『八重の桜』第9回「八月の動乱」★容保(綾野剛)、宸翰・御製に感涙
- 2013.03.04 Monday
- 13:21
- NHKドラマ・番組
秋月悌次郎(北村有起哉)のもとを訪ねた覚馬(西島秀俊)が洋学所設置を語ったうえで「誰もが学び、世界を見る目を養ってこそ、10年後、100年後、この国はもっとよくなる。」
日本を発展させたい前向きな心意気が伝わってきます。
『教育は国家百年の計』であります。
長期的視野と国家像を抱いて人々のために力を尽くそうとする覚馬(西島秀俊)さんの意気込みが素敵です。
あと、西島秀俊の伸びやかでキレの良い”発声”が気持ちいい。
−◆−
二人が会話を交わしていると、薩摩藩士・高崎佐太郎(正風=浜谷康幸)が半ば強引に部屋に入ってきました。
一瞬緊張が走り、刀に手がかかる。
しかし高崎が刀を置いて平伏し「それがし、密命を帯びて参りました。」
ナレ<それが八月の政変のはじまりだった。>
のちの会津の運命を左右する分岐点の一つかな・・・。
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容保の義姉・照姫(稲森いずみ)が江戸から会津に帰ってくる・・・。
山本家でも、八重(綾瀬はるか)や母・佐久(風吹ジュン)、時尾(貫地谷しほり)らがその話題で盛り上がっております。
照姫について時尾が「歌も、お茶も、書も、何でも良くお出来になる。」
眉目秀麗の照姫(稲森いずみ)は、会津女性にとって特別の存在で、あこがれの的・・・スーパースターなんですねぇ。
”新じゃが”みたいな素朴顔のユキ(剛力彩芽)が、必ずしも教養が高く無さそうな口調で「うわっ、かぐや姫みてぇ。」
カツラが似合わないけど、古書店の美人店主役よりは、まだ似合ってるか・・・。
照姫(稲森いずみ)が会津に帰ってくれば、城に奉公に上がる者もいるかもしれないと母・佐久(風吹ジュン)がニッコリ。
すると、94歳まで長生きするユキ(剛力)が「わたす、ご奉公に上がる!!」と、ヤマサキパンかau 4G スマホを売りつけるような勢いで元気いっぱい手を上げます。
教養は高いけど人見知りで美人の古書店主役よりは、このレベルの役柄の方がまだ似合ってるか・・・。(一人浮いてるけど)
八重(綾瀬はるか)は照姫への憧れを滲ませながらも「わたすはご奉公には上がんねぇ。兄様がお留守の間、角場を守んねばならねぇ。」
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秋月(北村有起哉)と覚馬(西島秀俊)が、容保(綾野剛)の御前で薩摩からの密命を報告。
秋月は薩摩藩士・高崎が、帝の大和行幸(神武天皇陵・春日大社→伊勢神宮)は、長州藩の謀だとして「行幸は帝の御本意ではなく、畏れ多い事ながら三条実美らがご叡慮を歪めて決した事にござる。帝にはご心痛のあまり夜もお休みになれぬと承る。それというのもこれは只の攘夷祈願ではござらぬ故、帝は大和から関東へ向かわれるものと思われる。御所にお戻りになれぬよう、都に火を放つという噂もござる。」と話していたことを説明し、箱根での倒幕の挙兵が長州の狙いだろうと述べました。
容保「幕府を討つだと。主上はそのようなことはお望みでは無いぞ。」
秋月「このうえは、兵力をもって”君側の奸”を一掃するほかこぜえませぬ。」と軍事行動やむなしであると具申。
(北村有起哉は、やっぱり『トッカン』なんかより、こういう役が良い。)
「言路洞開」という聞き慣れない熟語に続いて、今回は「君側の奸」
君主の側で君主を思うままに動かして操り、悪政を行わせるような家臣のことなんだそうな。
横山主税(国広富之)や田中土佐(佐藤B作)はすぐには納得しませんが、容保は最近の三条実美の言動などに思いを馳せた上で「長州を除く勅旨を得るのじゃ。」と指示を出します。
横山「一つ間違えば、会津が朝敵となりますぞ。」
しかし容保は「会津は都を守るのがお役目。この暴挙、見過ごしに出来ぬ。」とキッパリ。
長州の統幕計画は、徳川宗家を守るという会津の家訓に反しますし、敬愛する孝明天皇(市川染五郎)が頭を痛め夜も休めぬ有様とあっては、松平容保(綾野剛)は傍観していられないのでしょう。
容保「覚馬。鉄砲隊の働き、頼りにしておるぞ。」
田中土佐(佐藤B作)にも、国元に戻そうとした兵隊を急遽京都に呼び戻すことなど矢継ぎ早に軍事戦略の指示を下す松平容保(綾野剛)・・・揺るがぬ決意が滲みます。
女性関係が奔放な諒(綾野剛)とは別人のようです・・・別人です。
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中川宮朝彦親王(のちの久邇宮=小須田康人)を通じて、勅旨を得る算段を整えた秋月(北村有起哉)と覚馬(西島秀俊)。
中川宮は、勅旨が下り次第 全軍を率いて参内するよう指図。
盛り上がって参りました。
今か今かと勅旨を待つ会津勢。
神保修理(斎藤工)が帰ってきて、孝明天皇が長州排除の決断を下し参内の指示が出た旨を容保(綾野剛)に報告。
容保が「全軍に伝えよ。気取られぬよう粛々と御所に向かえ。」とシブく命を下します。
そして8月18日深夜零時、黒谷の本陣を出た会津軍は闇に包まれた都を御所に向かいます。
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御所に到着して宜秋門、乾御門など御所九門を固めた会津・薩摩・淀藩兵。
蛤御門からは、お馴染みの装束を羽織った壬生浪士が入場。
「三つ葉葵」や「會」の旗印の幟の中に、「誠」の幟が立ちました。
朝議が執り行われ、長州藩は堺町御門の警備を免ぜられ、三条実美(篠井英介)らは参内を禁じられる勅が下りました。
夜が明けてから異変に気づいた長州藩は、覚馬(西島秀俊)が砲術隊で固める堺町御門に押し寄せます。
覚馬「早々に退散せよ!!」
久坂玄瑞(須賀貴匡)は「ここは我が藩の持ち場じゃ、どけ!!!」と会津勢に叫び返します。
−◆−
攘夷派が会議。
久坂玄瑞は「一戦を交えてでも潔白を訴えるべきだ」と強く主張しますが、ヘタレっぽいお公家さん・三条実美(篠井英介)は「勅旨に逆らっては朝敵になる」と尻込み。
真木和泉(嶋田久作)「してやられたわ。」
”偽勅”やら陰で蠢いていた不気味顔の真木も、今回は負けを認めたって感じかな。
−◆−
孝明天皇(市川染五郎)の御前では、公家がなかなか退却しない長州藩にビビっております。
しかし容保(綾野剛)は動じること無く「精鋭二千の会津が守護奉る上は、一兵たりとも門内には入れませぬ。」と言い切って見せます。
綾野剛、シブい!!
ああだこうだ言ってる公家らに孝明天皇は
「会津に任せよ。」とキッパリ。
そして容保に「御所を守れ。頼むぞ中将」
容保「はっ!」
天皇からここまで信頼の言葉をかけられたら、容保は花形満と対戦する星飛雄馬みたいに燃えるわなぁ。
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会津・薩摩同盟と長州の睨み合いは夕方まで続いた。
飲まず食わずの立ちっぱなしやろか??
休憩とか交代とか無さそうやもんなぁ・・・。
旧暦の文久3年8月18日というと、現代ならだいたい1学期が終わった頃だろうから、甲冑をまとっての睨み合いはクソ暑かったろうなぁ。
で、久坂玄瑞のもとに伝令がやって来て二言三言・・・。
久坂が「退け!!!」と撤退命令を発します。
悔しかったろうなぁ・・・。
−◆−
勝利に沸く会津勢のもとに赤い陣羽織を羽織った松平容保(綾野剛)が現れ「皆、よくやった!」と藩士を労います。
勝ち鬨「えいえいおー!!」
三条実美らは都落ち(七卿落ち)。
(前作『平清盛』の平家の都落ちから、まだ3ヶ月ほどだけど、陰気大河『平清盛』からかなり月日が経った気がしちゃうなぁ・・・。)
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孝明天皇から容保(綾野剛)に宸翰(しんかん)が贈られました。
八月十八日の政変にかかる直筆の感謝状です。
小ぶりの玉手箱みたいな漆箱に入った宸翰に、恭しくひれ伏す容保と家臣団。
身体をたたんで頭を床に擦りつけんばかりの容保(綾野剛)の所作が綺麗!!!
手のひらの角度や肘の張り方とか、流れるように身体を伏せる様とかがシャープ!!!
絵面が良い!!
横山主税(国広富之)が宸翰と御製(天皇が詠んだ歌)を披露。
「堂上以下、暴論をつらね、不正の処置増長につき、痛心堪え難く、内命を下せしところ、速やかに領掌し、憂患をはらってくれ、朕の存念貫徹の段、全くその方の忠誠、深く感悦の余り、右一箱これを遣わすものなり。」
御製「たやすからざる世に 武士の忠誠の心を よろこびてよめる。」「和らくも たけき心も相生の まつの落葉の あらず栄へん。」
御製を聞く家臣団から感激のすすり泣きが・・・。
容保(綾野剛)も尋常ならざる顔つきで「会津の忠心が、主上の御心に届いたぞ。」と嗚咽を漏らしそう。
打算抜きの武士の美意識・美学が、最高に報われた瞬間だったんだろうなぁ・・・。
この場面、好きやなぁ・・・。
で、松平容保(綾野剛)は宸翰をひけらかすこともなく、後々まで大切に・・・。
錦の御旗として使えるのに・・・。
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御所での働きが認められ、会津藩から武家伝奏を通じて壬生浪士に新たな隊名を名乗るように伝令が届いた。
小渕官房長官が新元号「平成」を発表したときのように、「新選組」とかかれた紙を土方歳三(村上淳)が掲げます。
これで新撰組は余計に気合いが入っちゃった。
スイッチ入れちゃった。
やる気満々。(殺るき満々?)
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照姫(稲森いずみ)が視察予定の薙刀の稽古場に、謹慎中の西郷頼母の妻・千恵(宮崎美子54歳)がやってきました。
他のメンバーは眉をひそめ、頼母の身内も公の場での行動は遠慮するようクレームをつけます。
千恵は「夫は天地に恥じることは何一つ無いと申しておりやす。」などと主張して一歩も退きません。
山川艶(秋吉久美子58歳) さんが「今日の所は引いてくれませぬか。」と仲裁に入りますが、千恵は譲ることなく薙刀を振るい始めます。
秋吉久美子は、未だに妖しいムードを漂わせてるから、恐るべしです。
西郷頼母の思いを知る八重が「頼母様は、誠に会津のことを思っておいでです。」と年長者の間に割って入りました。
そんなこんなで更に一揉めしそうなタイミングで照姫(稲森いずみ)ががやって来たので、とりあえず稽古再開。
そして「都は今、容易ならざる有様です。国元の私たちが心を1つにすることが、殿様はじめ都の方々をどれほど力づけることでしょう。会津を思い、殿を思い、おのが家を思う気持ちが同じならば、たとえいさかいがあってもそれは一時のこと。みな会津の女子なのですから。 優しく、勇ましく、ありましょうぞ。」と照姫。
八重は”一目惚れ”した様子で見入ってます。
照姫(稲森いずみ)の佇まいに説得力があるわ!!
小異を捨てて会津を一義とする武家の女子の在り方を語ったこの言葉は、後の籠城戦にもつながるのかな・・・。
で、照姫(稲森いずみ)が八重(綾瀬はるか)に目とめた様子だったものだから、照姫の右筆(ゆうひつ・書記)候補の筆頭だと周囲から噂されることに・・・。
−◆−
「人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしか。 」
八重(綾瀬はるか)、時尾(貫地谷しほり)、ユキ(剛力)が尚之助(長谷川博己)から論語を習ってます。
個性的な顔立ちのユキ(剛力)は”学力が残念なタイプ”のようでテキトーに流していますが、右筆に選ばれたときのことを考えてる八重(綾瀬はるか)は必死のパッチでお勉強。
尚之助(長谷川博己)が区切りをつけようとしても、八重は「もうちっとお願いしやす。」「漢書の読み書きができねぇと、お役に立てねぇかもしれねぇから。」
すっかりその気!?
ユキ(剛力)が「寂しくなるなぁ、八重ねえさまがお城に上がってしまったら。」と言いながら、終電の酔っ払いオジサンのように八重の左肩にもたれかかっちゃいます。
こののち、八重は生涯にわたって左肩に違和感を覚え、時に悪霊が憑いたような悪寒におそわれることになる・・・なんてことはない。
「反ゴリ押し」の冗談はさておき、八重は尚之助(長谷川博己)に「やっぱりもうちっとだけ教えてくなんしょ。」と食らいつきます。
毎度の事ながら、綾瀬はるかの方言に萌える〜〜〜。
声も可愛い〜〜。
−◆−
八重(綾瀬はるか)が城に上がるという噂を信じ切ってる父・権八(松重豊)もすっかりその気になって、ソワソワと使者を待つ有様・・・。
ところが、実際に右筆に選ばれたのは無難女子・時尾(貫地谷しほり)。
紋付きを着て使者を待ってた権八(松重豊)さん、顔がフリーズしてガックリ・・・。
庭の桜が散ってます・・・。
−◆−
両親らの前では暗い顔を見せなかった八重(綾瀬はるか)でしたが、仄暗い角場で一人黄昏れちゃってます。
そこにやって来た尚之助(長谷川博己)に八重は「私、またお父上様たちをガッカリさせちまった。うぬぼれていました。私ならぇ照姫様のお役に立てると。んだけんじょ、よぐ考えてみたら時尾さんみてぇに慎ましくて気が利いて、優しいおなごでなければお城では務まらねぇ。わたしは相応しくなかった・・・。」と元気の無い声・・・。
テンションだだ下がりの八重に「勝手ながら私は少しホッとしています。」と尚之助。
八重は「え?」と怪訝そう・・。
尚之助は八重に目を合わさずに宙を見つめながら「八重さんが城に上がってしまったら、ここで一緒に銃を作ってくれる人が居なくなる。新式銃を作るには、八重さんの助けがいります。私一人の力ではどうにもなりません。」
ようやく八重に顔を向けた尚之助が「八重さんの代わりはいない。これは あなたにしか出来ぬ仕事です。」
尚之助にじっと見つめられて目を逸らした八重は「ごめんなんしょ。忘れるどころでした。兄様がお留守の間、家と角場は守ると約束したのに。」
尚之助が優しく微笑みながら「そうですよ。」
八重「んだけんじょ・・・。代わりはいねえなんて、そっだこと言われっと、私うれしぐて。」
頬に涙を流しながら、笑みも浮かべて「ありがてえなし。」と八重(綾瀬はるか)がぺこり。
庭では月光に照らされた桜の花びらがハラハラと降ってます。
綾瀬はるかの表情が堪らん!!
癒やし系の方言も堪らん〜〜!!
優しく見つめる長谷川博己も良い感じやぁ・・・。
−◆−
以上『八重の桜』第9話。
幕末の政局で、寝技・裏技に走らず真っ直ぐな会津の運命や如何に・・・。(って、歴史に残っちゃってるから運命分かってるけど。)
綾野剛、綾瀬はるか、西島秀俊、長谷川博己、稲森いずみらが醸し出す雰囲気に惚れ惚れ・・・。
『最高の離婚』『まほろ駅前番外地』『書店員ミチルの身の上話』などもそうですけど、役者のクオリティが高いドラマに没入しちゃいます。
ただ、気楽でサクサクした『信長のシェフ』と、真面目な造りの『八重の桜』のどっちが単純に面白いかを考えると、判定しづらいところもあります。
◇◆◇ 大河ドラマ『八重の桜』感想 ◇◆◇
第8回「ままならぬ思い」
第7回「将軍の首」 第6回「会津の決意」 第5回「松陰の遺言」
第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
第8回「ままならぬ思い」
第7回「将軍の首」 第6回「会津の決意」 第5回「松陰の遺言」
第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
★仮面ライダーウィザード第26話感想 >>
★最高の離婚 第9話 感想>>
★「書店員ミチルの身の上話」第9話感想>>
★「ビブリア古書堂の事件手帖」第8話 >>
◆映画「ストロベリーナイト」
★仮面ライダーウィザード第26話感想 >>
★最高の離婚 第9話 感想>>
★「書店員ミチルの身の上話」第9話感想>>
★「ビブリア古書堂の事件手帖」第8話 >>
◆映画「ストロベリーナイト」
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