『八重の桜』第11回「守護職を討て!」★松重豊「我が子を見くびっていたかもしんねえ」
- 2013.03.18 Monday
- 10:35
- NHKドラマ・番組
サブタイトル、どっち目線やねん!?
−◆−
町では子供がポッペン。
白い着物で白馬に乗った佐久間象山(奥田瑛二)が漫述交じりに登場。
「そしる者は〜なんじのそしるに任す〜♪ 嗤う者は〜なんじの嗤うに任せん〜♪」
(奥田瑛二、若かった頃と違って脂が抜けて良い感じ。)
あえて目立つ格好で町中に出ていることと、他人がどう思おうと独立独歩の気概を持って信念を貫くというポリシーが滲みます。
物陰にはテロリストの陰・・・(河上彦斎、混じってた??)。
ついに姿を表した暗殺者が「松代藩士佐久間象山か 天誅だ!」
卑怯にも、いきなり背後から腰のあたりに斬りつけた暗殺者。
暗殺者「邪謀を巡らし帝を奪い去る国賊め!」
象山「ばか者!天下のためだというのが分からぬか?」「日本の命脈、我が策にあり。」
インテリの佐久間象山からすると、視野の狭い暗殺者らは思いっきりバカに見えたんでしょうね。
気の毒に、バカに殺されちゃった・・。
−◆−
覚馬(西島秀俊)に『佐久間象山 暗殺事件』の知らせが・・・。
暗殺理由を書いた「斬奸状」には朝廷に改革を説いた事。帝の彦根遷座を計った事などが断罪されていた。
暗殺者にとって佐久間象山の思想は、キリスト教の教義に反する地動説みたいなものだったんですかね。
更に後日、佐久間家が取り潰しになったと覚馬(西島秀俊)や秋月(北村有起哉)に連絡が入ります。
殺された被害者なのに、取りつぶし!!
その理由は、「後ろ傷」「傷は十数か所。その傷の多くは背中と腰にあり敵に背中を見せた証拠だと。武士として卑怯だと。」
相手が卑怯だったのに無茶苦茶な理屈。
よくぞまあ、こんな理屈を思いつくもんです。
尊攘派からにらまれることを恐れた松代藩が、リスクを避けるために佐久間家を潰して取り繕うという政治判断は「そしる者は、汝のそしるに任す。嗤う者は、汝のの嗤うに任せん」という佐久間象山の考え方とは真逆で、他藩の顔色を気にしてのさもしい弥縫策ですね。
組織とか政治ってのは・・・。
覚馬(西島秀俊)は「先生は2度殺された。1度は刺客に2度目は藩の愚かさに。会津も秋月さんを引きずり下ろした・・・。」と、たぎる怒りと無力感がない交ぜに・・・。
−◆−
佐川隊に入りたい言いだした三郎(工藤阿須加)のエピソード。
反対する父・権八(松重豊)から「ならぬものはならぬ!」と会津ルールでどやされても諦めません。
八重(綾瀬はるか)は「早ぐ手柄を立ててえ気持ちは分がるげんじょ。」と優しく声をかけますが、三郎はいつになく頑なで「分がる訳ねえ!姉上に何が分がんだ?」
三郎、思うところがありそうです。
で、あれやこれやがあって、苦心して改造に励んだ新式銃が採用にならない尚之助(長谷川博己)に対して三郎が深々と頭を下げ「すまねえなし。会津のために苦心して作られたのに上の方々はろくにご評議もしねえで。その銃が優れている事は分がっておりやす。んだげんじょ俺ではどこにも誰にも意見一つ言わんにぇい。」
物陰から八重(綾瀬はるか)が見つめています。
尚之助は「それで志願したのですか? 隊士になれば一人前の藩士だ。新式銃の事を上に願い出る事ができる。そう考えて?」と名探偵みたいに三郎(工藤阿須加)の心情を読み解きます。
スマートな口調がなんとも良い感じ。
三郎「今は俺が兄様の代わりになんなきゃなんねえ。」「若輩者が上に物を言うのに他にどんな手があんべか、無茶でもやんねえと道は開けねえ。」
禁足処分を食らった覚馬をリスペクトしての行動みたいです。
尚之助「その事を話せばお父上も手は上げなかったでしょうに。」
三郎は「父上には言えねえ。俺は見てきたから。鉄砲の家は 一段低く見られて 上に物申してもなかなか取り上げてもらわんにぇい。父上の御苦労 俺はずっと見てきたから。」と真剣なまなざしで尚之助に意図を説明しました。
「親の心子知らず」と言うけど、逆に、子供は思った以上に親の背中をよく見てる。
そして、さらにあれやこれやがあって、竈(かまど)に火をくべる三郎(工藤阿須加)に父・権八(松重豊)が声をかけてきます。
権八は三郎に「どいてろ。」と言って竈の前に行き、「儂は、にしが生まれるずっと前からこの竈に毎日火を入れてきた。何かを変えるのは たやすい事でねえ。いっぺんにはうまくいかねえ。そんでも それが正しい事なら 何度でも何度でも願い出て ちっとずつでも変えていく。ずっとそうやってきた。親を見くびんなよ。」
三郎「はい。」
権八「だげんじょ、儂も我が子を見くびっていたかもしんねえ。にしはもう立派に会津の男だ。」
本日、印象に残ったのが松重豊さんのこのセリフ。
我が家にもちょうど同じ年頃の息子が居るけど、まだまだ思春期真っ盛りの子供なので、我が子の成長ぶりを認めた権八さんが少し羨ましいなぁ。
−◆−
覚馬(西島秀俊)、大蔵(玉山鉄二)、梶原平馬(池内博之)が町人コスプレで長州の動向を偵察。
長州が、御所に居所を与えられている松平容保(綾野剛)をターゲットに襲撃計画を立てていることを探り当てます。
これでいよいよ危機感を募らせた田中土佐(佐藤B作)らが、腰の重い一橋慶喜(小泉孝太郎)を説得しに行きました。
ところが慶喜は長州討伐の決断をせず「もう一度揺さぶってみてからじゃ。」
決められない政治をしてると、民主党みたいになるぞ!!
煮え切らない慶喜は「都を二分する戦となっては困る。昨年8月会津と薩摩が手を組んで長州を追い落としたも果たしてご叡慮に沿う事であったのか・・・そのように噂する者もおるという事じゃ。」
容保(綾野剛)の手には孝明天皇(市川染五郎)からの『宸翰』があるんだから、本当は「叡慮に沿う事であったのか」などと文句を言われる筋合いではないのだ。
でも、『宸翰』は易々と見せびからすモノでもないと容保は思ってたんだろうなぁ・・・。
とにかく、ここでも一橋慶喜という政治家の振るまいがジメジメしていて鬱陶しい。
−◆−
会津の兵士は殿を守るべく、いきり立っております。
先制攻撃も辞さずという有様。
ようやく朝議が開かれることになり慶喜も御所に参内。
中川宮朝彦親王(小須田康人)が「改めて申し伝える。昨年8月の騒動以来主上のご叡慮には何にも変わるとこはない。」
まいったか慶喜!!
中川宮「かねてより長州藩士の入洛を禁じているにもかかわらず兵を率いて都に迫るのは不届き至極。退去の指示にも従わず勅命を奉ずる意のなき事はもはや明らかである。」
御簾が上げられ孝明天皇(市川染五郎)が御自ら「これを見過ごせば朝威は地に落ち都はまた闇となる。長州の軍勢速やかに掃討せよ。」
《元治元年7月18日。ついに長州討伐の勅が下った。》
以上、『八重の桜』第11話でした。
「蛤御門の戦い」に繋がる前段部分なので、インパクトのある激しい動きはなくてやや退屈でハイライトがクッキリしない感じのエピソード。
三郎(工藤阿須加)が深慮で隊に志願した顛末も、話しが美しすぎる感じが無きにしも非ず。
年間50話もあることで丁寧に描ける反面、冗長になったり細かすぎる顛末まで描かれる弊害が出たかも・・・。
『平清盛』はその際たるものでしたが、そろそろネタ切れ感のある大河ドラマは年間2本くらいにした方がベターじゃ無いのかなぁ・・・。
◇◆◇ 大河ドラマ『八重の桜』感想 ◇◆◇
★第10回「池田屋事件」 第9回「八月の動乱」 第8回「ままならぬ思い」
第7回「将軍の首」 第6回「会津の決意」 第5回「松陰の遺言」
第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
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第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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★「夜行観覧車」最終回感想>>
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◆映画「ストロベリーナイト」
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