。
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意識が戻らない愛(風間俊介)がベッドで眠り続けています。
主題歌をBGMにして純(夏菜)が「愛君。あなたが目覚めるまでに必ずここを魔法の国にしてみせる。」
そして、そっとキス。
愛(風間俊介)の指がかすかに動いたように見えましたが、ベタに《眠り姫お目覚めパターン》のオチは描かれず、いつもはタイトルバックになってる眠り姫の絵が流れはじめ、そのまま終幕。
このドラマにしては、静かな幕引きでした。
で、”男女逆”の眠り姫。
逆風を受けながら働く妻・純(夏菜)と、それを陰で支える愛(風間俊介)という”山内一豊の妻”を逆さにしたようなパターンも、遊川和彦氏が意図した《常識破り朝ドラ》のエレメンツでした。
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以上、『純と愛』全巻の終わり・・・。
大雑把には「オオサキプラザホテル」→「混乱期」→「里や」→「宮古編」という流れに整理できると思うんですが、純(夏菜)がオオサキを退職して以降の後半部分は、心を重くすることはあっても、心地よさは感じませんでした。
とくに、『里や』で次から次へと起きる客との出来事は「くどい」感じさえして苦手でした。
個人的には『オオサキプラザホテル』で物語を完結して欲しかったな・・・。
桐野(吉田羊)さん、大先社長(舘ひろし)、千香(黒木華)らのキャラに厚みが出かけたところで、出番が無くなっちゃうんだから勿体なかった。
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愛(風間俊介)についても、人の本性を読む能力をフェイドアウトさせた展開はやや得心がいかない。
亡くなった「双子の弟・純」という存在についても、その設定が充分に物語に反映されたのかどうか・・・。
純(夏菜)と弟・純が同じ名前で、結婚して姓まで同じ”待田純”が生まれたことに、もっと大きな意味づけが為されるのかと思ったんですけど、案外と「どうでもよかった」感じがしなくもありません。
とにかく、朝ドラヒロインっぽい”健気な性格”とは真逆の「熱血闘士・純(夏菜)」が成長して、少しだけ柔らかく、少しだけ静かになったのではありますが、それでも生理的に苦手でした。
意欲や心意気は買いますけど、周波数が合わなくて疲労を伴う『朝ドラ』でありました。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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◇◆◇ 大河ドラマ『八重の桜』感想 ◇◆◇
★第13回「鉄砲と花嫁」
第12回「蛤御門の戦い」 第11回「守護職を討て!」
第10回「池田屋事件」 第9回「八月の動乱」 第8回「ままならぬ思い」
第7回「将軍の首」 第6回「会津の決意」 第5回「松陰の遺言」
第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
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