リッチマン、プアウーマン#11(最終話)小栗旬「地球の裏側、それが何だ」
- 2012.09.18 Tuesday
- 12:27
- フジTV系ドラマ、番組
リッチマン、プアウーマン#11(最終話)
「君のもとへ…二人の未来」
「君のもとへ…二人の未来」
ハッピーエンドで、画面の右隅に「See you again」とテロップが出て終わりました・・・。
−◆−
さて、天才IT技術者だけど、人間の感情に関しては不器用を通り越して、麻痺レベルの日向(小栗旬)は、自分の気持ちを素直に真琴(石原さとみ)に伝えられない。
やや遠回しにNEXT INNOVATIONに来るように真琴に言ったのですが、彼女は夜が明けても現れませんでした。
電話しまくりの日向。
不在着信が溜まりまくりの真琴。
ついに真琴が不在着信にタッチして通話。
「会いたくないんです。済みません行けません。」
日向「なんだそれは! 会いたくないってなんだ?」と、本心に反していつもの偉そう口調。
真琴「つらいんです。日向さんのことが好きすぎて辛いんです。---シクシク----だから会いたくないんです。サヨナラ。」
スマホのメモリから、NEXT INNOVATIONの社屋前で取った日向とのツーショット写真を削除する真琴・・・。
『好きすぎて』云々という言葉を聞いても、真琴の感情をうまく理解できない日向は、服役中の朝比奈に面会して「頼む、朝比奈教えてくれ。好きすぎて辛いって何だ??」と聞いちゃう純情ぶり・・・。
日向(小栗旬)はピュアすぎて、他者の気持ちの推測力などが欠落しております。
−◆−
Stel製薬の研究員としてブラジルに行くことになった真琴(石原さとみ)が、いよいよ出発する日。
空港の搭乗手続きで並んでいる真琴のスマホがブルブルとバイブレーション・・・。
「僕の電話には必ず出るんじゃ無いのか。そこを動くな。」と日向の声が聞こえます。
スマホの通話では無く”ナマ声”。
日向(小栗旬)が成田空港まで追ってきたのでした。(東京から走ってきた!?)
真琴に向かって「なんで何も言わずに行くんだ!」「お前に言いたいことがあったんだ。」
日向がモジモジしながら「好きすぎて辛いってなんだ?」「僕はそう言うのよく分からない。何で辛くなるよ。好きならそばに居ろ。辛くても僕のそばに居れば良いじゃないか。」
エモーショナルチップをつけていない時の『スタートレック』のデータ少佐みたいな発言・・・。
真琴は「居たいですよ。」「分からない? 何それ?」と、日向を責めます。
さらに「会いに来いと言ったり、そばに居ろと言ったり、人にはああしろこうしろと言うくせに自分の気持ちは全然言わない。」「そういうときの、こっちの気持ち分からないって・・。バカ! 日向さんはバカです。 もういいです。」と、言葉を吐き出します。
免許証を取らないまま、”しずかちゃん(水川あさみ)”を30歳まで待たせている”のび太(妻夫木聡)”と日向では、どっちがバカでしょうか!?
−◆−
そのままトランクを転がして立ち去ろうとする真琴に「待て! じゃあ、こう言えばいいか。お前のことが好きだ。どうだ納得したか?」と日向。
真琴「じゃあって何ですか!」
日向「言ったんだから文句言うな。」
真琴「何か気持ちこもってないというか・・・。」
日向は改まった態度で手に持っていたジャケットを羽織り「夏井真琴。僕はお前のことが好きだ。だから僕のそばに居ろ。」と、日向らしい表現で心の内を伝えました。
真琴は混乱気味に「でも、仕事が、ブラジル・・」
日向「じゃあ行け」
もしも真琴の行き先が、あの”中華人民共和国”だったら行けとは言わない??
で、真琴は「ブラジルですよ、この下のずっと、地球の裏側ですよ、距離にしたら1万8590キロメートル先 ∋#■◎○#※▲¥▽…〜―」と、神経がショートしちゃってます。
(「可愛い」と「ウザい」の境目状態)
”サバンナ八木”の「ブラジルの人〜〜」というギャグが小生の頭をよぎったとき、日向が真琴をぐっと引き寄せ、日本一有名かもしれない”たらこ唇”にキス!!!
「地球の裏側、それが何だ。そんなものは僕がどうにかしてやる。お前には僕の仕事が分かってない。1万8590キロ、関係ない。隣にいるように今一緒に笑えるようにしてやる。それが僕の仕事だ。どんな距離も無くしてやる。だからお前は行け。」
格好いいことを言うなぁ!!
イケメンが格好いいこと言ったら、我々フツー男の立場が無いではないか!!
日向は「でも、いくら僕でも1万8590キロ離れているとキスはできないから、だから今しとく。」と、
人目もはばからず空港ビル内でキス・・・。
以上、オーソドックスで古典的なラブストーリー部分は、小栗旬と石原さとみのビジュアルや個性が相まって、可愛らしく収まりました。
《空港・出発間際》という”絵に描いたような展開”でしたが、例えば『ビギナーズ!』の”Kis-My藤ヶ谷”と”ゴリ押し・剛力彩芽”のペアなどと比較すると、見た目だけでも小栗旬と石原さとみの方が洗練されてる感じがあって、垢抜けた絵面になりますねぇ。
−◆−
真琴がブラジルに発ってから1年9ヶ月後。
出所した朝比奈(井浦新)がNEXT INNOVATIONに出社。
あれだけの事件を起こしておいて、よくぞまぁ復帰できるもんです。
神経太いです。
そうこうしてると、ブラジルから日向とPCモニターを通じてチャットしてると思われた真琴が、NEXT INNOVATIONに現れました。
例の壁の前で日向と抱き合う真琴。
社員の前でイチャつくな!!
ま、社員が祝福ムードだから仕方ない。
そして壁の前で社員全員が記念写真。
額に入った写真を見つめた日向が「悪くない。」とポツリ。
孤高の男だった日向徹が、「集団」に対して価値観を覚えたのであります。
で、真琴(石原さとみ)は社長夫人決定かなぁ・・・。
(所属事務所『LDH』の代表取締役社長も務めるEXILEのリーダーHIROと結婚した上戸彩は、リアルに社長夫人であります。)
番組のキャプションにあった『プリティ・ウーマン』や「シンデレラ・ストーリー」とは少し違う感じがしないでもないけど、まあハッピーエンドでメデタシ、メデタシ〜〜。
セットやキャストやらも、おおむねお洒落でスッキリしたドラマでした。
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安岡(浅利陽介)が「WONDER WALL」の鍵を回収せずに真琴に持たせたままにしたのは”超能力”でしたねぇ。
真琴がスマホに保存していた日向とのツーショット写真を消去してしまい、あとから『写真立て』を探すために「WONDER WALL」の鍵を開けて入るのを予知してた!!
安岡は『未来日記』を持ってるな!!
安岡が『写真立て』を持ち出していたからこそ、真琴から電話が入って、日向が真琴とコンタクトを取ろうとするキッカケになったですものねぇ。
安岡は妖精か、愛のキューピットか!!
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毎週同じことを書き続けてきましたが、企業部分や『全国民個人情報管理システム=パーソナルファイル』にまつわる話は、最後の最後まで穴だらけ、隙だらけでした。
前回は『パーソナルファイル』が出てこなかったので、スッキリしていたのに、今回またぞろエピソードが入って来ちゃってました。
JIテック役員室。
スーツの上着を脱いでベスト姿の日向が深々と頭を下げて
「パーソナルファイルを作らせてください。」
一般的に、こんな風に相手に頭を下げるときには社会人たるものはスーツの上着を着て、起立時にはボタンをはめるものです。
それが組織人のマナーです。
少なくとも日向は新会社「WONDER WALL」を立ち上げて営業周りしながら常識や社会性を身につけたといいう設定だったはずなのに・・・。
脚本家・安達奈緒子氏は、この期に及んでも日向がマナーに無頓着であることによって、彼を”風雲児”として際立たせたいのかなぁ??
空港の場面では真琴の前でわざわざジャケットを羽織って気持ちを伝えたのに、企業 対 企業の場面では上着を着ないってのは矛盾しないかい??
さて、JIテックとの出資交渉が始まりました。
日向「成果は全てお渡しします。権利も利益も報酬も全て放棄します。そのかわり賠償金を減額してください。」
JIテック「資金はどうするんだ」
日向「JIテックさんからお借りします・・・借りるって言うのも面倒くさいな。50億ください。」
「悪い話しじゃない。100年規模の事業が手に入る。”パーソナルファイル”は完成すれば100年以上この国の人々の生活の基盤になる。電気や鉄道や道路と同じインフラになるんですよ。」と自信満々。
「あなた方が今発売されている家電製品は発売されて5年も経てば新製品が出て廃れる。でも、パーソナルファイルは違う。一度人々の生活に浸透してしまえば永遠に使われる。JIテックが新しいインフラを生み出すんですよ。それもたったの50億で。」
変化の激しいこの時代に、『100年以上』だとか『永遠』などと言ってのける日向の凄い自信には舌を巻きます!!
(”ビル・ゲイツ”でもWindowsが「永遠」にOSの座を占め続けるとは思ってないと思うなぁ。)
そもそも、全11話を通じて『全国民個人情報管理システム=パーソナルファイル』が、そこまで夢のあるツールに見えなかったから、日向のセリフに説得力を感じません。
社会保障シミュレーション・ツールなのか、「住基ネット」と「マイナンバー(社会保障・税番号制度)」を統合したシステムなのか、全体像が分かりません・・・。
市民側のメリットは、何歳で年金がいくら貰えかをシミュレーションできることと、役所に行かなくても住民票を取得できることぐらいしか見えてこない上に、ビッグデータ取り扱いに関する”負の部分”は抜きに描かれていて、楽観的すぎるきらいがありました。
そんなこととは関係なくドラマは進み、スペシャルゲストのJIテック宇田川社長 (石坂浩二)が登場して「ハハハハ面白い話しだね。」
運用実験に成功すれば正式に50億円出資するという宇田川社長は「ただ、一週間でできますか?」
日向「ふっ、3日でできる・・・・嘘です、2週間頂けますか。」
朝比奈がインターフェイスの仕様をいじっていたものを、日向バージョンの『全国民個人情報管理システム=パーソナルファイル』に戻すだけだから、なんとかなるのかなぁ。
同システムについて「総務省から委託されながら立ち消えになっていた」なんてセリフもありましたが、本当に社会的な部分や企業部分の脚本が弱かったですね。
宮仕えをしていた職業人の経験からすると、スッカスカです。
−◆−
ブラジル行きの真琴とすれ違いになった日向が、部下たちに真琴の行方を捜させた場面。
安岡「社長命令です。真琴の居場所を探してください。製薬会社社員のSNS全部当たって・・日向社長が夏井さんに会えなくなっちゃうんですよ!!」
しばらくして女子社員が「一緒にブラジルに行く女性社員が呟いています。スカイトップエアラインです。」
《壁に耳あり障子にNEXT INNOVATION 》ですわ。
非匿名のSNSなどをたぐって特定の人物の居場所を特定しちゃうって、『全国民個人情報管理システム=パーソナルファイル』への楽観的態度と同じ匂いがする場面。
すでに、そう言う世の中なんですね。
というわけで、背伸びした企業部分などがかなりダメダメだったし、枝葉の部分で辻褄が合わなかったりしましたけど、かろうじて小栗旬と石原さとみのラブストーリーを軸にして乗り切った『リッチマン、プアウーマン』でした。
今思うと、真琴(石原さとみ)が澤木千尋を名乗る必然性は無かったような印象が強く残ります。
日向が必死で探していた実母・澤木千尋(萬田久子)への興味もあっさりと冷めてしまいましたしねぇ。
燿子(相武紗季)との三角関係も大したことなく終わり、
乃木(丸山智己)に至ってはほとんど存在意義の無い人物で終わりました。
恋愛パートがこの進み方だったら、燿子が居なくても大差なかったかも・・・。
朝比奈(井浦新)が真琴(石原さとみ)に思いを寄せたエピソードも要らなかったんじゃないですかね。
これだけ脚本に不具合があって「平均視聴率12.4%」は大したもんです。
良くも悪くも、最近のフジテレビっぽいドラマでした。
『ゴーストママ捜査線』が狂気の最終回2時間拡大版を流してたけど、あれに比べたら『リッチマン、プアウーマン』の最終回は潔いわ。
◇◆◇ 連ドラなど感想 ◇◆◇
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◇◆◇ 大河ドラマ『八重の桜』感想 ◇◆◇
★第13回「鉄砲と花嫁」 第12回「蛤御門の戦い」
第11回「守護職を討て!」
第10回「池田屋事件」 第9回「八月の動乱」 第8回「ままならぬ思い」
第7回「将軍の首」 第6回「会津の決意」 第5回「松陰の遺言」
第4回「妖霊星」 第3回「蹴散らして前へ」
第2回「やむにやまれぬ心」 第1回「ならぬことはならぬ」
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