「高校入試」第12話〜長澤まさみは主役だった。
- 2012.12.23 Sunday
- 13:22
- フジTV系ドラマ、番組
読売新聞に脚本を担当された”湊かなえ”さんのインタビュー記事が載っていて、予算に制限があっても学校内での『会話劇』なら面白いモノが作れるのではと本作に取り組み、海外ドラマ『プリズン・ブレイク』で完璧な計画が微妙にズレていくハラハラ感を念頭にストーリーを作った旨を語っておられました。
なるほどなぁ・・・。
−◆−
校長室ではPCで掲示板を見ていた的場校長(山本圭)と荻野入試部長(斉木しげる)が二人で会話。
荻野「学力だけが人間の優劣をつけるものではないでしょ?」
的場校長「そういう議論が高まるうちに『頭のいい奴は冷血漢で、頭の悪い奴は心が豊かだ』などのおかしな極論が出来上がるんだ。なぜ勉強した者が否定されなければならん。」
荻野「ランクの低い学校に通ってるものは頑張っていないと?」
校長の表情が微妙に怪しい気がします。
的場校長「それもまた極論だ。人間はもともと能力に差がある事を誰もが認めなきゃならんのだ。その中でその者なりに努力をすればいい。そして、その努力に対しては何らかの形で認められたり、賞賛されるきだとも思う。だがそれは、学力を判定する場に持ち込む物ではない。」
荻野「では、どこで?」
的場校長「親が家で褒めてやればいい。自分で自分を称えてみればいい。昔はみんなそうだったじゃないか。徒競走もみんな仲良くおてて繋いで走らなくても、ビリでも思いっきり走ったら・・・。俺のお袋は、最後まで諦めずに、よく頑張ったねって褒めてくれたもんだよ。」
民主教育とか言って、徒競走で順位をつけない日教組的な”悪平等”を批判してる。
荻野「うちの親もへたくそな絵似顔絵をいつまでも居間に飾ってくれていました。」
的場校長は訥々と「高校入試だってそれと同じことじゃないかね。」
合否や順位が全てじゃ無いと言いたいのかな・・・。
荻野「ぶっつぶしたいのは入試そのものではなく採点の方法だとは思いませんか?」
ん? 何か奥歯に物が挟まったような言葉・・・。
的場校長「ウチでも4年前、採点ミスが発覚して処分を受けた。それでもまだ許せない連中がいるというのか? 合否には関係なかったじゃないか。」
荻野「本当に? そうなんですか?」
またまた荻野の表情が怪しい。
的場校長「世間の人間は学校を伏魔殿か何かと勘違いしてるかも知れんがそれほど守られた組織じゃないよ。もし本当に合否がひっくり返っていたら公表してるよ。」
荻野は「そうですね。」と答えましたけど、顔は納得していないような・・・。
なんか荻野(斉木しげる)が怪しい気がして仕方がない・・・。
−◆−
前回の村井先生(篠田光亮)の演説の続き・・・。
入試で人生が決まると思ってる村井は「痴話喧嘩でもめてる場合じゃないし、ましてや、リゾートホテルに行かせないために事件を妨害してやろうなんて、絶対許されることじゃない。」
そして”犯人はお前だ”みたいに指を差して「いったい何がしたいんですか? ハッキリとみんなの前で説明してください。春山先生。」
応接室が緊張につつまれたそのとき、荻野が入ってきて松島教諭(羽場裕一)と衣里名(山崎紘菜)に帰るよう、校長からの指示を伝えます。
滝本みどり教諭(南沢奈央)が「私も2人に同行します。問題をすり替えるために松島先生に襲われたとかでっち上げる可能性があります。」
相田(中尾明慶)を巡る修羅場を作った滝本だけに、何か思惑があるような・・・。
クールな水野教諭(阪田マサノブ)がみどりに賛成。
水野も怪しいなぁ・・・。
荻野(斉木しげる)から、衣里名を送ったその足で帰宅して構わないと言われたみどり教諭ですが「帰ってきます。でも、携帯は持たせてくださいね。」
携帯についてわざわざ言及したのが、これまた怪しい。
松嶋と衣里名が帰宅することになって、荻野が「では、このまま解散しましょう。」
そう言いながら春山杏子教諭(長澤まさみ)の肩に手を置きました。
きょうび下手するとセクハラと言われかねない怪しい仕草・・・。
いよいよ荻野(斉木しげる)、怪しい。
−◆−
校長室に移動した一同。
村井が、入試前日の動きから春山が関与していると確信したことを説明。
杏子(長澤まさみ)が「事件に加担していた事は認めます。」「事件の中心人物は学校外部にいます。」「私はその人物から事前に大まかな計画を聞いていました。そして、内部協力者は少なくとも3人。断定できないのは全員が協力しあっているのではなく中心人物が3人と個々に連絡を取っているからです。」と話し始めました。
杏子(長澤まさみ)と衣里名(山崎紘菜)以外の内部協力者を一人「謎」のまま残して引っぱり続けるのは、いかにも推理小説的手法ですねぇ。
杏子(長澤まさみ)は衣里名が携帯電話の仕込み役だったことなどを解説し、その上で自分の役目について「5時間目の英語の際に答案用紙を中心人物に2枚配る。」ことだったと証言します。
中心人物は、5年前に兄が不合格になった例の受験生・田辺淳一(柾木玲弥)。
水野教諭が「いったい何の目的でそんなことを・・」と尋ねます。
杏子(長澤まさみ)は無機質な表情で「決まってるじゃないですか、入試をぶっ潰すためですよ。」
ぶっ潰すという言葉に全員唖然。
杏子「事件を起こしたかったんです。学校側がどう動くのか知りたかったんです。高校入試にどのくらい真摯に取り組むのかを。」
杏子(長澤まさみ)は「 (ネット上で)入試問題の一部を載せるのは私の知らない計画でしたが、遅かれ早かれいつか起こる問題だろうと学校側の対処の仕方を見てみたいと思っていました。人物が定できたり、点までがわかるような書き込みには本当に驚きました。まさか衣里名が学校に潜んでいたとは・・・。しかも。私が仲介した旅行にも原因がありました。衣里名がこの時間まで学校に残っていたのは、二股をかけられていた相手を知り旅行を妨害したかったからです。」
相田(中尾明慶)が「みどり先生とは真剣に、石川とは変な下心があってじゃないっす。入試の時に携帯を鳴らしたせいで同級生からハブられてほっとけなかったっす。」と恥ずかしい釈明。
そうでした、衣里名もかつての入試で携帯が鳴ったんでしたねぇ。
小西教諭(徳山秀典)は「杏子先生がどうしてこんなことをしたのか理由をちゃんと知りたい。事件が起きた際、学校側がどう動くのか知りたいと言ってたが、そんなことを確認するためだけにここまでするはずがない。本当の目的は?」
杏子「目的は、学校を知るためです。でもその思いに至るまでには。ここにいる皆さんのほとんどには理解できないと思います。」
そして、大手旅行代理店に勤めていた杏子(長澤まさみ)が修学旅行を担当したときにその学校の教師である寺島俊章(姜暢雄)と知り合い、交際に至った経緯が語られます。
居酒屋で”幸福絶頂”という感じの寺島と杏子が会話してるところが回想されます。
寺島が杏子は教師に向いてるとしたうえで「絶対になれる、もしなれたら・・・。」
何かを言いかけてやめた寺島に杏子が「なれたら?」
白いブラウスが可愛い長澤まさみ!!
寺島「なれた時に言う」
寺島は結婚でも申し込むつもりだったのかな・・・。
で、校長室に場面が戻って杏子が「私は教師になれたら、彼は何を言ってくれるつもりだったのか、答えは聞くことができませんでした。」
坂本(高橋ひとみ)が「亡くなられたの?」
頷く杏子・・・。
CMになって、AUのCMで風を受けた剛力彩芽の顔面アップ・・・長澤まさみの引き立て役??
−◆−
杏子「彼が亡くなったのは飲酒により車道に飛び出してしまったからです。交通事故なのか自殺なのかもわかりません。でも彼には思いつめてことがありました。入試に関することで。」
杏子「教えてください高校入試って何なのかを。」
一高OBであることへの妙なブランド意識をあげつらって「ただ自慢して。見下して。馬鹿騒ぎしてるだけ。なんてくだらないんだろう、と思いました。いっそ入試なんてなくなってしまえばいいのにって。」と苦々しげに語る杏子。
坂本はあっけらかんとした性格丸出しで「昔、努力したことを今も励みにして、どこが悪いの。、私は努力して一高に入ったのよ。さも正論じみたことを言ってるけど、入試をなくすなんてとんでもないことだわ!それじゃ、若いうちに努力しなくていいの?コツコツと堅実に生きてきた人たちよりも、死ぬ前にパッと一花咲かせた人の方が偉いっていうの?」
さすが会話劇らしい面白さがジワジワ・・・。
どちらかが100%正解でどちらかが100%間違ってるという訳ではないから面白い。
杏子「いいえ、ずっとそこに留まっていればいいと思います。その価値観を他人に押し付けなければ誰にも迷惑はかけないだろうし、幸せだとは思いますから。でも一高にこだわり続けている人たちは、坂本先生たちのような人だけじゃなかった。さっきの応接室での村井先生の思いには深く考えさせられるものがありました。教師の判断が1人の生徒の未来を左右することもあるのだと恐ろしくなりました。私が知りたかったのはこういう事だったのかもしれない。とも・・・」
BGMの調子が狂って独特の雰囲気を醸し出してます。
村井が「挫折を知らない人には高校入試がどんなに重い意味を持つのかわからないんですよ。」と割り込みます。
杏子「でも、何か違う。」
たしかに、村井は微妙にズレてる。
村井「どこがですか、まぁ僕の気持ちを春山先生が理解できるとは思いませんけどね。」「帰国子女という地域の何のしがらみもない立場で大学に進学して、大手旅行代理店に就職して教師を目指せば一発で採用試験にも受かってどうせ特殊推薦枠で帰国子女の肩書きで受かったんでしょ。」
杏子「そうだけど、いけないの?」
このセリフ、けっこうエッジ立ってる。
村井「坂本先生には偉そうな事言っておいて、自分だって過去の肩書きに頼ってるじゃないですか。」
杏子「もういい加減気付いたら? 過去にとどまり続けていることに。」
村井「僕は止まってなんかいない。過去はどうしてもついてくるんです。」
微妙にこいつには甘えがあるわ。
被害者意識、コンプレックスがキツイ。
杏子は「切り捨ててしまえばいいじゃない。(教員試験の)筆記試験は合格してたのに面接で落とされたのよね。」と、常勤講師・村井の痛いところを突きます。
村井「試験官は一高のOBばかりだから仕方ないじゃないですか。誰だって自分の後輩を通してやりたいと思いますよ。」
被害妄想的な激しい思い込みもあるかな・・・。
小西「それは違うんじゃないかな。」
村井「それは小西先生が清煌学院を出ているから。」
小西「そうやって他のせいにばかりしてちゃ、今年もどうかと思うよ。」
その通りだ!
村井は、人のせいで落選したと思ってる民主党落選議員と同じ。
校長が「そういう問題をあげつらうだけの教師は要らないんだよ。それより夢物語じみていても構わないから『私はこうありたい』と前向きな考えを持った人に現場に来てもらいたいと選ぶ側は思ってるんだよ。それに一高のOBはそんなに多いわけじゃないし、出身高校で選んでるわけでもない。そう松島くんから聞かなかったかね? 君の高校時代の担任だったんだろう。」と、やっと管理職らしいことを言いました。
文句言いでサボりの人間は要らないのだ!!
−◆−
杏子が「4年前の4月、ある少年が首をつって自殺しました・・・」と、寺島俊章(姜暢雄)が死に至った経緯を話し始めました。
自殺生徒の両親が開示請求したところ3点分のミスが見つかり「採点ミスがなければうちの子は受かっていたんじゃないのか息子が死んだのはお前たちのせいだ」と激しく非難。
採点に関わっていた寺島は酒浸りに・・・。
どうにかして彼に立ち直って欲しかった杏子は「あなた1人でやったことじゃないんでしょ。いつまでも悔やんでいても仕方ないじゃない。」などと思いつく限りの言葉を重ねて、彼を励ましていたつもりだった・・・。
「いつまでも悔やんでいても仕方ないじゃない。」ってフレーズは励ましにはならないわ。
小生だったら逆に責められてる気がする。
「かえってくるのはいつも同じ言葉ばかりでした。日本の学校のことは帰国子女の君にはわからない。彼が亡くなったのはそれから3カ月後です。」と杏子。
次回へ続く・・・。
前回は村井(篠田光亮)の独白と、田辺光一(中村倫也)田辺淳一(柾木玲弥)兄弟や衣里名(山崎紘菜)に焦点を当てて、今回は杏子(長澤まさみ)と寺島俊章(姜暢雄)。
どこかに視線を集中させると、視野の外になって見落とす部分が出てしまいそう。
作者に目くらましを仕掛けられてポイントを見逃してるような気がして仕方ない・・・。
東山ユキの歌「好き嫌い、会いたくない でも やっぱり好き♪」が”落書き”されていた件や、沢村同窓会長(入江雅人)親子のことなどが整理できていないから、まだ事件の全体像が見えてないような・・・。
そもそも、あと一人の内部協力者が誰かもまだ分からないし・・・。
年末ギリギリまで引っぱりますね。
動きのあったドラマ前半に比べて、謎解きに向けての助走はまどろっこしいですが、推理小説の定石から言うと、最後にドンときますよ。
あと、くどいようだけど、ジャニーズだとかオスカープロモーションのゴリ押し娘が混ざっていない(CMを除く)のがイイですね。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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