『坂の上の雲』第5回★今年も皆で年を越せるのう・・・
- 2009.12.29 Tuesday
- 15:19
- NHKドラマ・番組
【 今年も皆で年を越せるのう 】
母・八重(原田美枝子) や律(菅野美穂)とともに暮らす家で、子規(香川照之)が「今年も皆で年を越せるのう・・・」とひとりごちる。
従軍経験を経て、今も病を患っている子規が「今年も皆で・・・」と口にするセリフは痛切でリアル。
あの時代、とりあえず無事に”皆で年を越せる”ことへの喜びとか安堵感とかは、現在とは比べものにならない感慨があるんでしょうねぇ。
短いセリフなんだけど、心に滲みてくるものがありました。
【 留学、諜報、見学 】
アメリカとスペインが戦争に突入(米西戦争)し、真之(本木雅弘)は”観戦武官”としてキューバにおける米西戦争を”見学”
艦上で、日本人武官やロシア人武官が米軍の作戦を批評しているのですから、なんとも、大らかな・・・。
とはいえ、真之とロシア人武官は、近い将来のことに向けて火花を散らしてる。
ロシアに渡った広瀬の活動もそうですが、諸外国を見聞する明治の外交は用意周到。
我が国は、他国を追いかけるのは得意ですね。
だけど、いったん追いついちゃうと、上手く事が運ばない・・・。
【 歴史はダイナミック 】
大国スペインに新興国のアメリカが勝利して「これでアメリカも列強入り・・・」
これが、ちょうど20世紀が始まる直前でしょ。
その後、短い期間でアメリカは超大国へと変貌していくんだから、歴史はダイナミックですよね。
逆に敗れたスペインは影響力が小さくなり、現在ではG8(日、米、英、仏、独、伊、露、中)に名前を連ねることもなく、スペイン無敵艦はサッカーのみ・・・。
さて、今から100年後はどういうことになっているやら・・・。
あとね、1896年時点では、好古(阿部寛)が陸軍乗馬学校長となって騎兵を強化、1904年開戦の日露戦争でコサック騎兵を撃破した・・・この騎馬戦からわずか40年ほど後の1945年には爆撃機から日本に原爆が落とされるのですから、時代の流れは凄まじいですね・・・。
20世紀は時代の流れが速すぎますよ。
【 1年先の予告編 】
時代の流れが速い・・・とはいえ、次回予告編に流れる第2部は1年先!!
この1年が長いのか、あっと言う間なのか・・・。
とにかく第1部完結
今回も高橋是清=西田敏行の味わいある演技が好ましかったけど、香川照之、本木雅弘、阿部寛、菅野美穂、松たか子らが良い芝居を見せているし、脇を固める國村隼、大杉漣、竹中直人ら、くせ者揃いの俳優陣も良い。
渡辺謙の抑えめのナレーションもとっても感じいいし・・・。
デフレ時代とは思えない、贅沢な味わいのドラマです。
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ