『流星の絆』最終回…幸せの黄色いポストイット
- 2008.12.20 Saturday
- 13:58
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最終回
【萩村刑事のセリフが多い・・・】
戸神の屋敷で事件当夜の話をする面々にあって、今回は萩村刑事 (設楽統) のセリフが多い。
柏原刑事 (三浦友和) は、あまり口を挟まない・・・。
だって、犯人なんだもの・・・・。
前回の有明兄妹と柏原刑事の会話での「俺に謝ってどうする」、「だから謝るなって」、切り札は「傘だよ」などの柏原刑事のセリフは、すべてネタふりだった・・・・。
【功一と柏原】
傘の柄についた傷から犯人が柏原だと察した功一 (二宮和也) は、戸神家を出たあと柏原を誘い出し屋上で対決する。
功一「何か言えよ、何で殺したんだよ」
柏原「金だ、俺には金が必要だった」
そして、14年前にアリアケで功一の両親を殺してしまう回想シーン・・・。
柏原が父・幸博 (寺島進) を刺した後、「子供が死んじゃうんです」と口にして母・塔子 (りょう) に包丁を向ける・・・。
この回想シーンは、静かな迫力があって原作本では味わえない映像の強みが出てる。
【功一、ピストル、涙】
功一に追いつめられた柏原はピストルを出して「もっと早くこうすべきだった。事件の日でも、息子が死んだ日でも・・・」と口にする。
功一を撃つためではなく、自らの命を絶つために柏原はピストルを用いようとしていたのだが、功一制止する・・・・。
泰輔 (錦戸亮) 、静奈 (戸田恵梨香)、 萩村刑事が現場に到着した時には、功一の手にピストルが渡っており、柏原に銃口が向けられている。
「やっと信用できると思った大人が現れたと思ったのに」「何でアンタなんだよ」
そう叫ぶ功一の目には涙が浮かんでいる・・・・。(二宮君ナイス演技!)
この部分は、原作から微妙に設定が違っているのだけど、さすがにクドカンの脚本は「映像として見栄えする造り」をよく心得ていると感心してしまいました。
そして、柏原に「アンタには生きて貰う」「死んで終わりなんて虫が良すぎる」と遺族の生き様を見届けるように告げる功一のセリフが素晴らしい!!!
【柏原の手紙】
柏原が萩村に在処を伝えた手紙には、自分が犯人であることを告白。
さらに、功一たちが自動車を盗んで仕掛けた偽の証拠で警察を誘導したことも柏原が罪をかぶって時効までの時間稼ぎで行ったと書き加えられていた。(犯人が判明した後の柏原の扱いが原作とドラマでは違うので、この手紙のくだりは原作本の方が感情に訴えるものがあります。)
少し落ち着いた後、功一が泰輔に向かって「もう遺族じゃないよ、お前」と言ったセリフはクドカンのオリジナルで、こちらはクドカンに軍配が・・・。
【妄想係長・高山(年末スペシャル)】
『妄想係長・高山(年末スペシャル)』で、詐欺師として生きてきた人生を精算することと、刑の軽減を図るために一計を案じた功一と泰輔は、高山を上手く騙して200万円返金。(原作では、高山だけでなく他の被害者にも出来る限り金を返してから警察に自首する。)
一貫して可笑しかった『妄想係長・高山』シリーズは最終回でも、高山が「地獄でサービス残業の刑だ!」と悪態ツキながら街を歩いているシーンに爆笑しました。(地獄でサービス残業って凄い!!)
【ダイヤと嘘とやさしいレストラン】
自首することにした功一と泰輔は、静奈 (戸田恵梨香) を守るために行成 (要潤)に協力を依頼。
行成は、「あるものを売ってください」と功一に申し出る。
それは、行成から1000万円を騙し取るために準備していたジルコニアの偽ダイアだった。
そして、行成は開店前日に静奈ひとりだけを店に招待し、あの”柱”のある席で例のダイアの指輪をプレゼント。
アリアケ3と行成の絆の印、そして静奈への愛の証として・・・。
静奈はハッピーエンドでよかったぁ〜〜〜。
【幸せの黄色いポストイット】
ここからは、クドカンの完全オリジナルストーリー。
サギ=マユナシ(中島美嘉)が新装なった「アリアケ」で働いてる!!
最近はややナチュラルになったけど中島美嘉の個性的な化粧と眉が気になっていたので、「マユナシ」と呼ばれている様子に吹き出しました。(クドカンも「マユナシ」って思ってたんですよねぇ)
で、サギは静奈あての功一の出所の連絡を独り占めしてるし、「ハヤシ・ド・ライス」も飛び出すし・・・。
功一が出所して流星3兄妹(+マユナシ)がそろい、盛況の「アリアケ」に花を持って現れる行成。
「じゃあご主人、ハヤシライス。」
「終わっちゃいましたね。」
これで『流星の絆』も終わっちゃいましたね・・・大団円!!
(「幸せの黄色いポストイット」を書き加えたことで、随分救いのあるラストになりました。)
【東野圭吾とクドカン】
物語巧者の東野圭吾の原作にクドカンが味付けしてた「才能のコラボ」は面白かった。
途中で原作を読んだので、同じ物語における「紙媒体での文章」と「映像表現」の差を楽しむことも出来ました。
ここで、ほんの少しだけツッコミを・・・・。
結末にいたるまでの情に訴える物語作りが上手い東野圭吾だから許せるけど、下手な作家が担当刑事である柏原を犯人だと言う結末を用意したらミステリとして反則になるかも・・・。
それから、息子の病気のせいで人殺しに手を染めるほど金に困っている刑事が、傘でゴルフスィングするほどゴルフに傾倒するかという基本的な疑問も・・・・。
こういうツッコミどころを東野圭吾は筆の力でねじ伏せちゃうから凄い。
『容疑者X』と『流星の絆』・・・映像化作品では東野圭吾一人勝ちの1年でした。
蛇足ながら、『このミス』である評論家が『チームバチスタ』について「あれ程面白い小説をどうやったらあんなドラマになってしまうのか・・・」と嘆いている記事が目につきました。
たしかに『容疑者X』『流星の絆』に比べるとドラマ版『チームバチスタ』は・・・・。
【キャストが当たった】
二宮君は長男のしっかりした感じと”かわいそうな顔”がよかった。
ドラマ中盤では、「このドラマは戸田恵梨香のためのドラマか」と思うほど、彼女の存在感が光った。(さすがに最終回は二宮君が主役で、戸田恵梨香は脇だったけど・・・)
錦戸亮も頼りなげでひょうひょうとした次男の味が出ていてよかった。(ラストフレンズと流星の絆で両極端の役をこなすとは、錦戸亮恐るべし!)
三浦友和には騙された(褒め言葉として)。
中島美嘉、森下愛子は可笑しかった・・・彼女たちを狂言まわしに使った製作側の勝利。
お笑い番組では影の薄いバナナマン設楽統が意外にも好演だった。
柄本明、寺島進、りょうなどの役者を贅沢に配したこともドラマを成功に導いた。
ある意味変わったドラマだったけど、よくぞ10回で結末に辿り着いたものだと感心しながら「THE END」
◇◆◇ 連ドラなどテレビ感想 ◇◆◇
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★七つの大罪 第1話
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★牙狼〈GARO〉-炎の刻印-#01
★「ガンダムGのレコンギスタ」#01,#02
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最後は意表を衝かれました…