『八重の桜』第1回「ならぬことはならぬ」★子八重(鈴木梨央)ちゃんにメロメロ!!
- 2013.01.07 Monday
- 12:37
- NHKドラマ・番組
『八重の桜』第1話を見て、『平清盛』で決定的に足りないものがよく分かりました。
人の「温かさ」とか「前向きな気持ち」だとか「元気」だとかが『平清盛』では極めて希薄でした・・・。
画面が暗いという物理的な側面より、登場人物の内面が暗かったんですねぇ。
『八重の桜』では八重(鈴木梨央)ちゃんと、周囲の人間を見てるいるだけで『平清盛』には無かった生き生きとした息吹を感じました。
(崇徳院や清盛の生き霊では、生き生きするはずがない)
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南北戦争史上最大の激戦『ゲティスバーグの戦い』から始まるとは意表を突かれちゃった・・・。
リンカーンまで現れて「...government of the people, by the people, for the people..」と、かの有名なゲティスバーグ演説!!!
南北戦争が終わって、やがて八重(綾瀬はるか)が手にする”スペンサー銃”に繋がるって・・・。
日本史と世界史が並行すると面白い。(小生は学校ではそう言う教わり方をしなかった)
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山本覚馬(西島秀俊)がオランダ製のゲベール銃の練習。
撃った後の的を確認した父・権八(松重豊)が「命中。見事だ。」
『孤独のグルメ』で井之頭五郎(松重豊)が「うん、いい。これ美味い。」などと心のなかで料理の感想を思い浮かべるときと同じリズムのセリフ回しだから、なんか嬉しくなっちゃった。
西島秀俊と松重豊が出演してるだけで、個人的にはかなり良い感じです。
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兄が鉄砲を撃つところを見ていた子八重 (鈴木梨央)が、家族での食事時に目をキラキラさせて「私も兄っあまみてえに鉄砲さ撃ってみてえ。」
兄・覚馬(西島秀俊)は黙ってニコリ。
母・佐久(風吹ジュン)は男勝りの八重に困り顔で「この子はまた、とてつもねぇこと言い出してぇ。」
父・権八(松重豊)は「おなごは薙刀するもんだ。」
弟・三郎が「おれも薙刀やりてぇ。」
権八「お前は鉄砲さやらねばだめだ。」
家族の会話や雰囲気に”生活感”があって良い感じです。
そして、元気で利発そうな子八重を演じる「鈴木梨央ちゃん」のスッキリした目鼻立ちの可愛らしいこと!!
『天地人』の加藤清史郎君も良かったけど、鈴木梨央ちゃんもかなり良い!!
孫にしたい子役じゃわ。
(子役を使わずに、”上野樹里”らが10歳未満の子供時代までも演じた『江〜姫たちの戦国』だったら、最初から”綾瀬はるか”だったりして・・・。)
子役を使うのは流行の手法だと言えばそこまでだけど、可愛らしいからハマっちゃう。
(子役を使うにしても『平清盛』では幼い安徳天皇=田中悠太君が壇ノ浦で海に沈んじゃうんだから暗いわ。)
すでに登場人物の人間味だとか子役の部分で『江〜戦国の姫たち』『平清盛』より印象が良い。
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会津藩の祖・保科正之が残した『御家訓』を城内で恭しく読み上げる場面。
「大君の儀、一心大切に忠勤に励み、他国の例をもって自ら処るべからず。若し二心を懐かば、すなわち、我が子孫にあらず 面々決して従うべからず。」
余談ながら党の御家訓にあたる綱領(党是)さえ成文化されていない民主党が政権を担える訳がなかったって、今さら思う・・・。
その後、若殿様・松平容保(綾野剛)は藩校・日新館を視察。
まず孔子を祀る大成殿に赴くと、すでに子供たちが「子曰く、君子、重からざれば則ち威あらず、学べば則ち固ならず。」などと論語を読み声が聞こえてきます。
(ここで論語では無く「遊びをせんとや生まれけむ♪ 戯れせんとや生まれけん♪」が聞こえてきたら腰が砕けちゃう)
で、10歳で入学し文武の鍛錬を行う日新館。
長物での鍛錬では、負けた相手に駄目押ししてる!?
容保(綾野剛)が戸惑っていますと、家老・西郷頼母(西田敏行)が「これは措き槍と申しまして会津ならではの稽古の作法にござりまする。荒稽古を乗り越えて強ぇ武士にならねば、将軍家をお守りする事はできませぬゆえ。」
将軍家への”忠義”を一義とする会津藩の行動規範が示されました。
−◆−
今度は子供らが輪になって『什の掟』を読み上げています。
一、年長者の言ふことに背いてはなりませぬ
二、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
三、うそを言ふ事はなりませぬ
四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
五、弱い者をいぢめてはなりませぬ
六、戸外で物を食べてはなりませぬ
七、戸外で女と言葉を交へてはなりませぬ
「ならぬことはならぬものです。」
日教組のコアな組合員さんは「『年長者の言ふことに背いてはなりませぬ』なんて、民主的ではない!!」とか言って嫌いそうやなぁ。
「大河ドラマが右傾化してる」とか言うヤツが出てきそうな気もするなぁ・・・。
家老・山川兵衛(山本圭)が「子どもらは六歳で”遊びの什”に入りまず掟を学びまする。」「日々共に遊んで什の仲間は生涯絆が強えごぜえます。のう頼母殿。」
山本圭さんの声と語り口がシブい。
頼母「それがしも、幼き頃は仲間と共に、竹馬合戦や石合戦、冬は雪合戦や凧合戦。」
石合戦って!!
危ないぞ。
兵衛「合戦ばかりじゃのう。」
頼母「これはしたり。」
上座の容保(綾野剛)に頼母が「親は子に喧嘩をするなとは申しませぬ。そのかわり逃げ隠れすっといや〜いっぺぇ叱られます。」
容保「卑怯な振る舞いをしてはならぬ、か。」
頼母「御意。童の遊びも 鍛錬のうちにござりますれば。」
『ドクターX』や『純と愛』でも「御意」が出てきたけど、本物の「御意」や〜〜。
若殿・容保(綾野剛)さん、これで会津の教育事情を把握できたかな・・・。
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藩を挙げての公開軍事訓練である『追鳥狩』
父・権八(松重豊)や兄・覚馬(西島秀俊)の姿に目を輝かせる八重(鈴木梨央)ちゃんの表情が良いなぁ!!
天才的!!
流鏑馬や火器演習に続いて、メインイベントは鳥を敵軍に見立てて狩りたてる模擬戦。
一番鳥を挙げる事は、合戦で一番首を挙げる事を意味しております。
これを近くで見ようとして幸之進、与七郎、鉄之助らが演習地に。
お転婆の八重(鈴木梨央)ちゃんは、木に登って兄・覚馬(西島秀俊)を応援。
与七郎も競うように高いところに登ります。
頼母(西田敏行)が雉を捉えようとした寸前に、馬が何かに驚いてストップしてしまい「たまげた。なんだ?」
なんと、木から落ちかけた八重(鈴木梨央)ちゃんに馬がビビったようです。
馬が驚いた原因を探す頼母(西田敏行)が八重が落とした草履を発見して「誰の仕業だ!」
木の陰から出てきた八重ちゃんが「私でごぜえやす。」
地べたに八重を座らせた頼母(西田敏行)は、大層お怒りの様子で「ここは戦場だぞ!この戦場に草履を投げ込むとは何事だ!」
八重が事情を話しますと頼母さん「木さ登って戦見下ろしてたのか。この無礼者が!!」
小学1年生かそこらの子に大人げない気もしますが、命がけの戦場での出来事だし、文教を重んじる会津藩だから仕方ない・・・。
雉を追っていた兄・覚馬(西島秀俊)もコトに気づいて駆けつけ、まず八重にビンタしてから「ご無礼の段何とぞお許し下せえまし。」と頼母に必死の謝罪。
そこのろ一番鳥は佐川官兵衛(中村獅童)が攫っていきました。
頼母(西田敏行)は「おなごとはいえど侍の子だぞ。こうだにわきまえのねえ事でなじょすんだ!!!」と怒鳴り声。
小さな身体で心細げに見上げる八重(鈴木梨央)ちゃんの表情が堪らないわぁ!!
覚馬「申し訳ございませぬ!」
八重「申し訳ございませぬ!」
オジサン、もう鈴木梨央ちゃんの虜じゃ〜〜。
与七郎、幸之進、鉄之助が走り寄ってきました。
与七郎「俺たちも木さ登りやした。競い合って登ったのが誤りでした。」
そこに兵衛(山本圭)と容保(綾野剛)がやって来ました。
容保は鷹揚に「もうよい。叱るな。」
謹厳居士の頼母は「そうはまいりませぬ。”追鳥狩”は戦にございますればこのような不届き許す訳にはまいりませぬ。」
容保は静かに「高く高くと競い合って登っていたのであろう。それもまた子どもらの戦ではないか。」「武士らしく名乗って出たのだ。卑怯な振る舞いはしてはおらぬぞ。」と、会津の精神を持ち出して頼母を宥めます。
しかしケジメをつけないわけにはいかぬと考えた頼母は「ならぬことはならぬものです。かような不届き者たちを無罪放免に致せば ものの道理が立ちゆきませぬ。 一同に申しつける! 竹篦(しっぺい)の刑を申しつける!」
指を二本合わせて「はぁ〜〜」と息を吹きかける頼母(西田敏行)
シッペかぁ・・・。
容保「うむ、それでよい。」
これって、什の掟に背いた者への制裁の一つなんだそうな。
一番軽いのは「無念でありました。」と言ってお詫び・・・ゴメンナサイってことかな。
その次が「竹篦(しっぺい)」で、一番重い処罰は絶交・仲間はずれを意味する「派切る(はぎる)」ってヤツらしい。(「ハブる」に近い感覚?)
とにかく、なかなか面白い場面でした。
それに西田敏行の存在感はテッパンですわ。
物静かな若殿様=綾野剛も良い感じ。
−◆−
権八(松重豊)「蔵さ放り込んだ。飯なんぞ食わすなよ。」
八重ちゃん、お仕置きくらっちゃった・・・。
この場面、狭くて仄暗い廊下を歩く松重豊さんをカメラが追ったのですが、家屋が皮膚感覚として伝わるようなカメラワークでした。
『平清盛』も映像的には凝っていましたが、こちらの方が人が住んでる実感があります。
蔵で足をペタンと伸ばして放心状態で座ってる八重(鈴木梨央)ちゃん。
大泣きではなく、宙を見つめてるような表情をしてるのが良い。
両親には内緒でおにぎりの差し入れに来た兄・覚馬(西島秀俊)が「ちっとは懲りだが。若殿のおとりなしが無えと大ごとになっとこだ。」
少し涙をためて俯いてる八重(鈴木梨央)ちゃん。
覚馬「どした? 今になって恐ろしぐなったが?」
正座し直して兄に身体を向けた八重が「武士らしいど 言わっちゃ。 私のこと、武士らしいど・・・卑怯やねえど 仰せになった。」
若殿様(綾野剛)の言葉に感激している八重ちゃんは涙しながら「私 お役に立ちてえ。いつか 強くなって、若殿様に御恩さ返してえ。兄つぁま。私 鉄砲さやりてえ。」
覚馬「おう!分がった。」
鈴木梨央ちゃん凄いなぁ。
『おしん』の小林綾子の再来かと思っちゃう!!
この蔵の場面には降参!!!
『平清盛』を100回見てもこんな気分は味わえないわ。
−◆−
会津23万石実りの秋を馬上から眺めた容保(綾野剛)が「背負っていけるのだろうか?」「わしは十二の年に美濃高須家より参った者だ。この身に会津の血は流れておらぬ。そのわしがこの国のよき主となれるのか?」と不安を口に・・・。
番頭・頼母(西田敏行)は「畏れながら若殿お一人ではなり難き事と存じまする。さればこそ藩士がお仕え致しまする。」「お家第一に奉公を致し 武芸を鍛え万が一ご主君に過ちあった時には 命を賭してお諫めも致しまする。代々そうして生きてまいりました。これからも毫も変わる事はございますまい。」
『毫も』って、あまり聞かないフレーズ。
「いささかも」とか、そう言う意味らしい・・・。
『薄桜記』でも美しい言葉が多く用いられていたけど、なんかこういう日本語は良いなぁ。
それと、細面の綾野剛はこの役にマッチしてる!!
抑えた演技が良い。
−◆−
あらま、吉田寅次郎(小栗旬)と八重(鈴木梨央)ちゃんが凧合戦!!
この場面に端を発して、終盤は覚馬(西島秀俊)の江戸留学。
入門希望の覚馬(西島秀俊)に「24斤カノン砲に砲弾を詰め斜角10度でそれを放った時その時の弾着弾頭は? こんな簡単な計算ができぬようではものの役に立たんわ。」などとまくしたてる佐久間象山(奥田瑛二)をはじめ、吉田寅次郎=松陰(小栗旬)、勝麟太郎(生瀬勝久)、川崎尚之助(長谷川博己)、宮部鼎蔵(宮内敦士)らがウジャウジャ登場して、これだけでも楽しい。
佐久間象山がオランダの百科辞書を読んでテレグラフを作った話も面白いし、額装されてる「ボナパルテ」にも参った。
ナポレオン・ポナパルテについて蘊蓄を語る奇人変人的な佐久間象山(奥田瑛二)イケてるぞ!!!
小道具としてのタバコもなんか雰囲気あるなぁ。
−◆−
鉄砲の本を読むことを父・権八(松重豊)から許してもらえない八重(鈴木梨央)ちゃんは、こっそり本を持ち出して階段を机代わりにして鉄砲の絵を書き写しております。
階段の前にちょこんと座って筆を動かす八重(鈴木梨央)ちゃん可愛らしい。(メロメロ)
−◆−
覚馬(西島秀俊)と尚之助(長谷川博己)が黒船を見に横浜村の海岸へ・・・。
覚馬「城が浮かんでる。」
海の『ラピュタ』か『ハウルの動く城』か!!
尚之助「千石船の20倍はあります。」
汽笛でビビる人々。
トム・クルーズ版『宇宙戦争』で火星人のマシン”トライポッド”にビビる人間たちみたいです。
覚馬「化けもんだ。会津が守る品川砲台はいざっつう時はあいつらと戦うのが?」
西島秀俊の表情も良いなぁ・・。
黒船を見据えた覚馬は「んだら乗ってみんべ。あれこそ西洋の技術の固まりだ。」
そう言う時代だから『龍馬伝』の吉田松陰(生瀬勝久)と被る・・・。
−◆−
木の枝で作った鉄砲かな?
八重(鈴木梨央)が的に向けて構えて、引き金を引くとバァン
命中。
『必殺仕掛人』の藤田まことみたいな雰囲気で物陰から見ていた父・権八(松重豊)が「そこで何すてる?」
次回へ続く・・・。
ああ、面白かった。
もしかしたら『篤姫』以来の面白さかも・・・。
(『平清盛』のせいで感性のハードルが低くなってるせい??)
平安の奇人変人の集会みたいだった『平清盛』のあとだから、
八重(鈴木梨央)や覚馬(西島秀俊)らの人間味に凄く親しみを感じちゃった。
次回から綾瀬はるかが本格的に登場ってコトは、鈴木梨央ちゃんとはお別れ??
綾瀬はるかを楽しみにしていたのに、すっかり鈴木梨央ちゃんに心奪われてしまった〜〜〜。
この調子で1年楽しめたら良いなぁ・・・。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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