瑛太のNHK「極北ラプソディ」後編★人は死ぬのよ、どんな人でも

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    極北ラプソディ 後編
    名医の条件


    後編は、心に響くセリフや、美しいロケーションが印象に残りました。
    −◆−

    灰色の冬の海を望む海辺。
    車椅子に乗った彰吾さん(高橋昌也)と今中(瑛太)と梢(加藤あい)。

    やせ細り白髪、白髭の老人・彰吾さんが「昔はみんな家で死んだ、海でも死んだ、森でも死んだ。病院で死ぬなんてほとんどいなかった。」

    昨日も書いたけど、老いた高橋昌也さんの存在感が凄い。
    積み重なった歳月を滲ませるシャレにならないくらいの存在感!!

    後日、彰吾さん(高橋昌也)は、病院で死ぬなんてほとんどいなかったという言葉通りに家の布団の中で静かに臨終。

    極北市民病院のリストラで退院させられたのだけど、梢(加藤あい)らに見守られながら家で亡くなったのは不幸とは言えないですね。
    −◆−

    彰吾さん(高橋昌也)を見送って、色々思うところのあった今中(瑛太)が母・万里子(松坂慶子)に電話をしています。

    今中「この間言ってた目眩どう?」

    母・万里子「何でもなかった。ただの老化現象。近くの医院で診てもらったの。」

    今中「その人ヤブ医者じゃないよね?」
    母・万里子「ヤブでもいいわよ。夜中にお腹が痛くなったとき電話したらすぐ来てくれたのよ。大きな病院の先生はパソコンばっかり見て話すのに、その先生はちゃんとお腹に手を当てて診察してくれるんだから。

    本当にそうですよ。
    内科どころか、整形外科のドクターでさえ患部に触りもしないで「どうしました?」と患者に自己診断を聞くもの・・・。

    万里子を診察してくれたようなお医者さんは貴重!!

    で、母・万里子人は死ぬのよ、どんな人でも。みんな気付かないふりしてるけど。本当は一番大事なことなのにね。」

    このセリフは、心に来ました。
    当たり前のことなのに、なかなか聞かないフレーズ。
    綺麗事では無い、真理を突いた言葉。
    死は公平に誰にもやってくる。

    今中(瑛太) は、母の言葉で”気付き”があったのか、心を決めたように「東京にはまだ戻らない。まだ何もしてないんだ。もう少しここに。」と、極北市に残る旨を母親に告げました。

    この時の瑛太の表情がカッコイイ。
    やっぱり瑛太の芝居は良い。
    −◆−

    極北市民病院で診療拒否した田所(徳井優)が帰路で死亡した問題で、院長の世良(小林薫)が市議会で喚問されることに・・・。

    自動車で議会に向かう最中、考え事をしてしまった世良が運転を誤り極北市国道にて滑落による自動車事故。

    車道から飛び出して数メートル転落した様子。

    今中(瑛太)がドクターヘリで駆けつけてピックアップしましたが、視界不良で雪見救命救急センターへの着陸が出来ません。

    思案した今中(瑛太)が思いついたのは極北市民病院。

    市民病院に無事到着。
    固定具で頭部を挟まれストレッチャーで世良(小林薫)が院内へ搬送されます。

    今中「今から開腹します。僕が執刀します。」

    意識が戻った世良(小林薫)が弱々しい声で「ここは市民もそっぽを向く極北市民病院だぞ。」

    目に力強い光りを宿した今中が「院長がここで手術をすれば、これ以上ない信頼の証しになります。」

    世良「俺にここで死ねってか」
    今中「はい。人は必ず死にます。死ぬならここで死んで下さい、院長として。」

    母・万里子の言葉を引用し、生死の境にある世良に「死ぬならここで死んで下さい」と力強く声に出した今中のセリフが良い!!

    奥深さを感じさせる良い場面!!


    手術は成功して脾臓を摘出したものの世良は無事生還できました。
    −◆−

    この極北市民病院での手術のお陰で「極北市民病院世良雅志捨て身の逆転再生」との世間の声。

    回復して極北市民病院を去ることになった世良(小林薫)が今中(瑛太)に語りかけます。

    「世間にすれば俺はただ周りに軋轢しか生まない医者にしか見えないだろう。だがな俺には俺の”矜持”がある。今、最先端の医療を闘っているのは東京のど真ん中の病院じゃない。この俺だ!、ってな。」

    摩擦や逆風と向かい合いながら医療崩壊を防ぐ闘士のセリフ。

    さらに世良は「誰もがいつか死ぬという事に気付かないふりをして生きている。病院の力だけを信じて生きながらえようと。彼ら患者を甘やかし、食い物にしてきた病院、行政、市民。その全てと俺は闘い続ける。」

    世間から反感を買うから、思っていても言えないセリフ。
    票を気にする議員さんなんかは絶対に世良みたいなことは口にしない。

    議員の地位を賭けてでも闘うような政治家は居ない。
    だから、良識と志のある現場の人間が、這いつくばるようにして闘い続けるしか無いんでしょうね。


    そんな世良に今中は「この町の人たちは僕よりはるかに生きる事や死ぬ事を知っている。そういう人たちに僕はただ手を握ってあげるしかない。極北市の高齢化率44%・・・ここは20年後の東京です。ここから始めてみます。」として、彰吾さん(高橋昌也)をはじめとして『生きる事や死ぬ事を知っている極北の人々』へのリスペクトと、やがて東京をも襲う超高齢化への備えを表明・・・。


    この場面の会話、本質を含んでいてハッとさせられました。
    地味ながら凄みのある会話でした。

    −◆−

    雪を掘って桜の苗木を植える今中(瑛太)は、僕という医者を必要としてくれる場所があるならどこでも行くのだと梢(加藤あい)に話しかけ、「その時は一緒に来てほしい。同じ景色を君と見たい。君が好きだ。」と土がついた手で梢の顔を愛おしげに挟み込みます。

    「私も。」と答えた梢も土がついた手で今中の顔を愛おしげに挟み込みます。

    手を離すと、顔に土が付いていて、笑い合う二人。
    加藤あい、凄くチャーミングで可愛らしい表情するなぁ・・・。


    エンドロールになって、冬の北国の景色。
    雄大な雪山。海。
    美しい。
    −◆−

    以上、すごくはしょりましたが、NHK「極北ラプソディ」後編の感想。

    死から逃げるのでは無く、『人は必ず死にます』として死を認めて死と向き合う姿勢は目からウロコ。

    軋轢を生みながらも、闘い、舵を切る世良(小林薫)の気概も心に染みた。

    瑛太の演技と、加藤あいの彼女ならではの佇まいもヨカッタ。

    医療の在り方を問題提起し、地味ながらも良識的でピュアな佳作でした。











    ・ふるさと納税〜総務省HP

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