『八重の桜』第12回「蛤御門の戦い」★カッコイイ西郷(吉川晃司)が「ご加勢つかまつる」
- 2013.03.25 Monday
- 12:47
- NHKドラマ・番組
藩士・来島又兵衛(関戸将志)率いる長州勢と、蛤御門を警固する林権助(風間杜夫)や覚馬(西島秀俊)ら会津勢がついに対峙。
来島「鉄砲隊、前へ!」
覚馬「御所に銃を向ける気か!」
来島「蛮族を討ち取り、帝をお守りするためじゃ!!」
とうとう御所前で火蓋が切られ市街戦となりました。
長州兵が銃弾に倒れ、覚馬は自ら銃を手に馬上の来島又兵衛を狙いをつけますと、日ハム・大谷翔平の速球どころではないスピードで敵の銃弾が飛んできて覚馬をかすめます。
敵弾が覚馬の目を傷めないかとヒヤヒヤしますが、覚馬は怯むことなく冷静に照準を定めてズドン。
見事に「命中」
来島又兵衛が馬から落ちます。
これで優位に立ったかと思いきや、御所内から黒煙。
伝令が駆けつけてきて中立売御門と下立売御門が破られ長州兵がなだれ込んでいるた旨を報告。
孝明天皇(市川染五郎)や藩主・容保(綾野剛)がピンチとなり、覚馬らは仕方なく後退してゴール前での引き気味の戦いを強いられます。
八月十八日の政変によって都を追われた長州藩は恨み骨髄で
「会津中将の首を取れ〜〜!」と勢いづいちゃっております。
−◆−
帝の取り巻きの公家たちが砲弾の音に震え上がって「言わんこっちゃ無い、長州を敵に回したらあかんのや〜。」などと泣き言。
砲弾がヒューンと飛来する音がけっこう近代的。
(サンダース軍曹が塹壕でドイツ軍の迫撃砲攻撃を耐えているときより激しいかも・・・。)
狙われてる側は、轟音で心理的に追い詰められるんですよねぇ。
自衛隊航空基地近くで、ジェット戦闘機の爆音を聞いたら子供が泣きだしたことがあったから、ああいうデッカい音の恐ろしさってのは、それだけで武器になってます。
で、公家がただちに和睦の勅を出すよう孝明天皇に具申。
病で自力歩行もおぼつかなかった容保(綾野剛)が、忠義心とアドレナリンのパワーで身体を動かして御前に参上し、公家の和睦案に異議。
公家は「そもそも長州を怒らせたのはお前やないか!」と容保(綾野剛)に責任をなすりつけてきます。
容保「臣容保、誓って主上を守護奉ります。」
忠誠心で必死の形相を見せる容保(綾野剛)は、病で顔色が悪いことが、かえって”凄み”になってます。
しかし、”へたれ公家”の一人が容保に「長州の求めに応じ、そなたが禁裏の外に出たらどうや。」と、長州に首を差し出すよう求める始末。
公家達はその線で和睦を進めたそうにしますと、孝明天皇(市川染五郎)が「待て!!」と一喝したうえで「和睦などは、思いもよらぬことや。禁裏に発砲する賊徒 退けて御所を守護せよ。」とキッパリ。
容保「はっ。」
−◆−
覚馬(西島秀俊)たちは、門内で防戦一方・・。
長州が優勢に立ち、ジャンボ鶴田を追い詰めます・・・(大阪城ホールの試合ではない!)
ついに長州兵が一斉に突撃してきて、覚馬も一瞬立ち尽くしてしまいます。
そのとき長州兵の前に砲弾着弾!!!
覚馬がふと視線を向けると、保健所の地図記号-----ではなく、丸に十字の薩摩・島津氏の家紋が入った幟旗が立ち並んでいます。
薩摩勢のなかの馬上から「薩摩藩士・西郷吉之助 御加勢つかまつる。」と、甲冑も着けていない西郷吉之助(吉川晃司)が助太刀宣言。
西郷、思いっきり美味しい場面で登場です。
風格というかオーラというか、吉川晃司の西郷、かなりカッコイイ。
「黄桜」をガブ飲みしそうな薩摩隼人!!
佐久間象山塾での豚乱入騒動を思い出した覚馬の顔が思わずほころび「あんときの・・・」(アントキノイノチではないよ)
西郷も気づいたようで「おはんは・・」
またシューンと飛んできた銃弾を余裕でよける覚馬(これなら絶対にデッドボールを食らうことが無いわ。)に、西郷が「まず、賊をば片付けもそや。」
弾が飛び交う戦場でも泰然としている西郷カッコイイ!!
−◆−
薩摩の正確な銃撃の前に長州軍は敗走しはじめます。
覚馬が薩摩の銃に目が釘付けになり「新式銃 ライフルだ 弾筋がぶれねえ。薩摩は強えぇ。」
そのとき砲弾が覚馬の近くに着弾。
ドッカン!!
何度も銃弾を避けた覚馬ですが、さすがに大砲はよけられなかった!!
林(風間杜夫)らが「さすけねえか、覚馬!」と倒れた覚馬に駆け寄っていきます。
気がついた覚馬は「さすけねえ。かすり傷です。」
右目を負傷したモノの命には別状有りません。
覚馬は武士らしく苦痛を口にしないのだけど、これが後々の失明に繋がる負傷なのかな・・・。
で、長州藩邸に向かうという西郷吉之助(吉川晃司)に「御加勢かたじけねぇ。」と感謝の言葉を口にした覚馬。
西郷は「いずれ、また。」
「いずれ」って、先々の会津と薩摩を考えると”意味深”なセリフになったかな・・・。
−◆−
重盗失敗後の侍ジャパン状態の長州・真木和泉(嶋田久作)や久坂玄瑞(須賀貴匡)らが、堺町御門横の鷹司邸で踏みとどまっています。
「塀に阻まれて攻め切れぬ」と焦燥気味の慶喜(小泉孝太郎)。
覚馬(西島秀俊)が御所に備えていた大砲を移動させてきて「塀を崩して攻め入りやしょう。」と林権助(風間杜夫)に進言します。
林「よし、やんべ。」
大砲で壁にズドン!!
崩れた部分からなだれ込む会津勢。
久坂玄瑞(須賀貴匡)は真木和泉(嶋田久作)らを逃がして、「僕が死んでも後に続く者たちがいる 時の流れは止められんぞ!!」と叫びながら戦い続けましたが、多勢に無勢。
万策尽きた久坂玄瑞は、炎の鷹司邸で自らの頸動脈に刀を当てて自刃。
その後、逃走して身を潜めていた真木和泉(嶋田久作)も発見されて自害。
嶋田久作ゆえに、なんか呪われそうな・・・。
そんなこんなで西郷吉之助(吉川晃司)と久坂玄瑞(須賀貴匡)が印象に残る『蛤御門の戦い』でした。
−◆−
会津では開戦を知った八重(綾瀬はるか)やうら(長谷川京子)達が覚馬を心配しておりました。
大砲でぶち破って長州を制したという連絡を受けた尚之助(長谷川博己)が、プロファイル的発想で「お味方が攻めあぐねているときに大砲で大穴をあけて撃ち込むなんて、いかにも覚馬さんがやりそうなことです。」と八重たちの不安を払拭。
で、その後、「武士の娘として覚悟が足りねくて 恥ずかしい。」などとして涙する八重(綾瀬はるか)の頬に尚之助(長谷川博己)が手を伸ばしかけますが、今週はそれ以上は進まず・・・。
綾瀬はるかの涙に萌える〜!!
−◆−
鷹司邸から火が広がって京は焼け野が原になってしまい、戦災孤児も・・・。
被災者が覚馬(西島秀俊)らに「会津は鬼や、はよう京から いね!!」などと罵声を浴びせます。
子供らは覚馬(西島秀俊)らに向かって石つぶて・・・。
炊き出しなどCSR活動に勤しむ人足口入れ業の元締・大垣屋清八親分(松方弘樹)が覚馬に「西洋の学問しても、家を焼かずにすむ戦のやりようはわからんもんでっしゃろか?」
約80年ほど後にはアメリカさんが日本中に焼夷弾を落として原爆までおとしたのだから、西洋の学問でも『家を焼かずにすむ戦』という命題は解けなかった。
むしろ、西洋の学問は「家や町を焼かず人間だけを殺す中性子爆弾」などというモノを考え出したのだから、人間は愚かです。
で、冷厳な現実に対して、声も無い覚馬(西島秀俊)・・・。
歴史的な事件での盛り上がりを期待して見ちゃいましいたが、灰燼に帰した京の庶民の現実をぶつけられて胸が痛みました。
(これがポスト3.11における、ドラマの一つの在りようなのかもしれないなぁ。)
−◆−
今回、薩摩藩は会津の味方をしてくれたのに、龍馬(福山雅治)らの仲介などを経て小松帯刀(瑛太)邸で薩長同盟が結ばれる日が来るんだから、この時代の政治模様は皮肉ですね。
西郷にいたっては西南戦争ですもんねぇ・・・。
薩長土肥側からの『龍馬伝』目線と、会津側からの『八重の桜』目線では、随分と角度が変わることを実感させられます。
で、俯瞰して観ると、そういう歴史的な面白さがあるし、吉川晃司、綾野剛、西島秀俊、綾瀬はるからは個々に魅力的なんですが、ドラマ全体としてはワクワクするほどの面白さにはあと一歩かなぁ・・・。
もう少し回を重ねて、主人公・八重(綾瀬はるか)が物語の中心になると趣も変わるんでしょうけどねぇ。
◇◆◇ 大河ドラマ『八重の桜』感想 ◇◆◇
★第11回「守護職を討て!」 ★第10回「池田屋事件」
第9回「八月の動乱」 第8回「ままならぬ思い」
第7回「将軍の首」 第6回「会津の決意」 第5回「松陰の遺言」
第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
★第11回「守護職を討て!」 ★第10回「池田屋事件」
第9回「八月の動乱」 第8回「ままならぬ思い」
第7回「将軍の首」 第6回「会津の決意」 第5回「松陰の遺言」
第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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