大奥〜誕生[有功・家光篇]第9話★堺雅人「身体も私だけのものに・・」
- 2012.12.08 Saturday
- 11:27
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公式に女将軍の座についた家光(多部未華子)が、行財政改革を果断に進めます。
財政難を踏まえて大奥の人員を100名削減するリストラ!!
この大奥リストラ要員100名を「吉原」に送り込み、相場より安値で「健康な男=子種」を提供できるシステムを構築して少子化対策。
これら諸問題が生じた背景である”赤面疱瘡パンデミック”で社会が疲弊しきっている様子が描けていないのが物足りないです。
−◆−
家光(多部未華子)は子作りルールも策定。
「女将軍と最初に契る男は大奥から選び、必ず内々に死罪と致せ。その男は将軍の身体に傷を付けるのだ。
一瞬たりとも何者かが将軍の上に立つことは許さぬ。」
有功(堺雅人)は、少し驚きつつも家光の仰せの通りにし、その者を「御内証の方」と呼ぶことに・・・。
こっこうキッツイことを言ってるのに、異を唱えない有功(堺雅人)。
12月8日のYTV『ウェークアップ!ぷらす』では、絵に描いた餅みたいな『経済成長』に言及してばかりでリアルな議論をしない日本未来の党・森ゆうこ氏に対してイラッときた司会の辛坊治郎が「真面目にやりましょうよ」と吐き捨てていましたが、有功(堺雅人)は家光の政策に得心しているようですね・・・。
かつては”直言・諫言”もいとわなかった有功が唯々諾々としていることに対して家光は「そなた変わったな。」「皆、わしの言うことに『御意』『仰せのままに』などと答える。将軍とはつまらぬものだな。」
「御意」って、もともと時代劇が本家だけど、今は『ドクターX〜外科医・大門未知子』の室井滋たちが毒島院長(伊東四朗)らの指示に矢鱈と「御意」と返事するのが耳に焼き付いちゃった。
で、少し寂しげな家光は「なにかを失うた気がするのじゃ。」「わしにとってかけがえのないものであった。」「分からぬか、そなたじゃ。」いつでも共に死んでくれると思うておればこそ、わしはこの大奥で居てはならぬ者のまま子を産み、生きて来れたのだ。」と、最後は”ら抜き”言葉で家光に語りかけます。
さらに「けれど今はいかに崇め奉られようと心の支えなく生きねばならぬ。わしは独りじゃ。独りきりじゃ。」と、打ち込まれたピッチャーみたいな孤独感を述べます。
これに有功は「上様の立場がいかに変わられようと私は私の心はあの頃と少しも変わりません。」
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サブタイトルが示した今週のハイライト・・・。
お夏(溝口左京=市川知宏)の娘を出産した将軍・家光(多部未華子)
産後の体調が整った頃、お夜伽に有功(堺雅人)を指名。
閨にやってきた家光(多部未華子)は飛びつくように有功に身を寄せて「やっと、やっと適った、ずっとこの日を夢見て・・・」
有功を抱きしめたまま「世継ぎも産んだ、もはやわしのすることに誰も文句は言うまい。」「有功、もうわしを離すな。二度と離すな。」
ところが有功(堺雅人)は家光から身を離し、正座の姿勢から手を前について頭を下げ「どうかお褥を、今後一切 お褥をご辞退させて下さいませ。」
拗ねた感じの家光は「なるほどな、何人もの男で汚れたわしの身体はもう抱きとうないか。」
有功は「ちがいます。ちがうのや。違う、違う。私かてどれだけ夢見たことか。今までどないな気持ちであなた様を見てきたことか。けれども、私は恐いのです。上様のお心といういつ変わるかもしれぬものに、すがって生きていくのが。」
家光はすがりつくように「頼む有功、わしを悲しませるな。わしの心はそなただけのものじゃ。誰の子を産もうと変わらなかった。」
間近から家光の目を見つめながら有功は「私は上様との子を為せませぬ。ですから上様は、これからも他の男をお側にお置きになることでございましょう。 けれど、けれども私も男です。心だけやない。あたなの身体も私だけのものにしなければ我慢できひんのや。」
平素は冷静で思慮深い賢者・有功(堺雅人)の抑えていた情愛の念がほとぼり出ました。
理の男が、内面の感情をさらけ出しました!!
有功は言葉をつまらせながら「どうか私を解き放って下さい。このような男と女の”恐ろしい業”から。」
BGMでMISIAが流れ始めています。
家光の頬に涙が流れ「そうか・・・そうか・・・わかった、有功。そなたもわしもなんと遠くまで来てしまったことかのう。」
哀しみをたたえる表情を表現する多部ちゃんは、やっぱり芝居が上手いなぁ。
以上が、サブタイトルの『あなたの身も心も私のものに』の場面でした。
毎回申し上げているように多部ちゃんと堺雅人との熱の入った演技は素晴らしいのだけど、ストーリーにもうひとつ入っていけないのが残念。
(MISIAの曲を被せても、感動的なシーンにならないんだもの・・・。)
愛しいあいながら一緒になれない家光(多部未華子)と有功(堺雅人)の『純愛物語・悲恋物語』に感情が反応しないのは、何が良くないんでしょうね。
脚本? 演出?
あと「私は恐いのです。上様のお心という、いつ変わるかもしれぬものに、すがって生きていくのが。」というセリフはどうとらえたらいいのか解釈しかねました。
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有功の”辞退宣言”を受けて寝間着のまま外に出た家光(多部未華子)を、上掛けを持った稲葉正勝(平山浩行)が追いかけてきました。
家光が「正勝、わしは独りきりじゃ。もはやわしを叱る者もおらぬ。寄り添うて慰めてくれる者もおらぬ。将軍とはそのようなものか。」
そして、長年”影武者・代役”を務めた正勝の心情に思い至った家光は「そなたこそ辛い立場に有ったのう。」
正勝は「上様、全て定めにございます。上様は生まれつき将軍となられる器であらせられる。こうなったのは必然なのです。」と静かに語りかけました。
家光「そなたの嫡男、正則が死んだのも定めか?」
正勝の心の痛みがぶり返すようなことを聞いちゃうのね!?
しかし平静を保つ正勝は「定めにございます。」
涙がポロリとこぼれた家光(多部未華子)は「死ぬのは許さぬ正勝、そなたは出家して僧となり父(先代・家光)と同じ”赤面疱瘡”で斃れた正則の菩提を弔うのだ。」
家光が定めを受け入れ、将軍職に気持ちを集中させるキッカケになったのかな・・この場面は、そういう意味??
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前回と同じく、クレジットが画面下に流れ始めた最終盤に江戸城大座敷に大名達が集められています。
凜とした家光が「春日局が亡くなって以来、空席となっておった大奥取り締まりの座であるが、このたび再びこの役目を設けることとした。」「大奥総取締とは大奥の中に居る全ての男を束ねる大奥の頭である。大奥の中に居る者は何事をするにしてもこの総取締の指示を仰がねばならぬ。」と演説。
玉栄(KAT-TUN田中聖)は、将軍の子の父となったお夏(市川知宏)が”大奥総取締”の座を家光にねだったのだと思い込んで苦虫を噛んだような顔になってます。
しかし玉栄の推測は見事にはずれ、家光が「この役目を万里小路有功に授けることにする。」と発表。
家光と有功の関係性だとか、座敷に有功(堺雅人)が居ないことを考えたら、普通なら誰が”大奥総取締”に就くのかは想像が付くはずなのにね・・・・。
玉栄は普段から”お夏”のことを苦々しく思ってるから、的外れな想像をしちゃったんでしょうかねぇ。
で、指名を受けた有功(堺雅人)が、”松の廊下的”な長袴を引きずって大座敷に入ってきて、大名達の面前で斜に構え「大奥総取締、万里小路有功である。皆改めて宜しゅう頼む。」
(思いっきり格好付けて斜に構えましたねぇ----そういう演出だから、堺雅人が悪いわけじゃない。)
家光(多部未華子)と有功(堺雅人)の間には、あうんの呼吸みたいなのが流れてる感じ・・・。
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相前後しちゃいますが、稲葉家の家督を継いだ正則=野乃 (山本舞香ちゃん15歳)は、顔立ちがクッキリしていて目を引きますね。
まだお芝居は素人で、南沢奈央と会話をしていると演技が随分と見劣りしますが、見た目の印象はなかなかのものです。
女優として演技力を身につけたら楽しみかも・・・・。
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以上、こんな感じの『大奥〜誕生[有功・家光篇]第9話』でした。
相変わらず、場面と場面をただ繋いだようなメリハリの無い流れ。
全般にジメジメ感が払拭できず、陰気で辛気くさいですねぇ・・・・。
平忠盛(中井貴一)の「心の軸が体を支え、体の軸が心を支えるのだ。」という名言風に申し上げますと、『大奥〜誕生』には
物語の軸が無い感じ。
なにしろTBSの主な連ドラ4本(『レジデント〜5人の研修医』『パーフェクト・ブルー』『MONSTERS』『大奥〜誕生[有功・家光篇]』)は、直近回が全て視聴率1桁だものなぁ・・・・。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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