『八重の桜』第4回「妖霊星」★安政5年 ドナティ彗星
- 2013.01.28 Monday
- 12:14
- NHKドラマ・番組
妖霊星って、半村良の『妖星伝』みたいな響きがあって、なんとなくワクワクさせられます。
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会津藩の重臣が揃って御前会議。
西郷頼母(西田敏行)が闖入してきて「殿!ご無礼の段、ご容赦下されますよう。申し上げまする。通商条約調印の件、不首尾となればメリケンと一戦交える仕儀となるやに聞き及びまする。かがる折に”山本覚馬”が兵制改革を献策したるは、武人として正しき振る舞い。禁足など一刻も早ぐお解きになられますようお願い申し上げまする。」と松平容保(綾野剛)に訴えます。
家老が頼母を制止しますと容保が語気強く「構わぬ!続けよ。」
この、頼母(西田敏行)の松平容保(綾野剛)への働きかけが功を奏して覚馬(西島秀俊)の禁足解除。
西洋砲術指南役、蘭学所教授に復職したうえに、度軍事取調役と大砲頭取に抜擢ことが内定(^_^)v。
前回、覚馬の献策を却下した家老・簗瀬三左衛門(山野史人)や萱野権兵衛(柳沢慎吾)は顔に泥を塗られた感じで、少なくともイイ気はしてないだろうなぁ。
で、禁足解除の件で感謝を伝えに行った覚馬に頼母は「だから忠告したでねえか、あれほど。口が過ぎっと敵を作んぞと。」
簗瀬や萱野なんかを念頭に置いてるのかな??
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頼母は英・仏が清国を攻めた事に言及し「いつ我が方に飛び火すっか分がんね。戦となれば、ご公儀の藩屏たる我ら会津は 先陣を切る事になんべ。」「万が一の場合に備えておかねばなんねえ。洋式調練の指南くれぐれもよろしく頼むぞ。」
国際情勢を視野に入れて「異国相手の国土防衛」に思いを致す頼母・・・まさか会津戦争のような「内戦」は想像もしてなかったかな・・・。
かねてより覚馬が蘭学助教授に迎えたいとしていた古川春英(小市慢太郎)が帰藩を許され、川崎尚之助(長谷川博己)の教授方就任もお許しが出たことも知らされ覚馬は「ありがたき幸せに存じます。」と頼母に重ねて感謝。
頼母は覚馬と古川に「もはや古き良きものを守るだけでは立ち行かねえ。変えるべきは変えていがねえと。」「両名とも力尽くせ。」
西田敏行、良い感じ!!
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林権助(風間杜夫)の縁談で、覚馬と”うら”(USSエンタープライズの通信士官ではない)が祝言。
林によると、うら(長谷川京子)という女性は「西向いてろって言われれば一年でも西向いてるようなおなご」なのだそうな。
祝言の際、庭から中に入ってこない尚之助(長谷川博己)に八重(綾瀬はるか)が「中でご一緒されてはいかがです?」
尚之助「遠慮しときます。居候の身ですから。」
恐縮しきりの八重は「申し訳ねえなし。仕官の件だけは、なじょしても叶わねえと。尚之助様は会津のために働いでくれでんのに。」
尚之助「身分や立場などどうでもよいのです。」
そうは言うものの、仕官が叶わず会津藩士では無いまま尚之助は戊辰戦争を迎えることになる。
尚之助が会津藩士となっていたら、八重の運命にも違っていたかもしれないかも・・・。
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勝麟太郎(生瀬勝久)と薩摩藩主・島津斉彬(林与一)が会談。
日米修好通商条約について勝は「幕府は調印と腹をくくったようなれど、朝廷のお許しが下りぬようにございます。」
これが、後に国内の混乱を呼ぶ。
斉彬「おぬしは開国の事をどう考えておる?」
勝「国を開き進んで交易を行ってこそ、異国と互角につきあえるものと存じまする。」
そうか、勝麟太郎はTPP賛成かぁ・・・。
徳川の世継ぎ問題に関しては「どなたがお世継ぎとなられても 天下の事は公明正大、公然と議せられるべきと存じます。筋の通った政が行われない国は、異国からあなどられまする。」と勝(生瀬勝久)。
筋の通った政が行われない国は、異国からあなどられまする・・・って、思いっきり「前の民主党政権」への嫌味か!?
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安政5年4月。井伊直弼が大老に就任。
ほぼ同時期にダーウィンとウォレスの自然選択説が公表されてる。(関係ないけど)
幕府は日米修好通商条約を締結して、江戸湾では祝砲。
徳川斉昭(伊吹吾郎)が井伊(榎木孝明)に怒鳴り込みをかけ「勅許を得ずに条約を結ぶとは何事か! 帝に対し不埒千万。」と、懐から印籠を・・出さない。
水戸藩つながりで顔は似てるけど、”格さん”ではない。
井伊「恐れ入り奉ります」
斉昭「このこと、上様はご存じか? そなたの独断ではあるまいな?」
井伊「恐れ入りましてござります。」
井伊直弼は、口調は丁寧でへりくだっては居るものの、言葉には何の意味も無い。
慇懃無礼も甚だしい!!
斉昭を腹の中では100%無視してる感じ。
斉昭は怒りを隠せず、将軍・家定と謁見すると言いますが、井伊は「おそれながら上様には 本日はご不快にてお目通りは叶いませぬ。」
井伊、感じ悪っ!!
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翌日、御三家の舟木一夫、橋幸夫、西郷輝彦・・(古い!)・・ではなくて、斉昭(伊吹吾郎)、現水戸藩主・慶篤(杉浦太陽・コスモス)、尾張藩主・慶恕(金子賢)が登城して井伊直弼との談判を求めます。
斉昭は「彦根の赤鬼(井伊)め、腹を切らせてくれる!」と息巻いております。
井伊は家臣に「しばしお待ち頂け。」と指示して、わざと待ちぼうけを食らわせてから斉昭たちが待つ部屋に赴き「御用繁多のため失礼つかまつりました。」
井伊、いかにも政治家タイプ!!
斉昭が「勅許を得ずに夷狄と条約を結ぶとは見過ごしにはできぬ。」と本題を切り出します。
井伊が淡々とした口調で「清国を打ち破ったイギリスフランスの艦隊が攻め込んでくるとの知らせがありアメリカとの和平を急ぐ事となりました。」
斉昭「”違勅調印”の件、お手前が早急に都に上り帝におわび申し上げよ。」
すると井伊は「まことに仰せのとおりにござります。左様致しまする。」と、斉昭の言葉を丸呑み。
慶篤が世継ぎの件で「朝廷からのご沙汰はあったのか?」
井伊「全て整ってござる。」
慶恕「朝廷は一橋殿の擁立を望んでおられると承る。ご叡慮と行き違いがあっては、おそれれ多いと存ずるが。」
井伊「全て整ってござる。」
何を言っても「全て整ってござる。」
まるで三田が「承知しました」を連発するような感じ。
どう整ってるのかは言わないし・・・。
ところが、井伊は話しの方向を切り替え「ところで本日は御三家のご登城日ではござりませぬぞ。押しかけ登城は御法度である事よもやお忘れではござりますまい。」と、じわり反抗開始。
斉昭、舌打ちしてから「無論じゃ。」
井伊「左様なれば結構。重いご処分覚悟でご登城された割にはさしたるお話でもござりませんでしたな。」
思いっきり御三家に喧嘩売りよった!!
嫌味なヤツやなぁ・・・。
安政の大獄の引き金を引いた井伊・・・。
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翌日、「徳川慶福」を将軍の後継者に定める事が発表された。
その後、徳川斉昭に謹慎、松平春嶽(村上弘明)に隠居謹慎、一橋慶喜(小泉孝太郎)に登城停止の処分が下り、一橋派は政治の表舞台から消えていった・・・。
松平容保(綾野剛)と井伊直弼(榎木孝明)が茶の湯。
井伊「物事の筋目は通さねばなりませぬ。ご家門であろうと法に背けば処分も受ける。その秩序が国を治めるのです。」
言うてることは間違ってないけど、法の運用手法が危ない・・・。
セクシーな雰囲気を漂わす容保(綾野剛)は、親戚のよしみで「厳しく出れば敵を作るばかり。勅許を受けず条約に調印した事不敬と難じる者もいる折にございます。」と意見します。
しかし井伊は「そもそも鎖国などは幕府が定めた祖法にござる。天下の政は幕府が執り行うものと朝廷よりご一任頂いておるのです。臨機応変の判断を誤り国を滅ぼしては、かえって不忠となり申す。無断調印の咎めは我が身一心に背負えば済む事。」と、とりあいません。
そして『宗観院殿柳暁覚翁大居士』という戒名を披露したうえで「命を捨てる覚悟なくては国事には当たれませぬ。」
前の政権では菅首相や野田首相が「政治生命を懸ける」というフレーズをしばしば用いていたけど、本当の意味での「命がけ」ではないから気楽である。
で、夜空には彗星・・・。
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京よりの急ぎの書状が井伊に届きました。
水戸藩に幕政の先頭に立てとの朝廷からの勅書が下ったことや、井伊暗殺計画があることが記されていました。
宇津木六之丞(羽生昭彦)がムカついて「おのれ奸臣めら!もはや捨ててはおけぬ。」
井伊「これは謀反じゃ。幕政を揺るがす者どもは根から断ち切ってくれる!」
朝廷側からしたら井伊の無断調印なんてのは「謀反」なんだろうなぁ・・・。
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会津の山本家。
「あれ見らんしょ! 妖霊星だし。」と、19世紀最大級の輝度を誇る”ドナティ彗星”を見上げる八重(綾瀬はるか)。
覚馬「鎌倉幕府が滅んだ時も妖霊星が現れたと聞くが・・」
八重「何かの前触れだべか?」
方言萌え!!
尚之助(長谷川博己)は一人冷静に「妖霊星なんてただの迷信ですよ。天体の働きの一つにすぎません。」
カシコか!
覚馬「江戸はコロリ騒ぎの最中だ。あの星が余計に不安をあおらねえといいが。」
安政元年に『安政東海地震』『安政南海地震』、同2年には『安政江戸地震』が起きたりしてるし、『黒船』も合わせて不吉な出来事が続いてるから不安にもなる。
2013年はパンスターズ彗星とアイソン彗星が・・・不吉なの!?
<6月長崎ではやり始めたコレラは瞬く間に広まって大勢の死者を出し、薩摩藩主・島津斉彬の命も奪った。>
島津斉彬が死んでなかったら、『安政の大獄』を巡る政局も違っていたかも・・・。
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吉田寅次郎(小栗旬)が萩から江戸に移送され、評定所で取り調べを受けることになった・・・。
来週は小栗旬の見せ場だ!
ナレーション<「安政の大獄」はこの後大量の受刑者を出し、それはやがて大きな厄災となって会津に降りかかる事となる。>
こんな感じの『八重の桜』第4回。
嫁・うら(長谷川京子)の控え目な性格を描いた部分や『女今川』だとかは、まだ意味がよく分かりませんでしたし、少し退屈だったかも・・・。
やがて八重の生き方に影響を及ぼし、新島襄との物語に繋がるの??
今回は、ひたすら井伊直弼(榎木孝明)だったかな・・・。
やっぱり「50回」もあると”薄い回”も出来ちゃう?
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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