『平清盛』最終回「遊びをせんとや生まれけむ」★高熱で氷が蒸発!!
- 2012.12.24 Monday
- 11:02
- NHKドラマ・番組
「都落ち」「立ち往生」など、慣用句の勉強にはなりました。
(「都落ち」だと思った”指原”の場合は、「焼け太り」かもしれないなぁ・・・平清盛と関係ない。)
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壇ノ浦の戦いを間近に控えた頃、鎌倉に亡命した頼盛(西島隆弘)と頼朝(岡田将生)が会話。
頼盛は「平家は一蓮托生」だと述べております。
NHKはAAAを贔屓してるから、裏切り者扱いしないようです。
そんな場面から、毒々しい赤色の『平清盛』という題字が出て、OP曲は省略して一気に4年遡行。
伊勢・二見浦にいる西行(藤木直人)の目の前に清盛(松山ケンイチ)の生き霊=ドッペルゲンガー!?が現れております。
清盛「盛国と話をしておったのじゃ、まだ1月だというのに妙に暑い、暑いと言っておったのじゃ。」
生き霊さん本人もビックリしてます。
西行「おそらく、お手前はまもなく死ぬのでございましょう。」
自分が死にかけの生き霊だと聞かされた清盛は「あるまじき事ぞ!あるまじき事ぞ!」
その頃、京では高熱にうなされている本物・清盛(松山ケンイチ)を、平家一門が看護。
あまりの熱の高さに氷を額に当てますが、一瞬で蒸発する凄まじさ!!!
清盛の体温は水の沸点を超えてる!!!
清盛のオデコに卵を割って落としたら目玉焼きが出来るかも・・・。
「生き霊」やら「蒸発する氷」やら、さすがに最終回だけあって盛り沢山!?
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後白河法皇(松田翔太)は「戯れせんとや 生まれけん〜〜♪」
言いたいことは分かるけど、今様など歌舞音曲の類いがドラマ的に効果的だったようには感じられず、むしろ最後の最後まで『平清盛』を退屈にさせた気がします。
西行から「生き尽くした。平清盛の一生、まばゆいばかりの美しさにござりまする。」などと、その人生を称えられて得心したドッペルゲンガーが京に帰ってきて合体したのか、本物・清盛(松山ケンイチ)が目を開き立ち上がります。
清盛「平家の強者たちよ。比類なき我が一門よ。聞くが良い。きっと我が墓前に頼朝が首を供えよぉ!」
ドラマは面白くなかったけど、老いてからの松山ケンイチの芝居には観るべきものがありましたねぇ。
削げた顔をゆがめながらの表情だとか、素晴らしい演技!!
で、大木が倒れるギシギシという音が聞こえて清盛(64)が崩れ落ち、そのままご臨終。
壇ノ浦に行き着くまでに主人公・平清盛が死んじゃうから、番組冒頭で4年もタイムスリップしなきゃイケない・・・。
扱いにくい主人公ですね。
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西行は京の平家一門を訪れ、清盛の遺言を伝えます。
維盛・資盛からはじまって一門の皆さん順々に声をかける西行(藤木直人)・・・清盛(松山ケンイチ)に姿を変えて話します。
今度は死んでるから”生き霊”ではなく幽霊??
平忠度(ムロツヨシ)には「そなたの呪文は日本一ショボイ・・・違う。それは『勇者ヨシヒコ』じゃ。本当は・・・そなたの歌の冴えは日本一じゃ。」
頼盛には「きっと守り抜いてくれ、父上と母上の平家の血を・・」
これで一門を見捨てた裏切り者という烙印を押されずに済んで、冒頭の頼朝(岡田将生)とのシーンに繋がります。
時忠(森田剛)には「そなた無くして平氏は平家になれなんだであろう。時忠あらずんば平家にあらずじゃ。」
宗清(梶原善)貞能(田口浩正)盛国=鱸丸(上川隆也)忠清(藤本隆宏)ら、忠義に厚く優秀な家人たちにも清盛は声をかけましたが、上川隆也、藤本隆宏、梶原善、田口浩正ら脇を固めた面々は常にシブい存在感を発揮しました。
涙ぽろぽろの時子(深田恭子)には「そなたこそが、わしの紫の上じゃ」
以上、清盛の『遺言ショー』が7〜8分続きました。
盛国=鱸丸(上川隆也)に「お前に巡り合えたは、我が生涯随一の恵」などと言葉をかけたところは染みる部分でしたが、さすがに清盛が一門を順繰りに回るのは卒業式での「校長の長すぎる挨拶」みたいに、くどい気がしました。
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『遺言ショー』が終わると、いきなり「平家都落ち」と画面に文字・・・強引な進行です。
岡田将生君のナレーションで忠清(藤本隆宏)重衡(辻本祐樹)らの運命が語られ、<維盛は一ノ谷の戦の陣中より逃亡し出家。後に那智の沖にて入水して果てた。>
ナレーションのバックには富士川の戦いで水鳥の羽音にビビって総崩れになったときの総大将・維盛(井之脇海)の恥ずかしい映像が流れちゃいました。
踏んだり蹴ったりの平維盛です。
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いよいよ壇ノ浦の戦い。
経盛(駿河太郎)教盛(鈴之助)宗盛(石黒英雄)らの最後については、思い出のシーンをバックに岡田君によるナレーションベースでパパッと済ませちゃいました。
<徳子は捕らえられ、のちに出家して建礼門院となり、一門の菩提を弔う生涯を送った>って、だいぶ前の『平清盛・紀行』で紹介しちゃってたもんなぁ・・・。
時子(深田恭子)は「海の底にも都はござりましょう」と言って幼い安徳天皇(田中悠太)を抱き、海に身を投じた・・・。
悲劇的なこの場面は一つの”ハイライト”なのに、案外さらりと流しちゃったなぁ・・・。
安徳天皇が生まれた回からこの悲しい定めを思って悲哀を感じてたのになぁ・・・。
同じ船に乗っていた経子(高橋愛)は、相変わらず若々しいし、妙に小綺麗!!
さすが元モー娘。
総大将・知盛(小柳友)は勇猛果敢に戦い「今は、これまで。」
最後は錨を体に巻きつけて海に・・・。
敗戦の将・小柳友は凝りに凝ったメイクで、歌舞伎的な大仰さで海へと身を投げたのが印象的。
小柳友は、最後に見せ場を貰ったなぁ・・・。
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琵琶の弾き語りで「祇園精舎の鐘の声〜〜 諸行無常の響きあり〜〜♪ 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす〜〜♪」
公式HPによるとこの琵琶法師は、かつて「禿」の長として京を震撼させた羅刹(吉武怜朗)だったそうな・・・。
画面を見ていても気づかなかった。
で、岡田ナレーション<盛国は鎌倉に送られた後、日夜ひと言も発せず、食を断ち、餓死による自害を選んだ。>
「禿」と盛国の最後を結びつけたこの場面の意図が理解できないよう〜〜。
「禿」といえば時忠(森田剛)と違うのん??
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壇ノ浦の戦いにケリがついて、政子(杏)が「平家一門が滅亡した!」と頼朝(岡田将生)らに伝えた初回のシーンに繋がるのかと思いましたが、そうはならずに『頼朝(岡田将生)vs義経(神木隆之介)』に進んじゃいます。
(よく考えると、木曾義仲についても完全スルーで進んじゃいましたねぇ。)
頼朝(岡田将生)の前に故・平清盛(松山ケンイチ)さんが現れて「まことの武士とはいかなるものか見せてみよ。」
この言葉に押されるようにして義経(神木隆之介)を追い詰めた頼朝。
義経は衣川で兵に襲われ、弁慶(青木崇高)が多数の矢を受け立ち往生している間に自害。
簡単すぎる展開ですがこの番組は『平清盛』だから仕方ない。
岡田君<弟の屍の上に武士の世を作り上げた。>
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上洛した頼朝(岡田将生)が後白河法皇(松田翔太)と対面。
老いて勢いの無い後白河法皇ですが、それでもまたもや双六を準備していました。
最終回まで双六・・・あまり意味を感じさせない場面になりました。
双六に映し出す作者の意図は分からないでも無いけど、ドラマ的には辛気くさい・・・。
で、あれよあれよという間に一気に足利の世になって清盛が目指した国と国との交易が行われるようになった。
小兎丸(高杉真宙)が映りました。
お母と豊藤太と荒丹波と麒麟大夫たちと大きな帆船を操って海賊王になった??
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海の中をゆっくり落ちていった宋剣。
海底に突き刺さった剣をつかんだのは若き日の清盛。
清盛は兎丸(加藤浩次)の声に導かれ、海底の館に入っていった。
すると清盛の前に平家一門がニコニコしております。
「海の底にも都はございましょう。」
竜宮城か!?
(中井貴一は入れてもらえないのね。)
海底の清盛は、まだ頬が削げていないから、結構前に撮影を済ませた映像かな・・・。
この海底の”平家”が独自の進化をとげて、のちにウルトラ警備隊と戦うノンマルトのルーツとなった・・・はずがない。
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とにかく、この幻想的な海底の平家で『平清盛』全50話終了!!
妙な雰囲気の最終回でした。
ナレーションベースの場面が多くて総集編的なムードにも感じられ、オチの無い漫才みたいな・・・。
なんだかんだいって、源氏政権も鎌倉で三代で終わりやしね。
頼朝(岡田将生)が身内を排除しすぎた原因は、清盛幽霊が「まことの武士とはいかなるものか・・・」云々したせい??
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人間関係がややこしいとか、いろいろと低視聴率の原因が語られたけど、シンプルに退屈だから視聴者を引きつけられなかったんじゃ無いですかねぇ・・・。
清盛の『自分探し』に始まって、最後まで終始内向きで動きの無い物語だったからスカッとしないんですよね。
陰気くさい、辛気くさい、躍動感ゼロではシンドイ・・・。
平清盛という人物にチャレンジしたものの、扱いにくい題材だったですね。
最終回も一桁視聴率、我が関西では地元なのに8.5%という寂しい結末。
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