平清盛 第17回「平氏の棟梁」〜常盤(武井咲)は俺の心の支え
- 2012.04.30 Monday
- 12:32
- NHKドラマ・番組
今回から《第2部》なんだそうな・・・。
相変わらずセットは豪華で、衣装は美しいし、配役も多彩。
ただ物語が見事に面白くないだけのことです。
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棟梁の座に就き「亡き父上の固き志を継ぎ、武士の世を目指す!」と宣言する清盛!!
小生が多少なりとも大河ドラマらしさを感じたのは、ここだけですわ。
主人公の目指すものが、シンプルに出てた。
しかしながら、清盛が少々緊張して一門の前で「平清盛である」と自己紹介をしてしまい、笑いを取ったのはどうなんでしょうね。
ユーモアは必要だと思うけど、なにもこの場面でゆるめなくても・・・
ここは、バシッと”決め”の場面にしたほうがカッコいい。
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弓矢の鍛錬の場面。
平氏一門を受け継ぐと父から説かれた重盛と基盛が矢を射ます。
真面目で力が入りすぎの重盛。
力が抜けすぎの基盛。
そして清盛の弟・頼盛は弓の腕前を見せ、経盛はヘロヘロで、教盛は的を矢の威力で破壊。
侍大将・伊藤忠清(藤本隆宏)は教盛を上回る破壊力!!
面白い場面でしたねぇ・・・と思いたいけど、なにか描き切れていないモノがある気がしました。
清盛、重盛、基盛、頼盛、経盛、教盛の相互の力関係や今後の関係性を覗わせようとしたんだとは思うのだけど、ただの弓矢合戦で終わっちゃった可能性が高いんじゃないですかねぇ・・・。
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平氏一門による棟梁就任パーティ。
棟梁の妻となった時子(深田恭子)が、やっちまいました。
宴会で清盛が「存分に食うがよい!」と述べるも、御馳走の数も内容も思いっきり貧相・・・。
(お誕生パーティでケーキが出てくるはずのところに、うまい棒が皿に盛られて出てきたみたいな)
時子が台所を差配し誤ってしまったのでした・・・。
時子、やや逆切れ気味に「今から魚を捕ってきます・・」云々・・・。
すごく面白い場面ですねぇ・・・と言いたいのだけど、時子のピントの外れ方が極端すぎない??
『平清盛』における”笑いのツボ”が、小生のとはすれ違っております。
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食い物がない代わりに「耳を満たしては頂けませんか。」として琵琶の演奏を披露するように頼盛がナイスフォロー!!
しかし時子は琵琶を弾こうとしません。
清盛がキレて「それでも棟梁の妻か!」
(主人公のくせに、腹の小さい男って印象)
いやはや、笑いあり怒りありの、難儀な宴になりました。
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藤原家成(佐藤二朗)が、自身の別邸で催す歌会で清盛に一首詠んでほしいといって誘ってくれました。
体育会系の清盛は文科系行事「歌会」を不得手としているので、「それだけはなにとぞ・・・」と回避したい旨を表明。
すると息子・基盛が「フフフ、棟梁が歌を詠めず、妻が琵琶を弾けずでは、話になりませぬわなぁ〜〜」と茶々を入れます。
時子も基盛のツッコミに微笑んでおります。
いやはや「平氏の棟梁」に対してクソ生意気な息子であります!!
手打ちじゃ、手打ちじゃ!!
しかし笑いの場面として穏便に進むのであります。
家成も笑みを浮かべながら「お題は春」
さて、この歌会ですが、家成(佐藤二朗)が棟梁に就任した清盛のことを思って好意的に声をかけたんですよねぇ・・・。
ですが、小生が散漫な気分で見ていたせいか、その辺のところが抜け落ちているようにも感じちゃいました。
せっかく佐藤二朗を使うなら、もう少し出番を増やしたらメリハリがつく気がします。
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清盛は、なんだかご機嫌の源義朝(玉木宏)と出会い、側室になった常盤(武井咲)を紹介されます。
義朝「覚えておらぬか、いつぞや市で会うた酒売りの娘じゃ」
きっと、《みすぼらしい身なりの酒売りの娘(武井咲)》と《平安美少女・常盤御膳(武井咲)》は、別人だけど「この世のどこかに自分とそっくりな人間がいて」って、それは『Wの悲劇』じゃ・・・。
で、義朝(玉木宏)は堂々と「常盤は、俺の心の支えなのだ」
ダメ大河『天地人』を支えたのは常盤貴子だった。(関係ない)
側室制度があるから良いようなものの、現代に置きなおせば『モデル・冨永愛と料理研究家・園山真希絵との二股交際』で騒がれているハリケンレッド・塩谷瞬みたいな感じかなぁ・・。
ちょっと違うかぁ?
ま、浮気は浮気で、玉木は本気!?
由良姫(田中麗奈)は、黄昏・・・。
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一方、源氏の棟梁・為義(小日向文世)は、えらく思いつめた感じで義朝の異母弟・義賢(阪本浩之)を呼びつけ、源氏に代々伝わる太刀《友切》(友近ではない)を授け、東国に行って義朝に対抗できる力をつけろと「超・唐突」に命じております。
(「髭切り」と改められた太刀は、重要文化財として北野天満宮に所蔵されているそうな)
ある程度、歴史を踏まえながらのドラマだから仕方がない部分はあるけど、『平清盛』は王家も公家も武家も、どこもかしこも、一族内のドロドロがよく取り上げられますねぇ・・・。
話が内向的です。
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清盛の息子たち(重盛、基盛、清三郎)が、家庭教師の盛国(上川隆也)に勉強を教えて貰っております。
基盛はウチの息子みたいに勉強に嫌気がさしてゴロリン。
真面目な長兄・重盛は「盛国に教えてもらう有難さ、忘れたか。盛国は漁師の生まれにて若き頃は読み書きもできなんだそうだ。それが父上の家臣となり、家貞より教えを受けて熱心に稽古し、今や、こうしてわれらに教えるほどになったのだ・・・」と、基盛を説諭します。
なんか、微妙に違う気がするなぁ・・・。
ここは「盛国に教えてもらう有難さ」なのかなぁ・・。
「勉学の大切さ」と「盛国に失礼である」ことを諭す方が自然だと思うなぁ・・・。
直後、時忠(森田剛)が三男・清三郎(後の平宗盛)に余計なことを吹き込みます。
今の正妻・時子(深田恭子)の一番目の子なのに、清三郎という名が付いてることからしておかしい。清盛は亡妻・明子(加藤あい)に惚れていたから、「お前より重盛、基盛を大事にする。」のだと言うのです。
また、この手の話かぁ・・・。
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清三郎がまんまと時忠の言葉に汚染されて、紙をびりびりに破いて書の稽古も弓の稽古も拒否!!
学級崩壊じゃ!!
清三郎の有様を見た清盛が「家のことはそなたの役目であろうが!!」「膳の数は間違える、琵琶は弾けぬ。挙句、清三郎をかように情けなきものに育てよって、明子ならば、もっとしかとした棟梁の妻となっておったぞぉ!!」と怒鳴り散らかします。
うわっ、言ってはいけないことを言っちゃった・・・。
子供の目の前で「かように情けなきもの」だとか言っちゃうし、母親を罵るし、ダメおやじです!!
主人公のくせに、腹の小さき男です!!
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怒鳴りまくった清盛に義弟・時忠(森田剛)が、時子が琵琶を弾かなくなったのは、結婚前に清盛が「耳に残る明子の琵琶の音色をかき消されたくない」と言ったからだと告げます。
たしかにそう言ったことを思い起こして、清盛ギクッ!
だからといって、ドラマ的に面白いわけじゃあありません・・。
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いよいよ歌会。
鳥羽院(三上博史)、得子(松雪泰子)、崇徳院(井浦新)、雅仁親王(松田翔太)や、薔薇族・頼長(山本耕史)ら濃い面々が参集しております。
「朝夕に 花待つ頃は 思い寝の 夢の内にぞ 咲き始めける〜〜〜。」
メンバーが思惑を込めた歌を披露しちゃおうとして、司会進行役の藤原成親(吉沢悠)も難儀しております。
成親さん、嫌な役目をさせられていますねぇ。
いよいよ清盛が異様に力強く「重盛に 基盛それに 清三郎 清四郎みな われらの子なり〜」
参加者一同、あきれたり失笑したり・・。
雅仁親王は俯いて笑いをこらえてます。
薔薇族・頼長が「なんじゃそれは、お題は春ぞ。」と注意。
(お前、清盛の弟・家盛(大東駿介)と”ウッフン”だったくせに、偉そうにするな!!)
崇徳院「いや、その前に、もはや歌ではない」
(こいつも、佐藤義清の手を握ってたなぁ・・・)
清盛は「歌のことで心を奪われてしまい、妻に言うてはならぬことを、言うてしまいました。」云々と家庭事情と反省を述べました。
さらに、後妻であることへの引け目も口にしない「いつも明るく、まこと春の陽だまりの如き女子にござります。」として、ここで春が詠い込まれていることを披露。
そして一堂に会した平安VIPに対して「この平清盛、きっぱりと申しまする。私は妻や子、親、兄弟、家人たち、即ち我が一門の者たちを何より大事に思うておりまする!」と清盛。
鳥羽院らは、何かを感じたのか、言葉も発しません。
良い場面でした・・・と言いたいところですが、本当言うと、よく意味合いが掴めませんでした。
ドロドロ王家&公家に対して、平氏一門のシンプルで清涼な結束を宣言したってこと??
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歌会が終わって得子(松雪泰子)は清盛について「諸刃の剣のような男じゃ」と・・。
鳥羽院「だが、最も我らに足りぬものを持っておる。」
崇徳院、無言・・・。
あの清盛の振る舞いや言葉から『諸刃の剣』に繋がる??
『最も我らに足りぬもの』云々って、えらくベタな反応。
んむむ・・・??
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大急ぎで館に帰ってきた清盛。
時子は子供たちに琵琶をボロンボロン・・・。
「殿、お帰りなさいませ・・」と、どこかから空気が抜けたような声で、雰囲気をがらりと変えちゃう時子・・・。
上の子二人が父から母をかばおうとしていります。
重盛「母上を傷つけるようなことを申さば、父上といえども許しませぬ!」
次男が不規則発言したり、真面目すぎる長男が父に反抗しようとしたり、少し不自然に感じましたが平安武家の棟梁の息子って、そんなもんなんですかねぇ・・・。
結局は、仲直りするために急いで帰ってきたので、家庭内争議はメデタく解決ヽ(^。^)ノ。
王家みたいにドロドロになりたくないって思ったんですね・・・。
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ここまでずっと面白くないのは、贅沢に『17回』も使って延々と「前フリ」を放送していたってことなんでしょうかね。(全50回あるから余裕です)
「たい焼き」のアンコが入っていない部分を食べ続けてきたって感じかな??
第2部以降、保元の乱、平治の乱など、ドラマがダイナミックに動き出すんでしょう、たぶん・・。
もうじき、アンコのある部分を齧ることができるんですよ・・・。
ドロドロと家庭内のいざこざだけで終わるはずがないもの・・・。
「心の軸が身体を支え、身体の軸は心を支える」という父・忠盛 (中井貴一)の名言がありましたが、このドラマには《軸》がない印象が強いです。
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