「リーガル・ハイ」第5話

首相の座も視野に入れている大物政治家・富樫逸雄(江守徹)の収賄事件。
金庫番を秘書・浅井(藤井宏之)が自殺・・・。
富樫任意同行・・・。
そして古美門(堺雅人)の事務所に場面は変わって、黛(新垣結衣)が古美門の求めに応じて、仕分けの白い女王・蓮舫の”物まね”をしてる・・。
つづいて”田中真紀子”に”ヒラリー”に”アウン・サン・スーチーさん”・・・。
「ガッキー、カワイイ〜〜〜」って場面・・・。
こうして始まった『リーガル・ハイ』第5話。
エキセントリックな”古美門=堺雅人”と、ショートカットがカワイイ新垣結衣のコンビが支持を受けてる本作ですが、小生の感覚からしますと第5話の内容は
”オリックス・バファローズ”の打線、あるいは3連敗したときの横綱・白鵬みたいに低調でした。(例えに出してファンの方には申し訳ないけど、わかりやすいかなぁ・・・って)
類型的で厚みを感じさせない政治ネタを芯にして、黛(新垣結衣)に青臭い直球的なセリフを繰り返させた脚本に失望しました。
おそらく『ボストン・リーガル』を多少なりとも意識して制作されている気がするのですが、今回はブッシュやヒラリーやオバマやマケインをからかいながら政治を皮肉る『ボストン・リーガル』と同系統の作品を作ったつもりなんでしょうか??
−◆−
古美門に連れられて今回のクライアントの豪邸を訪ねた黛(新垣結衣)は、表札を見て「富樫って、あの・・・」
黛、どこに行くとも知らんと来たのかい??
古美門から、富樫にケツでも触らせてとして政治家 (富樫ガールズ?)になれと言われていた黛は「いやです、立候補なんかしませんからね私。ケツ触らせませんよ。」
むむ、小沢ガールズの三宅雪子や田中美絵子たちもケツを???
まさか谷亮子まで???
古美門は「弁護の依頼だ、バカ、バァカ、バァカ、バァカ・・・・」と屋敷の中に走ってく・・・。
ここいらは、『リーガル・ハイ』らしい面白さで、今時点では脚本に幻滅・失望していませんでしたけども・・・。
−◆−
富樫(江守徹)、秘書・江藤(河野洋一郎)、古美門、黛が和室で打ち合わせ。
江藤が机上に示した新聞には
『政界のフィクサーの終末』『金権政治に幕』という見出し・・・。
小生の言語感覚からすると、
狭義で言うところの”フィクサー”ってのは”児玉誉士夫”に代表される表舞台には顔を出さない黒幕のことであって、総理の座をも狙う顔が知れた政治家・富樫を「フィクサー」に分類するのはシックリきません。
まぁ、世の中には”小沢一郎氏”のことをフィクサーに分類する方もおられるから100%間違いではないのかもしれないけど、小生は『政界のフィクサー‥』というフレーズが出た時点で、今回は
『がっかり脚本』の予感・・・。
そんな細かいことは気にするなよ・・・。
しかし神は細部に宿る。
−◆−
富樫(江守徹)と秘書・江藤に、黛ちゃんが「金を積めば無罪になるというわけではありませんから。」ときっぷのいいセリフ・・・。
『リーガル・ハイ』が、誇張された世界観で構成されているといっても、それでもヒヨッコ弁護士・黛ちゃんが超大物政治家の前でこんなことを言うなんて、ファンタジー色が強すぎない??
本当は富樫が黛の資質を見初めるエッジの利いた場面になるはずだったのに、黛に中学生みたいなセリフを言わせるんだもの・・・。
−◆−
古美門が富樫に
「敵は検察より、霞が関全体です・・・」
なんかね、それらしいフレーズなんだけど、ちょっとズレてる。
−◆−
執事・服部(里見浩太朗)が「目黒区のビルの代金、2億5千万円の出所が不明だと言うのが始まりでしたね。」と富樫の事件の概要を話し始めます。
黛ちゃんがこれを受けて「検察は花林工業からの不正献金だとして・・・」と・・・。
そして古美門は検察の証拠捏造を示唆・・・。
『陸山会事件』そのまんまやねぇ・・・。
世田谷区の土地代金「4億円」の原資についての不正経理が元秘書3人の共謀で行われたとか、「丹沢ダム受注」にかかる水谷建設からの不正献金だとか、検察による捜査報告書の捏造疑惑・・・・『小沢・陸山会事件』を踏襲してる。
−◆−
元秘書・向井義孝に話を聞きに行った古美門と黛ちゃん。
新垣結衣のスカートスーツに黒いソックスの組み合わせ好きやわぁ〜〜。
−◆−
富樫が古美門に向かって「私はね、金さえ積めば何でもする人間をいくらでも知ってるんだ・・・」
事務所に帰ってから黛ちゃんは「ヤバいですよぉ、あれが富樫逸雄の恫喝ですよぉ〜」
「評判通りの暗黒フィクサーですよ〜」「街宣車とか差し向けてきますよ。右翼も左翼もみ〜〜〜んな来ますよ。」と頭をかきむしってる。
またフィクサー・・・。
街宣車による
『竹下登・褒め殺し』で、フィクサーが暗躍したと言われていることとかが混ぜこぜになってるような??
「寝技・裏ワザ・反則技」なんでもありの富樫を”闇将軍”と呼ぶぶんには違和感を感じないけど、これを、表社会には出てこないはずの「フィクサー」だと呼ぶ言語感覚にはどうしても違和感を覚えちゃいます。
あと、右翼も左翼もみ〜〜〜んな来るってのは無茶苦茶凄い。
で、笑顔で紅茶を手に取った古美門でしたが、手がガタガタ震えて紅茶がジャバジャバと股間付近に零れ落ちちゃう・・・。
シンプルに、肝っ玉が小さい古美門は可笑しいです。
子供じみた古美門の振る舞いが可笑しいです。
(大人げない弁護士・芹沢=佐藤浩市も凄く面白い。)
−◆−
加賀蘭丸(KAT-TUN田口淳之介)が澤地(小池栄子)を尾行・・・。
ところが逆襲されて組みつかれ、最後は腕ひしぎ・・・。
さすが”総合格闘家・坂田亘”の奥方・・・ってか??

で、蘭丸君とワイン・・・。
澤地「ここカップルが多いのよ」
蘭丸「誘ってるの?」
澤地
「私より弱い男は興味ないの」
(このセリフ、微妙に「てにをは」が怪しい)
パッとしない場面ですし、ありきたりなセリフ・・・。
古美門の事務所で食事を摂りながら報告する蘭丸は「だって超手強いんですもん、あのアンジェリーナ・ジョリー!」
澤地がアンジー!?!?
怒られるで。
それはそれとして、ずっと思ってるんですが、今のところ三木(生瀬勝久)と澤地(小池栄子)をこのドラマに配することの効果が感じられないんです〜〜〜。
−◆−
富樫の屋敷で働く使用人の善子さん、吉岡めぐみさんと飲みに行って情報収集してきた黛ちゃんが帰ってきました。
酔いつぶれたかに見えた黛ちゃんが、突然
「この私をバカにすんじゃねぇぞ古美門」と高飛車口調!!
黛
「わたしゃ完全にわかっちまったよ」
あんたは妖怪人間ベラか! 杏ちゃんか!?
黛「富樫を裏切ったのが誰か・・」
古美門「ホントか?」
黛「ああ、ホントだとも。聞きたいかぁ、おい、コミ」
酒乱娘・黛ちゃんが可愛らしい。
コミ「聞かせてもらおう」
黛ちゃん「それがものを教えてもらう態度かぁ、教えて下さいだろう。」
開いた口が塞がらない状態の古美門が「教えてください」
黛はさらに「黛先生、お願いします。この無能な私に教えてください。」と言うよう古美門に促します。
古美門「調子に乗るなよ!!」
しかし古美門は、執事・服部と蘭丸になだめられ、放心状態で「黛先生、お願いします。この無能な私に教えてください。」とお願いしちゃいました。
堺雅人と新垣結衣による
コメディ部分は面白いです。
−◆−
富樫の屋敷を再度訪問した古美門と黛ちゃん。
秘書・伊勢の年俸より高い鯉に餌をやる富樫にむかって、黛ちゃんが
「率直に言って先生のような政治家に総理大臣になってほしくありません。政治家もやってほしくありません。そんなにお金儲けがしたいですか。賄賂貰って高いニシキゴイ買って、バレそうになればお金ばら撒いてもみ消そうとする。身内も容赦なく切り捨てる。あなたみたいな人がいるから政治が良くならないんです。」
いくらドラマの世界だとはいえ、これほどまでに純真で真っ直ぐなセリフを聞かされると、ひねくれ者の小生はゲンナリしてしまいます。
脚本家さんは計算づくで黛真知子が秘める”強い正義感”を「直接的表現」で描いたんでしょうけど、小生は苦手です。
白黒テレビの『月光仮面』でも、ここまでダイレクトに正義を語らないんじゃないですかねぇ・・・。
『仮面ライダーフォーゼ』の面倒くさいほど熱い男・如月弦太朗でも、黛ちゃんの”ダイレクト返球”には負けますわ。
”ルフィ”だったら、もっと気が利いていて心に響くことを言うよ、絶対に・・・。
−◆−
事務所で富樫への怒りを口にする黛。
古美門がいつもの早口で
「君の愚民ぶりも筋金入りだな、一度大雨の日にありったけの貴金属を身にまとい梯子に上って出初式でもやるとイイ。落雷で少しはマシになるだろう。」と、まくし立てます。
こういう可笑しいセリフを書けるんだから、黛の富樫に対する”ベタ台詞”も計算してのものなのでしょうねぇ・・・。
で、古美門が
「この国では金を集める者が悪とされる」と語ると、タイミングよくテレビインタビューで富樫の金権政治を批判する市民の声が映される・・・。
古美門
「こうした愚民に媚びた政治家がクリーンな政治を標榜し、愚民がまたそれを支持する。その結果、力のない何もできない政治家ばかりが増え、力の有る政治家は検察によって抹殺される。そして日本の政治家はダメだと同じ国民が嘆くんだ。」
黛「富樫逸雄を擁護するんですか?」
古美門
「こういう見方もあると言ってるんだ・・・」
何が言いたいの?
「世論」「集団意識」「ポピュリズム」「検察の在り方」などについて語りたいの??
メッセージが乱反射していてベクトルを理解できません。
−◆−
使用人・吉岡めぐみは、自殺した秘書・浅井と交際していたことなどが判明。
結婚の約束をしていた浅井が富樫の事件で自殺してしまい、その恨みを晴らすために地検特捜部・辰巳(津田寛治)に協力した・・・・
黛と飲みに行った時の”吉岡めぐみ”さんは、憎しみや復讐心を完璧に隠していたのに、番組終盤になって唐突に”悲劇の婚約者”に変貌・・・。
愛するものを失った吉岡めぐみの心象風景の描き方が
雑くない??
なんか整合性のない人物造形・・・。
結局は、検察に不利な証言をすることに同意しながら、一方で「謝罪してほしい。土下座して謝ってほしい。」と吉岡めぐみ。
ますます違和感・・・。
後日。富樫、土下座。
吉岡めぐみは
「あの人なら、口を割る前に死んでくれるだろうと思ったから! だから、あなたはあの人に(経理を)
やらせたんですよ!!!!」と怒りを爆発させました。
こんな”憤怒の情”を抱いていたのに、黛と飲む前の”吉岡めぐみ”は至極普通だったもんなぁ・・・。
人間の描き方が、けっこう、ひどくない??
−◆−
富樫が控訴断念。
服役することに・・・。
屋敷に呼ばれた古美門と黛が「四書五経」などについて富樫と
談笑・・・・。
最後は、黛がケツを触られるオチで終わり・・・。
自殺した浅井が化けて出るぞ!!
黛ちゃんだけが勧善懲悪で、検察も悪、富樫も悪、世論にも疑問符、金を優先する古美門も正義最優先ではない・・・ややこしい構図。
社会派的要素も、ポリティカル・フィクションの要素も、
ひどく生半可な印象でした。
黛の「ベタ台詞」や、吉岡めぐみの整合性のない描かれ方、古美門の「愚民論」や、アンジェリーナ・小池の存在やらで、なんか
画竜点睛を欠く残念な出来栄えでした。
にほんブログ村