「南極大陸」第10話(最終回) 衝撃の結末「キムタクは犬語が分かる」
- 2011.12.19 Monday
- 12:08
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最終回は視聴率22%。
割と多くの方が見たんですねぇ。
感動できましたぁ??
感動しなきゃイカンのでしょうけども、小生は、性格がひねくれてるせいか、感動話に感動できませんでした。
−◆−
昭和基地にたどりついた倉持(キムタク)は、帽子から覗いている髪の毛がハッキリと茶髪。
過酷な航海や、南極の雪のキツイ照り返しで、あんな風に髪の毛が痛んだのであります。
昭和30年代の日本男児が髪を染めるなんて、あり得ません。
で、早速、犬たちを鎖につないで置き去りにした場所を確認。
雪を掘って凍った遺骸や、首輪を発見。
最後に、リキ、タロ、ジロが脱出したことを確認。
雪掘りの場面が結構長いです。
国家プロジェクトで南極に来てるのに、犬探しばかりです。
あの時代だから許されるけど、ガチガチに費用対効果を求められる今の日本だったら、犬探しは税金の無駄だと斬り捨てられちゃうのかもしれませんよねぇ。
犬探しに血道をあげて、宗谷からの呼び掛けにも倉持が応答しないものだから、白崎隊長(柴田恭兵)たちが心配しちゃってる。
倉持は、とんだ迷惑男です。
−◆−
ふと気づくと、基地の近くに犬の死骸らしきものが見えたので、キムタクが駆け寄りました。
リキです。
雪にも覆われておらず、ただ眠ってるような姿。
リキをトントントンと叩いた倉持ですが、反応はありません。
「何やってんだよ、起きろよ。 日本に帰るぞ。遥香ちゃんも亮くんも、待ってんだろう。 ほら、目あけろよ。」「なんだ、クソぉ、だってお前ぇ、温ったけぇじゃないか。 な、まだ温ったけぇじゃないかよ!!」「戻って来ようとしたのか、なあ。偉いなお前。」「ごめんな。もうちょっとオレが、早く戻って来られたらな。ごめんリキ。ごめんな・・・。」
死体に語りかける典型的なパターンで、セリフも古典的だから、感情が動きませんでした。
心を揺さぶるような言葉が見当たりません。
『まだ温かい』というシチュエーションも、なんか出来すぎてるようにしか思えなくて・・・。
キムタク自体も、激しく愛おしむでもなく、号泣でもなく、脱力でもなく、どういう感情の動きなのか、つかみどころがありませんし・・・。
キムタクの独断場なのに、エッジが効いていません。
−◆−
キムタクが「リキ、お前と出会えて、ほんとによかった。ありがとう。」とリキを悼んでいますと、グッドタイミングで日が昇って来てキムタクの顔に日差しがあたりました。
なにやら、忍び寄る動物の気配!!
ムム! エイリアンかプレデター!?
キムタクが顔を上げると、大きな太陽を背に1頭の犬の姿が見えました。
太陽が、早回しみたいに、どんどん上がって行きます。
今度は2頭見えました。
キムタク思わず「タロ、ジロ生きていたのか。タロ〜〜。ジロ〜〜〜。」
「わん、わん」
駆け寄るキムタクと犬たち。
しかし、あと数メートルの所でタロとジロはストップして、距離を維持したまま唸り声。
キムタク「どうしたんだよ? 忘れちゃったか?」
小生が犬の立場なら「お前今まで何してたんや!!」と、恨みつらみを言うにちがいない。
キムタク「会いたかったんだよ」
タロとジロ「ウウウ〜〜!!」
キムタク「どうしても会いたかったんだよ。」
小生が置き去りにされたタロなら「土下座しろ!」と、謝罪を要求するな。
キムタクは「ごめんな、置いて行ったりして。」と、ようやく謝罪。
タロとジロは「もう謝らなくてもいい、何もしなくていい、ただもう、死ぬまで二度と笑うな。」と言いたいかもしれない。
キムタクに「承知しました」と言わせたいかもしれない。
倉持は、片方の手袋をとって犬たちに向かって投げました。
あの状態で何か投げらたら、普通の腹を減らした犬なら餌だと思って食らいつくと思うのですが、賢いタロとジロは、クンクンして匂いを嗅いで過去のことを回想し、そして倉持を思い出したようです。
キムタク「おれだ、おれだよ。」
かけ寄ってきた二頭が「わんわん」鳴いて、キムタクが抱きしめます。
キムタクはタロ、ジロに「”風連のクマ”とか一緒じゃなかったのか?」と尋ねます。
タロ、ジロ「ワンワン、ウ〜〜〜〜。」(誰か通訳して)
キムタクは「そうか」と、タロとジロの報告を一瞬で理解した様子。
犬語が分かるのか!!
さすが、国民的スターは違うなぁ。
−◆−
日本に、タロ、ジロの生存が伝わりました。
リキの死を知った遥香ちゃん(芦田愛菜)は、泣いちゃいました。
日本中の芦田愛菜ちゃんのファンも、もらい泣き??
今年は、芦田愛菜ちゃんの大ブレークの年やったなぁ・・・。
最近は、発災後の『ACのコマーシャル』並みに、芦田愛菜ちゃん出演のCMが多い気がするわ。
この子がAKBで、今選挙したら絶対にセンターポジション取りそうな勢いだもの・・・。
−◆−
犬の安否を心配して集まっていた一次隊の面々。
まるで、ペルーの落盤事故で地下に人間が33人も取り残されてるみたいな雰囲気。
「そこまで犬が心配なのか??」「他に心配することがいくらでもあるだろう」なんてことを考える小生は、心が冷たい??
犬に感情移入できない小生は、このドラマを見ても仕方ないんだろうなぁ。
で、集まっていた一次隊の面々に星野さん(香川照之)が「私らの犬は、必死に生きとったんです。私らも必死に生きんと。私たちの犬たちに負けんように。これからも、しっかりと生きて行きましょうよ。」と、温和に話しかけます。
このセリフも、あまりにも在り来たりで、心に響いてきません。
もっともっと文章を練りに練って、セリフを作りこまないとイカンと思うなぁ。
−◆−
タロ、ジロ生存の号外が刷られ、これを街中で見た氷室は、空に向って「倉持〜〜〜〜!」っと叫んでいます。
誠にもって変な人であります。
コミックやアニメにおける表現手法としては、こういうのもアリだと思うけど、実写のドラマで空に向かって叫ぶのはナシだと思うなぁ。
−◆−
美雪(綾瀬はるか)は、空に向かって「たけしさ〜〜ん」なんてことは叫びません。
大人しくて常識的な女性ですから、姉の墓に報告していました。
あれは、やっぱり”あれ”なんでしょうね。(晴美所長のマネして、小生が言いたいことを表現・・・)
要するに、姉の元夫・倉持を譲り受けますって・・・。
こんな風にして、綾瀬はるかは一応の役割はあったものの、恋バナも薄口で、存在感は超希薄なままでした。
出演者リストに”綾瀬はるか”の名前を載せることだけに意義があったような印象です。
芦田愛菜、綾瀬はるかの名前が有ると無いでは、違いますものね。
−◆−
遺骸が確認できた8頭を水葬することになりました。
キムタクが無線越しに挨拶。
「8頭の仲間と1年ぶりに逢いました。みんなキレイだったんですけど、首のところだけが・・・真っ赤に擦り切れていて、きっと何度も、何度も、鎖で繋がれた首輪を引っ張ったんだと思います。 生きようと必死で。最後の最後まで必死に、生きようとしたんだと思います。 以前、白崎先生と、こんなことを話したことがあります、戦後十年、この南極観測が『あきらめなかった日本』の象徴になってくれればいいと、けど、あきらめなかったのは、僕等ではなくて・・・・、彼らだったんだと思います。 なので、最後まで、あきらめなかった仲間たちにはこの南極で日本の南極観測隊を、ずっと、ずっと、見守ってもらおうと思います。」
白崎隊長「日本の南極観測の新たな道を切り開いてくれた尊い仲間たちの魂に、敬礼!!」
日の丸に包まれた棺が次々と海に・・・。
キムタク「生きるからな。お前たちの分まで精いっぱい生きるからな。約束する。」
またまた、使い古されたフレーズしか出てきません。
最後に、リキのお棺。
タロジロが駆け寄ってきます。
キムタクはリキに「絶対会おうな。それまでちょっとだけ待っててくれ。」
ビヨ〜〜ン、ビヨ〜〜ン♪ と、中島みゆきの『荒野より』が流れ始めました。
キムタクのモノローグ<戦後と呼ばれた時代、僕たちは日本の明日を信じて、必死に生きていた。必死に、生きていた。>
<生き続ける、走り続けることが、僕たちの、証しだから。みんなが生きた、証しだから。生きる。生きる。生きる。確かに、生きていた。僕たちは、明日を信じて生きていた。すべてを終えた後、笑って会えることを信じて。>
綾瀬はるかの短い場面が挟まって、児童を前に「先生の夢は、みんなをちゃんと未来に送り出すことです。」
香川照之は大学の生徒を前に「南極は、素晴らしいところでした。僕の仲間たちも、あそこで生きたんです。」
キムタクのモノローグ、綾瀬はるかと香川照之のセリフに、何かを感じないといけないんでしょうねぇ。
でも、あまり琴線に触れません。
敢えて言えば、「未来」って単語かな・・・。
子供たちの未来に「放射能」と「巨額の財政赤字」を残しちゃった小生の世代は、『日本の明日を信じて』とか『すべてを終えた後、笑って会えることを信じて』とか、言えない。
−◆−
一時は視聴率が一桁になる日も近いと言われながら、最終回で20%を回復し、TBSさんは胸をなでおろしたんでしょうね。
でも、内容は濃くなかったです。
キャストは豪華だったものの、物語が平板で、薄口で・・・。
艱難辛苦の気配が伝わってこないから、南極なんて、パパッと行けて、パパッと帰ってこられるような気になっちゃいます。
結果的に『キムタクと犬の99日』的な・・・。
犬が高い知能を持ってるみたいに、クレバスに落ちそうな仲間を鎖を下ろして助けたりする場面もありましたし、奇妙なドラマでした。

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