リッチマン、プアウーマン#4〜小栗旬と日本の大魔王(井浦新)が対立!?
- 2012.07.31 Tuesday
- 12:06
- フジTV系ドラマ、番組
ロンドン五輪の『柔道』の一番美味しいところが始まる前にフジTVの中継時間が終わって『リッチマン、プアウーマン』が始まってしまった??
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今週の気に入った場面・・・。
大手企業”JIテック”との資本提携話。
朝比奈(井浦新)が渋る日向(小栗旬)を引き連れて、JIテックの役員が待つ高級中華料理店の個室へ・・・。
すでに役員4名が中華料理を小汚く食べています。
『千と千尋の神隠し』で、豚にされたお父さんとお母さんが悔いまくってる場面を思い起こさせるほど感じの悪いJIテック御一行様。
この様子に嫌悪したのか、スーツ姿の日向が「この話は・・なしだ!!」
スープ状の (中華あん?)ものが溜まった深皿に、契約書をぐじゅっと叩き付けた日向。
「技術もノウハウも、この分野ではおたくよりもウチの方が上だ。古くさいシステムで不具合起こして、デカイ顔してる時点であんたらは終わってる。共倒れする気は無い。」
遊び人の金さんが啖呵を切るみたいな痛快さ!!!
井浦新の「崇徳院・怨霊」で初めて面白く感じられた『平清盛(第30話)』と同様に、スーツ姿の日向が啖呵を切った小気味の良さで、初めて『リッチマン、プアウーマン』が面白く感じられました。
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さて、最初から・・・。
日向が取り組む『国の個人情報集中管理システム』の進捗状況が思わしくなく、苛ついて部下の小川(中村靖日)と細木(植木紀世彦)に厳しい言葉を投げかねます。
日向「僕を驚かせてみろと言ったんだ。」
小川「パーソナルファイルは国が運営するんですよね。国に受けるのはああいう標準的なやつですよ。」
日向「だから、新しいモノに軒並み尻込みする客を、力尽くで振り向かせろと言ってるんだ。」
「高機能で見た目が良くて圧倒的に動作の速いインターフェイスを突きつけて、こっちがほしいと言わせてみろ。」
日向の突破力とか固定観念に縛られない意欲は立派や。
でもね、ビル・ゲイツからスティーブ・ジョブズ、Facebookのザッカーバーグ、TwitterやLINEを世に広め、社会に変革をもたらしたITクリエーターたちだったら、国が運営する「パーソナルファイル・システム」の設計になんか絶対に手を出さないと思うんですよねぇ・・・。
「パーソナルファイル・システム」の発想自体は、1968年に佐藤内閣が国民総背番号制の導入を目指す「各省庁統一個人コード連絡研究会議」を設置したころから原始的ではあるけど存在し、80年代には「グリーン・カード(少額貯蓄等利用者カード)」制度がいったんは法案が成立・・・。

それに、国民総背番号制への根強い忌避感を差し置いて、日向が入れ込んでる『国の個人情報集中管理システム』に夢が感じられます??
要するに、カリスマIT開発者・日向徹(小栗旬)が手を付けるには『国のパーソナルファイル・システム』ってのは、手垢が付きすぎているし、新鮮味が欠落してる印象なんです。
家のパソコンで住民票や印鑑証明を取れたりして至便性が高まるだけではなく、社会が変わるような夢のある提案を日向が出来ればいいんですけどね・・・。
そもそも、革新者は国家と距離感を持って新しいモノを生み出すイメージがあるし、「高機能で見た目が良くて圧倒的に動作の速いインターフェイス」なんてセリフ自体が当たり前すぎて陳腐です。
変な髪型で電動バイク「YikeBike」に乗ってウロウロしても、カリスマオーラは描ききれません。
革新をもたらすイメージがなければ、高慢な変わり者でしかないです。
ま、所詮はドラマ用の”作り物の人物”でしかないから、本物のデジタルクリエイター猪子寿之氏みたいな魅力は滲まなくても仕方が無いのだ〜〜。
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「NEXT INNOVATION」が、インドの体育館を勝ってまるまるサーバールームにするため山上(佐野史郎)が、あちらさんと交渉・・・。
朝比奈(井浦新)が「情報自体はどこに集積されていようが地球上のどこからでも引き出せる。莫大なデータを土地代の高い日本に置いておく必要はない。」と語っております。
これで斬新なことを言ってるつもり??
もう新しい発想ではないでしょ〜〜。
どうして”井浦新”に、こんなつまらないセリフを与えちゃうかなぁ・・・。
『平清盛』の”崇徳院の生き霊”くらいインパクトのある役どころに出来ないのが惜しいわ。
しかし、主役はあくまでも”小栗旬”だから、”井浦新”の演技がめだってはイケナイのだ〜〜。
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8年前に大学が開放した古い学生会館の一室から会社を起業した過去にフラッシュバック。
『登録者数100万人突破』を喜んで空き地で派手な花火をする若き日の朝比奈(井浦新)・・・。
5年前には、強気の株公開で時価総額1060億円
日向と朝比奈がグータッチして喜んでる。
その頃の会社の”NEXT INNOVATION”と書き込んだ壁を工作機で剥がしとった日向と朝比奈。
花火とかで無邪気な若さを描いたベタな回想場面でした・・・。
(同じ花火でも、映画『ゴールデンスランバー』の堺雅人、竹内結子らの回想場面はヨカッタよなぁ!!)
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千尋(石原さとみ)のバイト先のオーナーが税務等での分かりにくさをこぼし、東大生・千尋に帳簿を差し出してます・・・。
千尋「他に不便を感じることは無いですか、前金とか年金とか保険とか・・・」
このオーナーの言葉に触発されて300人アンケートを思いついた千尋が、区役所に出向き、聞き取り調査開始。
そんなこんなで、老人に聞き取りをしているウチに、警官に振り込め詐欺犯と間違われて警察に連行。
千尋が取り調べ室で丼を食っていた”古典的なギャグ”が可笑しい。
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深夜、警察から連絡を受けた日向が仕方なく千尋を引き取りました。
オフィスに連れて帰って、千尋に『個人情報集中管理システム』を試用させますが、何度試みてもうまく使えません。
これで日向がひらめいて「機械はバカが使えないとダメなんだ」
「このプロジェクトは何を作るかでは無くて、誰が使うかなんだ。」
実際、IT機器って、分かる者だけが使うモノだと言わんばかりの製品が多い。
手近なところで言えば、パソコンのキーボードからして『Alt』『Ctrl』なんてキーはサイテーです。
前に”PC教室”の運営に携わったときに思ったのは「マウスが老人には使いにくい」ってこと。
手が小刻みに震えていて勝手にダブルクリックになったりして、老人向けのインターフェイスとしては使い勝手が悪いことこの上ない。
だから、誰でも使える”シンプルなインターフェイス”に思い至った日向は、大きな進歩です。
そんなこんなで日向とシステムの話をしてるうちに千尋がふと思いついて「パーソナルファイルって戸籍ですよね。じゃぁ澤木千尋を見つけたくて・・・」
カリスマ日向が手を出すとは思えない『個人情報集中管理システム』に入れ込んでいたのは、母への思慕だったのかぁ・・・。
得心は出来ないけど、一応の動機付けにはなりますかね・・。
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千尋が使いにくそうだった「格好いいインターフェイス」から、一晩であっという間に「シンプルな新インターフェイス」に全面的に作り直した日向は、やっぱり天才かぁ??
人の使い勝手を考えはじめ、人間らしさが出てきた日向を目の当たりにして、嬉しそうな千尋。
(石原さとみが、へらへら、でれでれ・・。)
暇を持てあまして可愛い仕草の千尋をチラ見する日向。
千尋が日向に促されてPCにログインするとお化けが出てきて、ビビりまくる千尋(ブリッ子か〜〜古っ!)
なんとなく双方が意識して恋の予感・・。
だって、半端だけど、これでもラブストーリーだもの・・・。
小生は梅子(堀北真希)とノブ(松坂桃李)が意識しはじめた『梅ちゃん先生』の方が好み・・・。
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最初に書いた大手との提携話が不調になって、朝比奈はご機嫌斜め。
彼が”日本の大魔王”になったらどうするよ。
朝比奈は、新しいインターフェイスを「シンプルすぎて・・・。」と評します。
日向は「誰でも普通に使える。そういうものを最高という。」
さらには大手との提携話で路線が別れたことも含めて「朝比奈、初めて君に失望したよ。」
(鳩山由紀夫元首相には失望しっぱなしで、もはや失笑であります)
一方、日向は、これまでバカにしていた小川(中村靖日)や細木(植木紀世彦)たちに「ここからは僕一人では作れん」として、プロジェクト参加と協力を依頼。
日向の”独りよがりな性格”が治っちゃって、良い人になりつつある!?
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千尋をインターンシップとして雇うとして社員に紹介しようとした日向は「名前を聞いてなかったな」

これが本当に本名なのね??
ということで、資産250億の男・日向は初回の頃よりだいぶと変化しました。
で、ここまでラブストーリー、シンデレラストーリーはまだ半端・・・。
急成長ITベンチャーを舞台に、背伸びしたり大風呂敷を広げてして話を進めてるけど、脚本が弱くて説得力がない。
あと、”澤木千尋”の謎は完全に終了したと考えて良いのかな??
日向の『母を訪ねて三千里』は、この先もうどうでも良くなった??
本物の澤木千尋(萬田久子)は??

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