「梅ちゃん先生」第148回の”松岡暴走”と「トッカン」最終話の”鏡徴収官”
- 2012.09.20 Thursday
- 11:18
- NHKドラマ・番組
「梅ちゃん先生」第148回 (9月20日)と
「トッカン-特別国税徴収官」#10最終話
「トッカン-特別国税徴収官」#10最終話
まずは、超変人・松岡(高橋光臣)が面白すぎる『梅ちゃん先生:第148回』
信郎(松坂桃李)と梅子(堀北真希)夫婦が立会人になって、いよいよ松岡と聡子さん(大谷英子)のお見合い開始。
合唱団に入っていたという聡子さんに、松岡が「合唱は集団でやるっていうところがイイですね。」
まとも返事ができたのかと思ったら「一人ぐらいサボって声を出していなくても分からない。」とコケそうな言葉を付け加えちゃいます。
場が凍り付き、永遠かと思えそうな3秒ほどの短い時間をはさんでから松岡が真顔で「今のは冗談です。」
本人が冗談だと説明を加えても笑えない雰囲気が漂ってしまいました。
あの松岡が冗談を言ったのですから、かなりの気遣いを見せたと言うことではありますが、思いっきり逆効果でした。
で、余談ではありますが「一人ぐらいサボって声を出していなくても分からない。」というセリフを聞いて、デーモン小暮閣下が、音楽ユニットの一人だけをクチパクにすることも可能で、声が出ない高音部だけをクチパクにすることも今の音響技術ならできるってテレビで語ってたのを思い出しました。
例えば『梅ちゃん先生』のテーマ曲「さかさまの空」の”街の音〜は、泣き声を消して・・♪”とか、ヤバイ部分だけをクチパクにできちゃうらしい。
昭和34年(王さんが新人の年)の松岡が冗談で言ってることが、半世紀を経た今では技術的には普通にできちゃうのであります。
だけど、前の日曜午後6:10〜放送されたNHK『MJ』のKAT-TUNのクチパクは、”いっこく堂”の「口の動きより声が遅れて聞こえる芸」みたいで、酷いものでした・・・。
あらま、思いっきり脱線しちゃった。
−◆−
聡子さんに趣味を問われた松岡は、「趣味・・・・・・」と顔を二時の方向にして考え込みます。
おもむろに「昔はドーナツの穴に関して考察するのが趣味と言えば、趣味でした。・・・その考察には一区切りつけまして最近は〜〜。」
梅子(堀北真希)が「えぇ、また何か考察してるんですか!?」と当惑顔で口を挟んじゃいます。
松岡は手振りを添えながら「ある勉強が出ない生徒が、勉強ができるようになる薬を発明しようとして一生懸命勉強したら、結果として勉強ができるようになったとします。この場合の勉強というものは・・・・いや、やめておきましょう。」
『宇宙大作戦 第37話:超小型宇宙船ノーマッドの謎』で、カーク船長が、自我を持つ超ウルトラ・コンピュータ”ノーマッド”と繰り広げた”命がけの禅問答”みたいな松岡の哲学的考察!!!!
地球人離れしていて、ほとんどヴァルカン人であります。
−◆−
気を取り直して聡子さんが「大学ではどんなご研究を?」
松岡が膠原病の一種である”全身性エリテマトーデス”の治療法などについて、噛み砕くこと無く熱心に語り始め、困惑気味の聡子さんに気を遣った梅子が「もう少し素人でも分かりやすい説明ってないんですか・・」
松岡は「素人が分かる必要はありません。」
ゴーン・・・と寺の鐘の音。
−◆−
松岡が、どのような結婚生活を理想と考えているのかを聡子さんに質問。
聡子さんは「いつもたのしく笑顔の絶えないような家庭にしたいと思っています。」
すると松岡は少し考え込み「そんなに四六時中笑うほど楽しいことが有るものなんでしょうか??」と真顔で追加質問。
暴走状態の松岡は「パーセンテージで言うと、どのくらい笑えば良いんでしょう?」
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聡子さん「シ〜ンとしてチリ一つ無いような家よりは、少し散らかっていても人間的な家庭にしたいと思っています。」
経験値や論理を一義とする松岡は「結婚したことが無いのでイメージがどうも・・・」と言い始めました。
またまた顔を二時の方向に向けて視線を誰とも合わせないでいる松岡が突然「あっ!」
「結婚してみないと分からない・・。しかし、分からないと結婚する気にならない。この堂々巡りは、さっきの勉強ができるようになる子の話しとも通じるなぁ・・・。」と、勝手に一人で納得しております。
カラスの鳴き声が聞こえ、聡子さんは松岡を放って置いてお菓子に手をつけ始めました。
要するに、上戸彩が「私に沢山の青春と、まっすぐな笑顔をあたえてくれました。」と表現したHIROのような人間と、「パーセンテージで言うと、どのくらい笑えば・・・」の”松岡”では、かなりタイプが違うと言うことに尽きます。
『人間的な家庭』を望む聡子さんと、『地球人離れ』していていてヴァルカン人・スポックとアンドロイドのデータ少佐を足したような松岡(高橋光臣)とでは、会話がすれ違って当然です。
結局、カラスの鳴き声しか聞こえない”お通夜状態”と化した部屋から聡子さんは帰って行きました・・・。
松岡は「今日は哲学的に非情に興味深い体験でした。新しい命題も見つけることができた。」と信郎(松坂桃李)と梅子(堀北真希)に見合いの感想を述べました・・・。
100%変人なんだけど、上手くコミュニケーションを取れずに見合いが不調に終わってしまったことで、心の底では少し傷ついていたりして・・・。
−◆−
アメリカから帰ってきてからも変人全開の松岡(高橋光臣)って、『梅ちゃん先生』の終了と共にこのまま消えるちゃうは勿体ないような登場人物。
スピンオフさせて『松岡先生の事件簿』とかやってくれないかなぁ。
湯川(福山雅治)の『ガリレオ』みたいに、ユニークな人物が事件を解決するパターンで・・・。
同じ不器用なタイプでも、『リッチマン、プアウーマン』の日向徹(小栗旬)あたりよりは、松岡(高橋光臣)というキャラの方が味わい深いから、面白い気がするのだけどなぁ・・・。
このキャラを上手く育てれば『Dr.HOUSE』のハウス(ヒュー・ローリー)並みに興味深い登場人物にある可能性を感じます・・・。
とにかく、松岡が可愛らしいわ。
−◆◆◆◆◆−
さて井上真央の『トッカン-特別国税徴収官』最終話。
これまでも散々酷評してきたので、いまさら事細かに書くことは無いのだけど、《人物造形》という意味合いで鏡・徴収官(北村有起哉)と松岡(高橋光臣)を比較せずにいられません・・・。
最後の場面。
問題が一件落着して、お洒落にワインを飲む鈴宮(井上真央)芽夢(美波)千紗(木南晴夏)と、”X星人サングラス”の鏡(北村有起哉)・・・。
最後まで、北村有起哉がこういう役を演じてることに馴染めないよう〜〜。
(だいたい、インドアで”X星人サングラス”は変だぞ!!)
携帯に「S(差押え)」の連絡が入って、渋くキメていたいのに、つい笑いが出ちゃう鏡(北村有起哉)・・・。
『滞納税を徴収する仕事に生き甲斐と快感を感じている変わり者』という鏡徴収官のキャラの可笑しさを表現した場面なのに、残念なことに松岡(高橋光臣)ほど面白くない。
変人だけど隠れた温かさや包容力を持っている鏡鏡徴収官という登場人物から、格別の魅力が滲んでこないと『トッカン』という物語は魅力半減です。
これは北村有起哉の演技力のせいではなく、そもそも役と役者の相性の問題だと思うのです。
配役の問題。
たとえば横浜DeNAの”ラミレス”に2番打者を打たせるようなミスマッチ感・・・。
あるいは、レスリングの”吉田沙保里選手”に福原愛選手とペアを組ませて卓球代表としてロンドン五輪に派遣する違和感・・・。
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ミスマッチ、違和感と言えば、主題歌にMr.Children「hypnosis」を用いたのも、決定的にズレていたと感じます。
『梅ちゃん先生』の「さかさまの空」はドラマの雰囲気と無難にマッチしていますけど、あの原作小説からドラマ版『トッカン』にMr.Children「hypnosis」を充てようと思いつく発想に驚かされます。
主題歌にせよ、初回の大島照夫(泉谷しげる)・史子(りりィ)夫婦のエピソードやら、父・益二郎(塩見三省)と鈴宮のあれやこれやにしても、陰気に描き過ぎちゃったように思えて仕方がありません。
(このスタッフで『ドラえもん』を実写化したら『デビルマン』が出来上がるような気がします。)
こんな感じで、総じて演出や脚本の出来映えが芳しくないドラマでした。
最初から誰もが三流ドラマだと気づいている『ビギナーズ!』より、制作側はA級気取りの『トッカン-特別国税徴収官』の方が”期待外れ”という面ではキツかったです・・・・。
こんな有様なのに、平均視聴率が”ギリギリ二桁の10.5%を残せたのは、井上真央ちゃんファンが多いからかなぁ??
あと、五輪期間中の8月1日と8月8日の放映を”休止・中断”して、五輪のあおりで7.8%まで落ち込んだ『平清盛』みたいに悲惨な低視聴率回を作らずに済んだのが功を奏したのかもねぇ・・・。
で、『トッカン-特別国税徴収官』が終わった瞬間に武井咲の顔が大写しになって『東京全力少女』の予告。(微妙にイラッとくる)
武井咲と剛力彩芽をこれでもかとドラマやCMにゴリ押し出演させて、《上戸彩・結婚》の余波で減るオスカー・プロモーションの収益をカバーするのだ!!!、
数で勝負なのだ〜〜〜〜。
で、『息もできない夏』の最終回の平均視聴率は8.6%(全話平均9.79%)・・・。
『Wの悲劇』に続いて、またもや一桁ドラマ。
剛力も武井咲も「オスカー・ゴリ押しドラマ」は数字が取れない。
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