福山雅治『龍馬伝』第17回★さほど怖くない「怪物、容堂」
- 2010.04.26 Monday
- 13:46
- NHKドラマ・番組
第17回「怪物、容堂」
あれれ?
なんか面白く無くなってきたような・・・。
気のせいか?
武田鉄矢を苦手としているので、小生の目が濁ってきたか?
小生が、このドラマに飽きてきたのかなぁ?
【 今回の以蔵〜その1 】
先斗町で酒を飲んでる収二郎(宮迫博之)ら土佐勤王党の面々。
「もはや先生は国を動かしてる」「鼻が高い」「土佐藩士は一目おかれてる」と武市主導の攘夷運動の高まりに満足してグダを上げてる。
しかし、メンバーの一人が「先生ばっかし出世して、ワシらは変わらんき」と不満を口に・・・。
目標に向かって走っているうちはいいのだけど、いざゴールに近づき腰を据えて何か始めようとすると、集団の中が乱れ始める。
今の、民主党政権みたいに・・・。
で、口論が始まり、不平を口にしたメンバーに以蔵(佐藤健)も突っかかっていこうとする。
すると「今日は誰を斬りに行く、以蔵」「影ではなんと呼ばれようか知っちゅうか・・・人斬り以蔵やぞ」と侮蔑の言葉を投げかけられる以蔵。
その夜も、以蔵が京の街でバサ〜〜〜っとやってる。
もはや、以前のようにドキドキしてる様子も、躊躇する様子もない。
【 今回の以蔵〜その2 】
後日、京の土佐藩邸で、武市から褒美として安政一分銀らしき貨幣を4枚差し出されたは黙り込んでいる。
沈黙を気にした武市が「どうした?」と問う。
「儂はいつまで、人斬りを・・・・」と、一旦、口にしかけるが「何じゃ無いがです」と去っていく以蔵。
何気に、「人斬り」への疑問が頭をよぎり始めてる?
【 今回の以蔵〜その3 】
以蔵は、京の飯屋で奉公する娘・なつ(臼田あさ美)と恋仲になってる。
「今晩も、お前のところに泊めてくれ」と言う以蔵に、藩邸に帰らず外泊してもいいのかと心配する”なつ”
「儂ゃ、誰にもできん仕事をしようけん」と口にした以蔵。
武市のため汚れ仕事を引き受けている自分は特別だから多少のルール破りはOKだと考えてる。
このメンタリティってね、官僚が裏金作って飲み食いしたり、居酒屋タクシーで接待されるのと同じかも・・・。
中央官僚は、深夜や日曜・祝日まで役所に張り付いて予算編成や国会対応に追われ、給料分以上の仕事をしている気になってるから、だんだん神経が麻痺してきて、「ちょっとぐらい美味しいことがあっても、おかしくない」と勘違いしてしまう。
そうして、規範意識が薄れてしまい裏金に手を出したり”悪さ”をしでかす。
単なる外泊ですが、感覚がルーズになってる時ってのは、道を外すことがあるから要注意なのです。
【 今回の以蔵〜その4 】
人斬りを終えたが、路地を出た途端に男たちに囲まれ斬られてしまい絶命。
うわっ・・悪夢だった。(夢オチ)
”なつ”と並んで寝ていた布団から、以蔵がバッと起き上がり、「儂ゃ、斬りとうて斬りよるワケじゃないぜよ。武市先生のために〜〜〜〜」と、半狂乱で叫んでる。
”なつ”に抱きかかえられ、号泣・・・。
以上、今回の以蔵。
佐藤健、なかなか雰囲気を出してる。
目がイイ。
【 容堂〜その1 】
さて、「怪物、容堂」のくだり・・・。
山内容堂の屋敷に、海軍訓練生を出してくれるように以来に訪れた勝(武田鉄矢)と龍馬(福山雅治)
勝は、それとなく脱藩者を許すように願い出るが、容堂は「脱藩は藩に対する裏切り。脱藩は、儂への裏切り」だとして許す様子なし。
土佐藩士の動きに話題が及び「最近は土佐にも、時勢に乗じて調子に乗りすぎている輩もおる」と、山内容堂が苦々しげに語る。

龍馬「少し、怖さを感じましたけん」
勝「土佐藩を動かしているのは藩主様でも武市半平太でもねぇ。あの御仁よ。」
(現代訳すると「日本を動かしているのは、鳩山由紀夫じゃねぇ。あの御仁よ。」)
実はこの会見で、山内容堂はもっと多くを語っていたのですが、それは後の場面で明かされます。
だから、この時点では「怖さを感じた」という龍馬の言葉にピンと来ませんでした。
【 武市の手紙 】
女遊びもせず、一心に攘夷運動に傾注する武市が、土佐の妻・富に手紙を送る。
『間もなく将軍が上洛し攘夷を約束するがじゃ。
山内容堂公は攘夷の旗頭となり、徳川将軍と並んで重きをなす御方になられるぜよ。
その日が来たら儂はすぐ戻るき、それまで達者で暮らしよ。』
山内容堂を信じきっている武市だけど・・・。
【 容堂〜その2 】
神戸に向かう龍馬は希望だけではなく、不安も抱えていた・・・。
前の場面では明かされなかった山内容堂の言葉が龍馬の心を曇らせていたようです。
「時勢に乗じて調子に乗りすぎている輩もおる」という言葉の後に、山内容堂はこう続けていたのです。
「その男は、こう言いよう。『儂は日本のため、帝のため、大殿様山内容堂公のために働きゆう』と」
容堂が言う”その男”とは、武市のことです。
勝「忠義一途の御家来衆の一人と見えましたが・・。」
容堂「土佐ではのう、下士は犬猫同然なのじゃ。下士の分際で藩を動かすなど虫唾が走る。口では儂の為だと言いながら、武市は儂の支えだった吉田東洋を闇討ちにしたのじゃ。そんな輩を許してもええと思うか」
容堂が龍馬に鋭い表情を向ける。
これを受けて龍馬は「恐れながら武市殿が作られた土佐勤王党は、御公儀の命により御謹慎となられた大殿様をお救い申し上げることを大義の一つに掲げておったと聞いてます。」「武市殿は一切の私心無く、ただただ大殿様に忠義を尽くされているのではないでしょうか」と武市を擁護。
考え方は違っても、ある部分では純粋に、そして本気で行動している武市のことを龍馬は認めてる。
しかし、容堂は、武市を蔑み全否定・・・。
龍馬が感じた「怖さ」とは、山内容堂がもつ危なっかしい思考形態への「怖さ」かな?
吉田東洋には人間の奥深さや大きさがあったから、怖さや凄みがあったけど、山内容堂にはただの「危険さ」しか無い感じ。
”怪物”と形容するほどじゃない気もします。
「怪物、容堂」ってサブタイトルが、そもそも”ネタバレ”になっているから、余計に「それほどじゃない」と思ってしまったのかも・・・。
(この人が、昔、ピアノの鍵盤の上に立ち、足で弾いていたことを思い出すと、やはり怪物なのかも・・・「柔道一直線」古っ!)
【 武市の出世 】
将軍・慶喜と直接会見できる身分に引き上げるよう土佐藩に働きかけてほしいと三条卿(池内万作)に願い出ていた武市は、土佐藩老中から、上士に取り立て”京都留守居役”に任命する旨告げられる。
江戸の山内容堂も承知していると聞かされ、武市はヒデキのように感激し「ありがとうございます。大殿様」と・・・。
そこに、江戸の容堂の独り言が被る。
「上り坂もここまでじゃ。タ・ケ・チ」
おお、感激している武市憐れなり・・・・。
「最近は民主党内にも、時勢に乗じて調子に乗りすぎている輩もおる。マ・エ・ハ・ラ!」なんてことを小沢氏が言ってそうな気もする・・・。
【 佐那さん 】
千葉道場に「残って欲しい」あるいは「帰ってきて欲しい」という重太郎(渡辺いっけい)の説得も虚しく、龍馬には江戸を去る決意を千葉定吉(里見浩太朗)、重太郎、佐那(貫地谷しほり)に告げる。
定吉から「世の中をひっくり返すような大仕事を成し遂げるんだ」と励まされた龍馬は「最後に、佐那様と立ち合わせていただきとうございます」
剣を交えた後、面を脱いだ佐那が「本当に強くなられましたねぇ」「いざという時には、きっと、その腕が守ってくれるでしょう」と・・・。
近江屋で凶刃に倒れることを知っているから、「いざという時には、その腕が守ってくれる」という佐那の言葉に複雑な思いも・・・・。
「お佐那様のことは、生涯忘れませんき」と口にして、龍馬は去っていった。
その後、佐那は、定吉と重太郎を前にして「坂本さんが好きだったんです。」「本当は父上だって、そう思われていたのでしょう?私と坂本さんが夫婦になって、この道場を継いで欲しいと」
女性が、父親と兄に向かって、ここまで本心を晒し出せるものかなぁ・・・。
佐那の思いを描くにしても、えらく直接的な描き方で、すこし面食らいます。
さらに佐那は、「私はもう、誰の嫁にもなりません。これからも、剣一筋で生きて参ります。」「心配しないでください、兄上、父上。だって、坂本さんは、ここにいるのですから」
そういって、壁にかかっている「坂本龍馬」の名札を見つめる。
58歳で亡くなるまで生涯独身を貫いた佐那の墓には「坂本龍馬室」と刻まれている。
だから、「私は、誰の嫁にも・・・」というセリフには大いに感じるものがあるのだけど、名札を見あげて「坂本さんは、ここにいる」ってセリフは、ちょっとありきたりな感じだったかなぁ・・・。
”貫地谷しほり”が浮かべた涙は美しかったけど、『最後の立ち合い』『坂本龍馬の名札』は、小生の好みの場面ではありませんでした。
【 今週の弥太郎 】
弥太郎(香川照之)は、安政大地震の復興需要を見込んで材木を仕入れて一儲けを狙っていたが、これが失敗に・・・。
で、坂本家に借金の無心に行き、「材木の仕入れ代金をい立て替えてくれ。」「材木100本を買うてくれ」「どっちでもええき、好きな方を選んでくれ」とトボけたことを言ってる。
坂本権平(杉本哲太)は「なんぼ?」と材木の値段を問う・・・。
まぁ、人の良いこと・・・。
弥太郎が商売の道を進む様子を面白おかしく描いた場面で、笑える。
だけど、必然性は無いような・・・。
3話連続で、弥太郎は必然性の無い出番。
無理に出番を作らずとも良さそうなものだけど、ほぼ1年間放映される大河ドラマには時間がったっぷりあるから、こういう場面を挟むことができちゃう。
冗長になってしまう可能性もある。
面白いのか、冗長なのか、微妙になってきました。
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