ストロベリーナイト アフター・ザ・インビジブルレイン★菊田、墓参り シブい
- 2013.01.27 Sunday
- 12:41
- フジTV系ドラマ、番組
『東京』
高等学校で起こった女子高生転落事件。
自殺とも他殺とも事故ともいえない状況・・・。
そして、捜査開始後、屋上で柵を越え自殺を図る多田美代子(大野いと)。
イジメ被害者だった美代子(大野いと)が、頭を踏みつけていた栗原知世を振りのけようとして勢いで栗原知世が柵を越えて転落死したのだった・・・。
菊田(西島秀俊)の師匠格の刑事・木暮(國村隼)が、飛び降りようとする美代子(大野いと)を説得します。
「その若さで死のうなんてふざけんなよ! 世の中にはな、生きたくたって生きられない人間だっているんだ!」「医者に言われちまった”末期ガン”だって。参ったよホント。上司の顔も出来の悪い相棒の顔も女房の顔も何にも見分けつかなくなって死んじまうんだそうだ。」
ありがちな話しではありますが、國村隼さんを木暮役に充ててるのが功を奏していてジワッときます。
役者力!!
−◆−
このエピソードを挟み込むように冒頭と最終盤に木暮の妻・景子(キムラ緑子)と菊田(西島秀俊)が癌で亡くなった木暮(國村隼)の墓参りをするシーンが描かれていて、一番最初に黒衣の美代子(大野いと)と菊田がすれ違うんです。
これが、後から思い返される仕組みになっていて、ジワリと後味・・・。
大人味。
國村隼、キムラ緑子、大野いとを配した渋いキャスティングが光りました。
『サイレントマ―ダー/沈黙怨嗟』
葉山(小出恵介)のエピソード。
将棋を指していた元・厚生省事務次官・谷川(竜雷太)が「待った」を掛けたところ堀井(山本圭)が激昂し殴打した傷害事件。
堀井が「お前に殺された!」と発していたことが気にかかった葉山(小出恵介)が真相に迫る・・。
95年の法改正に対応せず、年金支給を実質的に1ヶ月分不払いにしていた社保庁が、この事件の背景・・。忘れかけていた『社保庁問題』の一つ。
殴打を素直に認めている堀井(山本圭)に、葉山が「堀井さんはいつの段階で谷川さんが元厚生官僚だと知ったんですか?」
堀井「ほんの偶然ですよ。」
この時の、山本圭さんの”表情”が何とも言えない・・・。
単に感情的に殴っただけでは無い、腹の中に隠しているもっと根深い何かを感じさせる・・・。
この作品も、ベテラン山本圭さんの役者力が際立ちました。
『アンダーカヴァー』
胡散臭い関西弁を喋るド派手な女ブローカーに変装して姫川(竹内結子)が潜入捜査。
関西弁のインストラクターが井岡(生瀬勝久)ってのが、なかなか正解だわ。
胡散臭いもの・・・。
で、殺人事件じゃないのに姫川(竹内結子)が赤木(田窪一世)が自殺した事件を追う。
あこぎな詐欺事件で赤木が自殺に追い込まれたことを、姫川は殺人と同等だと思ってるから・・・。
姫川の取り調べに、”犯人”の吉田は、「自殺は自分には無関係で融資しただけだ」とシレっと答える。
そのうえ「金持ちがお金を増やすことが罪でしょうか? 貧乏人が貧乏を言い訳に自殺する方がよっぽど罪だと思いますけど。」などと・・・。
姫川は赤木の無念を説明し「あなたのしたことは間違いなく殺人です。あなたはマネーゲームの勝者でもなければげすな盗っ人でもなく、取り込み詐欺という凶器を使って赤木芳弘さんを殺した立派な”人殺し”です。」
姫川(竹内結子)が詐欺事件を捜査することに目を潜めていたはずの二課・土井主任(光石研)でしたが、最後は姫川を認めて缶コーヒーを・・・。
姫川が「打倒・拝金主義者」で熱くなるだけで終わらず、土井主任(光石研)との最後の絡みがあったのがヨカッタ。
『左だけ見た場合』
日下(遠藤憲一)と井岡(生瀬勝久)のエピソード。
消費税が3%から5%に上がったときの、増税前の駆け込み需要と建材不足にまつわる中小工務店の悲劇・・・消費増税前に、題材が生々しい。
被害者が超能力者??
SPEC。
こういうの好き。
捜査中、日下(遠藤憲一)がサラッと「姫川は元気だったのか?」と井岡(生瀬勝久)に問うた短いセリフが良かった。
日下も、なんだかんだで姫川を心配してる。
『プロバブリィギルティ/推定有罪』
勝俣(武田鉄矢)に加えて元警部補・倉田(杉本哲太)も登場したこの作品が一番面白かった。
官僚を狙った殺人事件が多発。
辻内(平岡祐太)という塾講師が作ったサイトに被害者の個人情報が事細かに掲載されていて、この情報を頼りにして犯行が重ねられていたのです。
ガンテツ(武田鉄矢)が、サイトのことを辻内(平岡祐太)に問いますが、彼は「みんなで紳士録を作っているような感じでしょうか。」「仮に、あのサイトを見た何者かがそこに載っていた元官僚に危害を加えたとしても、私には何の責任もありませんよ。」と何食わぬ顔・・・。
辻内は、ガンテツの情報もサイトにアップして、殺しのターゲットになるよう仕向けます。
一方、ガンテツは、今は警備員をしている倉田(杉本哲太)を脅して裏工作員としてリクルート。
倉田には、公に出来ない過去があるから・・・。
(レギュラー放送の第5話『過ぎた正義』)
倉田に辻内(平岡祐太)の自宅に侵入させて、辻内の個人情報を徹底的に収集。
そして、これを辻内のサイトにアップして辻内本人が殺しのターゲットになるよう逆襲。
これを知らされた辻内は「こんなこと許されると思ってんのかよ!」と、真っ青になってあたふた・・・。
ガンテツ「許されるんじゃねぇの? この個人情報をもとにお前が殺されたにしても 俺には罪はない。それを教えてくれたのはお前じゃねえかよ。」
さらには「身内の中にはずいぶん恨んでる人もいるらしいよ? 特にこの岡田芳巳の倅、長い刃物買ってさこの辺歩き回ってるらしいんだ。」「気を付けて帰れよ 辻内。 気を付けて帰れよ。」
−◆−
辻内へのお仕置きが済んだ後、ガンテツに語りかける倉田が「いいんですか、こんなぬるいやり方で。」「死ぬしかないんですよ あいつは。5人も殺したら、もう自分の命で償うしかないんですよ。」
倉田の中では『過ぎた正義』がまだ続いてる・・・・。
”かんぽの宿”などで巨額の無駄を垂れ流した郵政問題をはじめとする『官』の問題と、『ネット世界』の問題には重厚感がありました。
谷川(竜雷太)の自殺がチラッと入ったのも雰囲気を盛り上げました。
そして、ガンテツの汚いやり方での正義と、倉田の過ぎた正義が交差して、ダークサイドのドキドキ感も巧く描かれました。
以上、『ストロベリーナイト アフター・ザ・インビジブルレイン』
散り散りになったレギュラー陣もさることながら、客演の
國村隼、山本圭、杉本哲太らが持ち味を出していてシブい出来映えでした。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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