「純と愛」第34回と「孤独のグルメseason2」第5話★朝ドラと深夜ドラマ
- 2012.11.08 Thursday
- 11:04
- NHKドラマ・番組
良くも悪くも灰汁の強さが特徴の『純と愛』ですが、今週は刺激が弱くなって退屈しています。
−◆−
愛(風間俊介)の言葉に従って正(速水もこみち)の結婚式に出席することにした純(夏菜)は「愛君も出れば。」と、大雑把な提案。
(都市部の結婚式場での場合は、突然出席なんてのは考えにくいけど、あとの場面を見たら砂浜に椅子を並べての屋外結婚式だったから自由度が高いのね。)
その流れで、純(夏菜)は実家の”HOTELサザン・アイランド”に愛(風間俊介)を連れて行って、善行(武田鉄矢)らと引き合わせちゃいます。
思いついたら、止まらない女子です。
で、一生懸命自己紹介した愛に善行(武田鉄矢)が「おい、何の用や。」「お宅ね、今、お仕事をやってらっしゃるんですか。」「お宅、あれ、高卒!?」などと慢性鼻炎みたいな声で失礼な物言いを連発。
善行(武田鉄矢)ってオッサンは、《大学不認可騒動》をひき起こした田中真紀子大臣がダミ声でヌケヌケと「 (3大学にとって騒動は)逆に良い宣伝になった。4、5年間はブームになるかもしれない。」と口にするのと肌合いが似てるかも・・・。
無神経、不躾、粗雑・・・・。
それはさておき、社会的地位なんて価値観を屁とも思っていない純(夏菜)と、愛の人格や人間性以前に、『高校中退で無職』という身分やステータスだけで愛を見下す善行(武田鉄矢)の”大人の価値観”を対照的に描くことで、作者のメッセージを表現したのでしょう・・・。
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海辺の結婚式が始まって、神父が「二人の結婚に異議が有る者がいれば今名乗り出よ。さもなくば一生その口を閉じよ。」とキリスト教式のお決まりのフレーズで参列者に問いかけます。
出ました、映画『卒業』のお約束パターン!!!
戸惑う正(速水もこみち)に向かって「正、私と結婚して。あなたは父親なの、この子の。家族3人で、一緒に暮らそう。私が、あなたを幸せにしてあげるから。」とマリヤ。
ここが、『純と愛』の独特の部分ですかね。
映画『卒業』では、ダスティン・ホフマンが結婚式に飛び込んできたけど、逆に女子のマリヤが割って入る男女逆転。
あえて『卒業』のありふれたフレームを用いながら、男女を真逆にさせて固定観念を小突いた感じ・・・。
そもそも、男女平等だとはいっても、まだまだ男から「お前を幸せにする」というのが定型的で、仮に女子から言わせるにしても「一緒に幸せになろ」くらいなんだと思うのだけど、マリヤがキッパリと「私が、あなたを幸せにしてあげるから。」と言うあたりに、『固定観念』を否定するこのドラマのコンセプトが滲んでいます。
頭の中で読み解くとそんな感じだけど、情緒的には胸には響いてこないのが『純と愛』の微妙な部分です。
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井之頭五郎(松重豊)は、神奈川大学の白石教授(入江雅人)に呼ばれて白楽駅を降り、神奈川大学を訪れた・・・。
ってことで、『学食』や学生が食事に来る六角橋商店街の洋食屋『キッチン友』で五郎が満足げに食べたり飲んだり・・・。
一番印象に残ったのは洋食屋『キッチン友』の場面。
人一人がやっと通れるような狭くて急な階段で二階に上がる五郎が<この急すぎる階段に、期待も急上昇だ。>
何気ない一言が、なんとなく趣のある響きに聞こえちゃう。
男子学生3人組がジャンボ定食を食べてる様子を眺める五郎は<唐揚げ、ハンバーグ、目玉焼き、エビフライ、とんかつ、スパゲティ、おまけに、ご飯まで乗っかってるあの感じ、『大人のお子様ランチ』だ。ジャンボが彼らにはレギュラーなんだろうなぁ。>
お子様でいられるのは大学生までだから『大人のお子様ランチ』でいいんですよ。
社会に出たら、お子様で居られなくなるもの・・・。
田中真紀子大臣は、就職しても使い物にならないような人間を生産する大学教育の質の低さを問題視して3大学を認可しないとか騒いでいたけど、田中真紀子氏ご本人があの歳になっても「お子様的」な振る舞いをしちゃったって感じでしたね・・・って、ドラマに関係ない。
以上、オッサン目線で「今風の学食」や「学生の食事」を眺める五郎の様子は、ほぼ同年代の小生にとってリアルで、自分がその場に居るような気分になります。
あと、商店街のせせこましさが心地良い。
そして、五郎(松重豊)の歩く速度から喋る速度までが全て抑え気味で、気忙しさを感じさせないのが良いですね。
せわしない現実社会では、セカセカと歩き、早口でまくしたてる人が多くて、気持ちが落ち着かないから・・・。
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というわけで、放送時間帯に雰囲気がマッチしてる『孤独のグルメseason2』と、朝とは思えない尖ったドラマ『純と愛』を並べた感想であります。
たまたま双方共に主人公の「心の声」が多いドラマですが、随分とムードの違うドラマですね。
『純と愛』は、朝ドラ枠よりも、現在は『恋するハエ女』を放映中の”よる☆ドラ”枠の方が似合ってるような気がします。
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