映画「クラウド アトラス」ソンミ451(ペ・ドゥナ)が印象に残る
- 2013.03.07 Thursday
- 11:36
- 映画・DVD
トム・ハンクス主演の映画「クラウド アトラス」の試写会を観てきました。
(以下ネタバレも含めての感想・・・)
19世紀から文明崩壊後の24世紀にかかる六つの時代と場所を同時並行させて物語が進む「クラウド アトラス」
上映時間「2時間53分」の長きにわたる深淵で難解なストーリーを見終えた多くのお客さんの頭の上には「?」が浮かんでたように感じました。
昔、映画館で『2001年宇宙の旅』を観たとき、モノリスの影響を受けた猿が骨を投げたあたりで、周りのお客さんの頭の上に「?」が浮かんでたのと似た感覚・・・・。
小生も、トム・ハンクスのオチの場面は得心できるものの、物語全体を通しての「解」が見つかりませんでした。
会場を出て地下鉄の乗っても、「クラウド アトラス」のパンフを持ったお客さん同士で「あそこはああ繋がってた?」などなど、ややこしい物語を整理しようと復習にいそしんでおられました。
物語は次の6つの物語の断片が、入れ替わり立ち替わり現れます。
1892年の奴隷船の公証人・ユーイング(ジム・スタージェス)が奴隷解放に目覚める物語。 1931年のゲイの若き音楽家・フロビッシャー(ベン・ウィショー)が「クラウド アトラス 六重奏」を生み出す物語。 1973年に原発の不正を追及する女性ジャーナリスト・ルイサ(ハル・ベリー)の物語。 2012年、老人施設に囚われてしまった老編集者・キャビンディッシュ(ジム・ブロードベント)の物語。 2144年。労働専用のクローンであるソンミ451(ペ・ドゥナ)が革命に身を投じる物語。 2321年(地球崩壊後106度目の冬)、羊飼いザックリー(トム・ハンクス)とメロニム(ハル・ベリー)の物語。
細切れの断片を頭で整理するのがけっこう大変で、最初のうちは、何が何やら・・・。
で、トム・ハンクス、ハル・ベリー、ヒュー・グラント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジム・スタージェスが6つの時代でそれぞれ別の6役を演じるなど、「彗星型の痣」がある主要人物が多くの役を演じています。
特殊メイクがあって、性別さえ入れ替わっていたりするから誰が誰だか・・・。
トム・ハンクスにいたっては若きザックリーと、異星に移住した老・ザックリーを演じてるからほとんと7役状態ですが、彼の場合は声で判別できましたが、他の役者さんは判別が付かない場合がほとんど。
ただし、エンドロールで俳優名のクレジットに演じた役の写真が添えられるので、誰が誰だか分かる仕掛けになっていて「えっ、ヒュー・グラントが○○役だったの!?」「ヒューゴ・ウィービング(マトリックスのエージェント役の人)が女看護師!?」などなど、ビックリ仰天させられ、観客席から”どよめき”も起きていました。
ソンミ451役のバリバリの東洋人ペ・ドゥナが、メキシコ人女性・ティルダだったなんてのが一番の驚きだったかなぁ・・・。
思索的な物語に、ややげんなりしていた人もエンドロールは楽しめた様子。
悪徳医師(トム・ハンクス)に毒を盛られていたユーイング(ジム・スタージェス)が、奴隷の黒人に救われたことで「人間には序列がある」という古い価値観から開放される『1892年の奴隷船』の物語と、人間として扱われない韓国ネオ・ソウルの接客クローン(複製種)・ソンミ451が社会を改編するために自我に目覚める物語は、それぞれの”共通項”が一番分かり易かったように思います。
またソンミ451がらみでは、『ブレードランナー』を彷彿とさせるネオ・ソウルの未来映像や、革命軍側のチャン(ジム・スタージェス)のアクションは、スピード感のある分かり易いSF活劇の要素があるし、ジム・スタージェスの”一重まぶた”の東洋人風の奇妙なメイクが印象的。
(主演はトム・ハンクスなんだろうけども、印象に残ったのはソンミ451役のペ・ドゥナだったかな・・・。)
崩壊後の世界ではソンミ451が神として崇められていたりするのも興味深く、どことなくチャールトン・ヘストン主演の『猿の惑星』(1968年)と同じ終末感も・・・・。
1970年代の原発を巡る陰謀と、崩壊後の24世紀の世界は緩やかに繋がってる??
原発が人類の害であり、また原発事故を起こして利権を得ようとする人間そのものが人類の害となるものの象徴??
「答え」が見つからない・・・。
若き音楽家で同性愛者のフロビッシャーが拳銃自殺するパートも、単体として観ると哲学的な映画なんだけど、この物語全体での役割は「クラウド アトラス 六重奏」という曲以外に何をどう解釈して良いのか「答え」が見つからない・・・。
同性愛に対する古い価値観と、奴隷制度やクローンに対する人間の価値観が共通項なんだろうか?
同性愛者であるフロビッシャーとシックススミスの「愛の形」と、クローンであるソンミ451と純粋種・チャンの間に生まれた「愛の形」など、既成概念の枠を越えた「愛の形」が答えの一つなんだろうか・・・。
老人施設で虐待されていた老編集者・キャビンディッシュが仲間の老人と作戦を立てて脱走するパートはシンプルに面白い。
キャビンディッシュが担当した『顔面パンチ』という本の作者・ダーモット(トム・ハンクス)が、悪評を書き連ねた書評家をビルから突き落とす無茶苦茶ぶりだとかも面白い。
でも、やっぱりこの物語全体での役割がつかめない。
虐げられた老人達の人権問題が、奴隷制度やクローンと繋がってる??
老人施設での騒動が『キャベンディッシュの大災難』という映画になって、近未来のソンミ451がチャンとともに鑑賞したりするのだけど、どうしても「答え」が見えてこない。
結論としては1回観ただけでは掴みきれない映画だって感じ・・・。
図書館に予約を入れている原作小説を読んだら、もう少し理解できるか、あるいは逆に挫折するか・・・。
とにかく、上映時間「2時間53分」の手強い映画は「万人受け」する感じではなさそうな気がしました。
(以下ネタバレも含めての感想・・・)
19世紀から文明崩壊後の24世紀にかかる六つの時代と場所を同時並行させて物語が進む「クラウド アトラス」
上映時間「2時間53分」の長きにわたる深淵で難解なストーリーを見終えた多くのお客さんの頭の上には「?」が浮かんでたように感じました。
昔、映画館で『2001年宇宙の旅』を観たとき、モノリスの影響を受けた猿が骨を投げたあたりで、周りのお客さんの頭の上に「?」が浮かんでたのと似た感覚・・・・。
小生も、トム・ハンクスのオチの場面は得心できるものの、物語全体を通しての「解」が見つかりませんでした。
会場を出て地下鉄の乗っても、「クラウド アトラス」のパンフを持ったお客さん同士で「あそこはああ繋がってた?」などなど、ややこしい物語を整理しようと復習にいそしんでおられました。
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物語は次の6つの物語の断片が、入れ替わり立ち替わり現れます。
細切れの断片を頭で整理するのがけっこう大変で、最初のうちは、何が何やら・・・。
で、トム・ハンクス、ハル・ベリー、ヒュー・グラント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジム・スタージェスが6つの時代でそれぞれ別の6役を演じるなど、「彗星型の痣」がある主要人物が多くの役を演じています。
特殊メイクがあって、性別さえ入れ替わっていたりするから誰が誰だか・・・。
トム・ハンクスにいたっては若きザックリーと、異星に移住した老・ザックリーを演じてるからほとんと7役状態ですが、彼の場合は声で判別できましたが、他の役者さんは判別が付かない場合がほとんど。
ただし、エンドロールで俳優名のクレジットに演じた役の写真が添えられるので、誰が誰だか分かる仕掛けになっていて「えっ、ヒュー・グラントが○○役だったの!?」「ヒューゴ・ウィービング(マトリックスのエージェント役の人)が女看護師!?」などなど、ビックリ仰天させられ、観客席から”どよめき”も起きていました。
ソンミ451役のバリバリの東洋人ペ・ドゥナが、メキシコ人女性・ティルダだったなんてのが一番の驚きだったかなぁ・・・。
思索的な物語に、ややげんなりしていた人もエンドロールは楽しめた様子。
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悪徳医師(トム・ハンクス)に毒を盛られていたユーイング(ジム・スタージェス)が、奴隷の黒人に救われたことで「人間には序列がある」という古い価値観から開放される『1892年の奴隷船』の物語と、人間として扱われない韓国ネオ・ソウルの接客クローン(複製種)・ソンミ451が社会を改編するために自我に目覚める物語は、それぞれの”共通項”が一番分かり易かったように思います。
またソンミ451がらみでは、『ブレードランナー』を彷彿とさせるネオ・ソウルの未来映像や、革命軍側のチャン(ジム・スタージェス)のアクションは、スピード感のある分かり易いSF活劇の要素があるし、ジム・スタージェスの”一重まぶた”の東洋人風の奇妙なメイクが印象的。
(主演はトム・ハンクスなんだろうけども、印象に残ったのはソンミ451役のペ・ドゥナだったかな・・・。)
崩壊後の世界ではソンミ451が神として崇められていたりするのも興味深く、どことなくチャールトン・ヘストン主演の『猿の惑星』(1968年)と同じ終末感も・・・・。
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1970年代の原発を巡る陰謀と、崩壊後の24世紀の世界は緩やかに繋がってる??
原発が人類の害であり、また原発事故を起こして利権を得ようとする人間そのものが人類の害となるものの象徴??
「答え」が見つからない・・・。
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若き音楽家で同性愛者のフロビッシャーが拳銃自殺するパートも、単体として観ると哲学的な映画なんだけど、この物語全体での役割は「クラウド アトラス 六重奏」という曲以外に何をどう解釈して良いのか「答え」が見つからない・・・。
同性愛に対する古い価値観と、奴隷制度やクローンに対する人間の価値観が共通項なんだろうか?
同性愛者であるフロビッシャーとシックススミスの「愛の形」と、クローンであるソンミ451と純粋種・チャンの間に生まれた「愛の形」など、既成概念の枠を越えた「愛の形」が答えの一つなんだろうか・・・。
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でも、やっぱりこの物語全体での役割がつかめない。
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