『平清盛』第49回「双六が終わるとき」★清盛の生き霊が西行(藤木直人)に会いに行く
- 2012.12.17 Monday
- 13:50
- NHKドラマ・番組
最終回の1話前なのに、異様に盛り上がらない内容・・・。
小生がうんざりしている「双六」と「回想」を重ねた観念的場面が退屈で退屈で・・・。
失敗作に終わった『大奥〜誕生[有功・家光篇]』の最終回でも「双六」が出てきたから、げんなりです〜〜(トホホ)。
−◆−
重衡(辻本祐樹)が南都を焼き打ちにしたことにより、天下の人心はもはや平家から離れてしまい、民主党や小沢系の未来の党みたいな有様。
もし選挙したら、平家は50数議席で源氏系が300議席越え!?
重衡は田中真紀子みたいに落選だわ。
で、各地で謀反が起きたとの連絡が次々と舞い込みます。
清盛(松山ケンイチ)は「すぐに逆徒どもを鎮めるべく、新たな軍制を敷く」として畿内の軍勢を統べる畿内惣官職を設置すると発案。
メレブ・・ではなく平忠度(ムロツヨシ)が「また万事先例が大事の公卿方が騒ぎますぞ。」と意見します。
(やっぱり『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』の方が圧倒的に面白いぞ)
メレブの意見には耳も貸さない清盛は「これを高倉上皇様の御名により直ちに詔(みことのり)せよ。」
上皇の名を使うだけで、実質的には清盛の命令だものねぇ。
−◆−
その高倉上皇(千葉雄大)が病床に伏してる。 (寝てる時も烏帽子をかぶってるのね!?)
「王家も平家もござりませぬ、徳子には王家よりも平家よりも上皇が大事にござります。」という徳子(二階堂ふみ)。
高倉上皇は無理して体を起こし徳子に笛を聞かせようとします。
弱々しい息では笛はヒューヒュー言うだけでまともな音が出ません。
しかし徳子は「なんと、美しい音色にございましょうか。」と涙を流します。
この場面の徳子=二階堂ふみの涙しながら微笑もうとする表情が素晴らしく、今までで一番素敵です。
さすが第68回ヴェネツィア国際映画祭・新人賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を受賞しただけのことはあります。
(どこかの”ゴリ押しタレント”が事務所の押しで「日本映画批評家大賞 新人賞」「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー」「ベストレザーニスト2012」「ベストキャラクター賞」「メガネ ベストドレッサー賞 特別賞」「VOGUE JAPAN Women of the Year 2012」を一人で攫っていくのとは中身が違う。)
結局、高倉上皇は21歳の若さでの崩御。
あ〜ぁ、これで清盛は好き勝手に詔を出すこともできなくなりました。
−◆−
高倉上皇の崩御で、上皇の父・後白河法皇(松田翔太)が安倍晋三氏のように返り咲き。
さっそく後白河法皇は清盛に「なんとも絵に描いたような四面楚歌ではないか。かようなことになるなら、政変などを起こすのではなかった・・と思うておろう。」と嫌味を述べて清盛の目の前にサイコロを放り投げます。
さらに「困ったことがあれば、何でも申せ。なにしろワシは頂に立つもの。いかなる事でもしてやれるでな。」と後白河法皇。
愕然とする清盛。
館に帰った清盛の話を聞いた教盛(鈴之助)は「なんとなんと、かの政権は法皇様の手の内、我らはまんまと乗せられこの始末というわけでござりますか。」
忠度(ムロツヨシ)「さてもさても、幽閉も法皇様にとっては良き骨休めであったがごとし。」
今一つセリフからは読み取りきれなかったのですが、清盛がおこした「治承三年の政変」も後白河法皇のシナリオどおりで、幽閉されながら世を操っていたということらしい。
今一つ説得力の無い描き方・・・・。
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清盛は、未亡人になったばかりの徳子のもとへ時子(深田恭子)を派遣し、法皇の後宮に入るよう説得させます。
清盛、どんだけ裏技使う気やねん。
徳子は「お断りします。上皇様だけが、私の”光る君”にございます。」
時子が大好きな「光る君」かぁ・・・。
帰宅してその旨を報告する時子
清盛「また別の打つ手を考えるまでじゃ。」
ふんわりした感じの時子「もう良いではござりませぬか。あの光らない君が、ここまでのぼられたのです。これ以上の高望みはなされますな。」と・・。
清盛「気楽に言いよって。」
どこかから空気が抜けてるような時子が「気楽にまいりましょう。」
深田恭子の個性が反映した場面ですねぇ。
時子(深田恭子)が琵琶を弾き始め、若き日の下品で光らない君・清盛を回想・・・。
この場面が絶対必要かというと、そうでもない気がします。
最終回前のドラマのテンポを殺いで散漫にさせる感じがします。
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■【コトブキヤ】梶原景時 GC33遙かなる時空の中で3 PVC KOTOBUKIYA |
石橋山で大敗を喫し、逃亡して洞窟に隠れていたときに、あえて頼朝たちを見逃してくれたあの梶原景時です。
頼朝が「敵方の将でありながら、何故我らを見逃した?」と問いかけます。
景時は「石橋山であなた様を一目見て、天下を治める器のお方と見極めました。もしも許されるますならば、頼朝様の家人の末座にでもお加え頂きとう存じます。」と平伏。
いやいや、「一目」にも程があるやろ。
夜陰に紛れて洞窟の中に潜んでいた頼朝をチラ見しただけやったやんか!?
しかし頼朝たちは梶原景時を御家人として迎え入れ、藤九郎(塚本高史)が「御家人たちは殿をお支し、お守りする。殿が御家人たちの働きに報い、皆を守る。この約束事こそがこの新しき仕組みの要じゃ。」と新しいシステムを説明。
一方的な主従関係ではなく、相互補完関係による新たな「武士の世」のカタチかな。
北条時政(エンケンさん)は頼朝の姿を見て「感無量じゃ。あの青白き方が、東北の荒武者をここまでまとめあげた。」「もとよりあの方には備わっておったのであろう。天下を治める才が。」と政子(杏)にしみじみ・・・。
奥歯が浮くほどの”頼朝推し”の場面でした。
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上西門院統子(愛原実花)の館では高倉上皇をしのぶ歌会が催されています。
愛原実花は、平安名物「殿上眉」が怖いほど似合いますねぇ。
で、歌会には西行(ミラクル藤木)も参加していて得意の歌を詠んでいます。
「死出の山越ゆる絶え間はあらじかし〜〜 亡くなる人の数〜〜〜続きつつ〜〜〜〜」
教養の無い小生には辛気くさいだけであります!!
歌会が終わったあと、西行の耳に歌が聞こえてきました。
「西へ行く しるべと思う〜〜〜 月影の〜〜〜〜〜 空〜〜〜だのめこそ〜〜〜かひなかり〜〜〜けれ〜〜〜」
出たな! 妖怪人間!!!
ちがいました、すっかり忘却のかなたにあった堀河局(りょう)が白髪になっていただけ・・・。
なんで今さら堀河局なのよ!?
西行「生きていられたのですか。」
西行に小生の心を読まれた!!
西行が堀河局の手をとって「今夜は存分に楽しみましょう。」
見境無しかよ!!
堀河局「この、生臭坊主」
色ボケ老人か!
(結局、バイアグラが手に入らず歌合わせしただけらしい・・)
平安文化の終焉をシンボリックに描いたのかとは思いますが、小生の小さな脳みそでは西行(藤木直人)と統子(愛原実花)と堀河局(りょう)の場面を最終回前のここに持ってきた必然性が今一つ掴みきれませんでした。
『平清盛』らしい抽象的な場面でした。
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鎌倉では義経(神木隆之介)と弁慶(青木崇高)がじゃれ合うように格闘技の鍛錬をしており、義経の攻撃を受けた弁慶が「いたた〜〜」と弁慶の泣き所を押さえています。
これ、小ギャグ??
頼朝(岡田将生)は着々と町作りプランを積み上げています。
被災地の復興も、このくらい着実に進むと良いんですが、新政権の取り組みやいかに・・・。
で、頼朝(岡田将生)が見えない弓矢を構えて彼方に向けて発射。
清盛が「エアー弓矢」で鳥羽院(三上博史)を射抜いた場面と繋がってるのかな・・・。
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清盛(松山ケンイチ)が後白河法皇をたずね、双六の勝負を申し込みます。
双六をしながら二人は若き日から今に至る双六勝負のような人生を振り返り、走馬燈のように回想シーンが次から次へ・・・。
総集編かい!?
回想長いわ。辛気くさいわ!!
『平清盛』の面白くない部分がギューっと凝縮されている感じ。
勝者として望みを語る清盛は「法皇様と平清盛との双六、本日をもって最後としていただきとうございます。」
別に「『平清盛』を、本日をもって最後としていただきとうございます。」でもイイよ。
最終回でOKよ。
来週から『八重の桜』を見せてくださいな。
しかし清盛は小生の願いを無視して「我ら武士は王家の犬と呼ばれ、生きて参りました。保元の戦も、平治の戦も、王家朝廷の命により武士同士が戦わされて参りました。されど、もはや平安の世は終わりを告げようとしておりまする。これより先は、武士同士が覇を争う世となりましょう・・・・武士はもはや王家の犬ではござりません。」
(ホークスの王会長が犬を飼っていたら「王家の犬」である。)
王家という呼び方への是非が話題になった頃から、ず〜〜っとウジウジと同じようなことばかりを引っ張り続けてきましたですねぇ。
うつむき加減の後白河法皇が「さようか、もうさようなところまで辿り着いておったか。」と、ある種の感慨を浮かべます。
清盛の老いて乾いた頬に涙が一筋。
最終回を控えた「名場面」・・・の筈なんだろうなぁ。
松山ケンイチの芝居は凄く良い感じなんだけど、二人の会話が心に響いてこないわ。
「遊びをせんとや♪ 生まれけむ〜♪」がBGMで聞こえてきました。
双六も、梁塵秘抄も、飽き飽き・・・。
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清盛は源氏討伐のための新しい本拠地の整備など考えていましたが、真冬なのに「暑い」といいだし、突然の熱病で「熱い。熱い。」とうなされ始めました。
同じ頃、伊勢にある西行(藤木直人)の庵に刀を持った清盛が・・・
西行「入道様、何故ここに?」
清盛「それが、わしにも分からぬのじゃ・・」
都から瞬間移動した!?
なんと西行の前に現れたのは清盛の生霊だったそうな・・・。
生き霊で最終回に繋ぐか!?
シュール、前衛的、観念的・・・・。
凄くじれったくて、平清盛の中でも最大級の散漫さを感じて腹立たしいほどの『平清盛・第49回』でした。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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